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上下顎同時印象法

2014『総義歯ライブ3日間実習コース』2日目♪

今日はいよいよ『上下顎同時印象』です! 

2日目は9時からの開催となりましたが、はやくから先生方にお集りいただき、テキストをご覧になったり、稲葉先生に質問されたり、熱心さが伝わってきました。

前日に準備しておいた、上下顎同時印象用のトレーを試適。

最初にゴシックアーチの描記を行いました。  


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■ゴシックアーチ

稲葉式は歯列上の3点法にて描記を行います。

セントラルクラッチの場合、描記芯と描記盤が口腔内中央に位置するため、舌を後退させなければゴシックアーチを描記することが出来ず、自ずと下顎後退位にて、描記されます。

舌後退位により、最大2mm程度下顎位は後退すると言われています。

シュライヒ先生はゴシックアーチのアペックス上ではなく、描記された前方運動上のアペックスから2mm前方に中心位を定めていました。

舌後退位も必ずしもまっすぐ後方に下がっているわけではなく、右より左よりなどに下げる人もいます。
それにより、左右どちらかに偏移した偏心位になる可能性がとても大きいです。

稲葉先生が歯列上でゴシックアーチを描くのは、アペックスを舌に阻害されることなく、再現することが可能です。


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すべてチェック後、いよいよ『上下顎同時印象』です!

印象材の量がポイントだと説明があり、出来る限り患者様が苦しくないように、10分の間冷静に鼻で息をしていただけるように経験上のポイントをいくつかご説明させていただきました。  


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私もそうですが、焦ってしまうと、印象材を多くつぎ込んでしまったり、どちらからトレーを印象したら良いのか、そして大事な嚥下をさせてしまうのを忘れてしまうことがあります。

印象材を注ぎ込んだ後、患者様の喉を触る事を忘れないでください。

ポイントです。

嚥下をしていただくことで、中心位の印象を採る事ができます。

上下同時印象は、噛めるところ、即ち中心位での印象が採れる唯一の方法です。 


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咬合採得、中心位記録、フェイスボートランスファー、ゴシックアーチを1度で行う事により、 一連の作業を簡易化することができると同時に、患者様の情報を、咬合器に確実にトランスファーすることが可能になります。 

フェイスボートランスファーを使用することで、矢状正中とカンペル平面を読み取ることができます。


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このように一塊ですべての情報をコピーすることができます。


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印象材の量も適切です。   


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今回、技工を担当してくださったのは、小平デンタルラボの小平雅彦先生です。

小平先生は、故岡部宏昭先生の弟子でもあり、IPSGのVIP会員でもあります。

岡部先生亡き後、シュトラックデンチャーを継承してくれる技工士として、期待が高まります。  


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これで、患者様の口の中の状態をすべてトランスファーできました。

石膏コアを製作後、いよいよ排列です。 


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稲葉先生自身がすべて排列をし、先生方にご覧頂きました。

人工歯はシュトラックがデザインした、オルソシットを使用します。

この人工歯は25度の角度が与えてあります。

咬合様式は、フルバランスドオクルージョンです♪ 


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実は排列から、患者様の試適まで、1時間半。

時間がないところで、稲葉先生排列をさせていただきました。

実際に患者様に指摘させていただいたところ、咬合高径がなぜか上がってしまったり、歯肉形成がうまくいかなかったりとエラーが発生。

夜の8時迄、稲葉先生あきらめずに再排列。

先生方にも患者様にもずっとお付き合いいただきました。

試適、そして重合まで2日目で終わらせる必要があります。

だいたいのところまで、決めて、あとは技工士の小平先生に託しました。 


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シュトラックデンチャーの歯肉形成、よくご覧頂きたいと思います。

バッカルシェルフの厚み、そしてサブリンガルルームの大きさが特徴です。

現在のBPSの外形に比べて、大きく違う点だと思います。

2日目修了。

明日はいよいよセットです! 

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上下顎同時印象法

2014『総義歯ライブ3日間実習コース』1日目♪

IPSG事務局、稲葉由里子です。

7月19.20.21日『総義歯ライブ実習コース』が開催されたので、ご報告させていただきます♪

実際の患者様をお呼びして、問診からスタディーモデルの印象、上下顎同時印象、 咬合採得、ゴシックアーチ、排列、重合、最後のセットまですべてライブでご覧いただけるセミナーです。

3日間3回に分けてお伝えしたいと思います(^_^) 


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稲葉先生の右腕として技工インストラクターをつとめてきた、故岡部宏昭先生。

Dr.Hans Shleichの総義歯コースでも活躍されていた、素晴らしい先生でしたが、大変残念ながら、昨年末お亡くなりになりました。

岡部先生がいない、総義歯コース。

今回のメインサポートであり、一部講義も担当するのは、IPSG副会長、岩田光司先生、アシスタントとして、佐藤孝仁先生、技工アシスタントとして、小平雅彦先生、中沢勇太君、映像担当は稲葉則子ということで、IPSGスタッフ力合せての総義歯セミナーとなりました。

義歯を吸着させるだけではなく、咬合をどのように与えるかが、ポイントです。 


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今回ご協力いただいた患者様は、38歳女性。

1年前に稲葉歯科医院に来院されたのですが、残念ながら重度歯周病のため総義歯となりました。  

患者様のスタディーモデル採得の様子です。

スタディーモデル用のトレーはAccu-tray、Ivoclar-Vivadent社から販売しています。

総義歯に必要な部位をこのトレーを用いる事で的確に採得することができます♪ 


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模型分析の様子です。

IPSGセミナールームの特徴として、口腔内や稲葉先生の手元がこんな風に拡大してご覧頂けるため、先生方に詳細に学んで頂く事ができます(^_^) 


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上顎のスタディーモデルです。

歯周病を煩っていたので、左右骨の吸収が非対称、第一横口蓋数壁が消えています。


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(故岡部宏昭先生資料より) 

【CPCライン】

Canine(犬歯) Papilla(切歯乳頭) Canine(犬歯)を結ぶ線は総義歯の排列の基準になります。

切歯乳頭の中点から7ミリ外側(唇側)に中切歯唇面。

第一横口蓋数壁の末端からCPCラインに向かい9ミリ外側に犬歯の最大豊隆部。

CPCライン上に犬歯尖頭。

第一横口蓋数壁末端から2ミリ外側に犬歯の舌側の歯頸部です!

 


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下顎は歯槽頂が尖っていて、舌側にアンダーカットがあります。 


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(故岡部宏昭先生資料より) 

【パウンドライン】

下顎の犬歯の近心隅角とレトロモラーパッドの舌側面を結んだライン。

そして、大切なのは顎舌骨筋の付着の仕方を頭の中に入れておく事です。

この部分は、シュトラックデンチャーでは使いません。


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スタディーモデルを元に作った上下顎同時印象用トレーです。  

気になる咬合採得は・・・ 


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(故岡部宏昭先生資料より)

上唇小帯最深部から上顎切歯切端まで22ミリ。

下唇小帯最深部から下顎切歯切端まで18ミリ。

を基準に38ミリから40ミリに合わせればだいたい決まります。 

 


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口腔内でも同じ状態が再現できています。

ほとんど、咬合高径はこれで予測できました♪ 

これで、2日目の午前中、上下顎同時印象をするための準備が整いました(^_^)   


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ここで、稲葉先生の総義歯、シュトラックデンチャーのコンセプトをお伝え致します。 

今までの日本の総義歯は、顆路傾斜を計って、ベネット角を再現してフルバランスを作る方法でした。

患者様の顆路を計り、チェックバイトで咬合器を調整していた従来の方法です。

しかし、老人の顆路は丸みを帯びていて平らな形に変形してしまっています。

従来の方法は、この平らな顆頭に合せて計測するため、平らな咬頭の義歯になってしまうということです。 

シュトラックデンチャーは、オルソシット人工歯の咬頭傾斜は25度と決まっています。

従って、義歯が顆路を誘導するというコンセプトです。

義歯が顆路を誘導するには、適合性が相当良くて義歯が動かない様な物を作らないといけません。

顆路は、リモデリングされます。

関節と窩、円板を介在させてわずかに離れる程度の誘導です。

そこが、従来の方法とシュトラックデンチャーとの大きな違いと言ってもいいでしょう。

一日目が修了。

今回開始直後にカメラとモニターの配線がうまくいかない事態が発生。

わたしがほうぼう近所の電気屋さんに涙目で聞き歩いたけれど見つからないということがありました。

結局、技工士の中沢君が粘り強さで、配線を正しくつけかえ、復活した事件もありました。

ご参加いただいた先生方、ご迷惑おかけいたしましたm(_ _)m 

懇親会の模様です!!


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2日目、3日目もよろしくお願いします(^_<)-☆ 

 

 

 

 

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【IPSG包括歯科医療研究会】

2014『総義歯の基礎と臨床』開催されました♪【後半】

 IPSG事務局、稲葉由里子です。

『総義歯の基礎と臨床』【前半】に続いて【後半】のレポートをさせていただきます。

稲葉先生が、『上下顎同時印象法』を開発した経緯について、まず、お伝えいたします。

1978年ドイツ、チュービンゲン大学の客員教授として留学をしていた際、IVOCLAR社主催の総義歯のセミナーを受講しました。

その時の補綴研修部長が、Dr.Hans Shleichです。

大変な衝撃を受けたと言います。

日本の教育の総義歯とは全く違う方法で行われていました。

その時IVOCLARでみた方法は、スタディーモデルを上下顎同時印象でアルギン印象で行っていました。

稲葉先生は、それ以来、これをどうにか、上下同時に最終印象で、そしてシリコン印象で行いたいと、ずっと考えていました。

そして、20年前稲葉先生が代表を務めるIPSG発足を機会に、Dr.Hans Shleichを招き、IPSG発足記念講演を開催しました。 


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こちらがその当時の写真です♪

IPSG発足して、20年なので、ちょうど20年前の写真ということになります。

(左上のモノクロの写真には、わたしも写っています・・・(^_^;) 

日本歯科大学の講堂で開催された、とても懐かしい写真です。 

それから間もなく、稲葉先生は、ガンタイプのシリコン印象材が開発されたのを機に、最終印象を上下顎同時印象で取る方法を開発し、発表しました。

日本の総義歯は残念ながら遅れています。

現在の排列もギージーの方法のままです。

上下顎同時印象法は、特殊なものなので、大学の教育に取り入れられることはありません。

エビデンスがあっても、国家試験には結びつかないので、大学ではなかなか取り入れられるのが難しいテクニックなのだと思います。


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〜シュライヒ先生について、Dr.Hans Schleich〜

  • 1926年ドイツミュンヘンで生まれ、父親はワイン作りのマイスター
  • ミュンヘンで歯科技工士の資格を取得し、その後矯正学を勉強ドクターの資格をとる
  • リヒテンシュタインのイボクラー社の補綴研修部長となり、イボクラーデンチャーシステムを完成させる
  • その後イボクラーデンチャーシステムを広めるために世界各地で講演活動をする
  • ブラジル、サンパウロ大学から名誉博士の称号を受ける
  • 1994年イボクラー社を退職。

〜シュライヒ先生の功績〜

  • ヨーロッパの多くのプロフェッサーの業績を義歯の製作というテーマでシステム化し、イボクラーデンチャーシステムを作り上げた。
  • 即ち、印象はミュンスター大学マルクスコルス教授の上下同時印象用トレーであるイボトレー
  • 咬合器はデュッセルドルフ大学のベトガー教授のナソマート咬合器のシステム
  • ゴシックアーチ描記はポーランドワルシャワ大学のクラインロック教授の描記法、ナソメーター
  • 人工歯はチュービンゲン大学のシュトラック教授のオルソシット等を取り入れ、さらに印象材、カップバイブレーター、トレーレジン、イボカップシステムを開発し、総義歯製作の体系を創り上げた人 

 Dr.Hans Shleichが、今のBPSシステムのインストラクターの大元だったことは、あまり知られていません。

残念ながら今のBPSシステムとシュトラックデンチャーは違うものとなってしまいました。

シュライヒ先生、稲葉先生、そして総義歯の巨匠と呼ばれる先生方の技工インストラクターを務めてきた、故岡部宏昭先生が、BPSとシュトラックデンチャーの明らかな違いについて述べています。

BPSとシュトラックデンチャーの違い 

シュライヒ先生は、引退するとき、すべての資料、スライドを稲葉先生に託しました。 

世界中に広めてほしいと。 シュトラックデンチャーを絶やさないでほしいと。 


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今回の総義歯は、Ivoclarのストラトス200咬合器を用いて、お伝えさせていただきました。


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当時のIvoclar社のリンダーさんとグルネンフィルダーさんに、上下同時印象の説明をしているところです。 


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IPSGセミナールームでは、大画面のプロジェクターのスクリーンでご覧頂けるので、本当に細かいところまで、詳細に見る事ができます。

こちらの動画は、故岡部宏昭先生の排列の模様。 

これだけ、排列をしっかりと記録してあるDVDは他にはないと思います。 

2000個以上の総義歯を製作してきた、岡部先生が、 ポストダムの付与の仕方、シュトラックデンチャーの排列方法などを、トークと一緒にご覧頂きました。


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こちらが、IPSGで販売しているDVDです。

私の母である、稲葉則子が撮影、製作をしました。

母は、日大芸術学部、映画学科を卒業したので、映画を撮影したり編集ができます。

撮影も稲葉先生の目線よりも近くだったので(笑)とても勉強になると思います。

また、この作品は、岡部先生の遺作ともなりました。

岡部宏昭先生は、稲葉先生、シュライヒ先生などのナンバー2として総義歯の技工分野を担当。

特に人工歯の排列には天才的な感性があり、その知識
技術は他を寄せ付けないものがあります。

大変素晴らしい、DVDだと思うので、もしよろしければお買い求めください(^_<)-☆

『ライブで見せる究極の総義歯Ⅱ』   


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ポストダムの位置は後縁をアーラインに沿って模型に彫り込みます。

目安としてはハーミュラーノッチを左右に結び、口蓋小窩を通過する線が後縁です。

そして、ポストダムの付与について、  

上顎の場合には周縁の封鎖は、頬筋と口唇により封鎖されますが、
口蓋の部分は封鎖が難しく空気が侵入しやすくなります。
そこで、その対策としてポストダムを形成します。

ポストダムの位置は後縁をアーラインに沿って模型に彫り込みます。

目安としてはハーミュラーノッチを左右に結び、口蓋小窩を通過する線が後縁です。
その位置に2ミリ、ハーミュラーノッチと口蓋小窩の間に幅4ミリの波紋で、
深さはハーミュラーノッチと口蓋小窩の部分は深さ1ミリ、中間に2ミリの深さに彫り込みます。

と言われても、なかなかわからないと思います(^_^;

総義歯ライブ実習コースでは実際見ていただくことができますが、DVDでも、非常に詳しく解説されているので、ドクターにとっても、テクニシャンにとってもとても勉強になると思います♪ 


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シュライヒ先生のスライドより。

顎底の形により、人工歯の選択方法の参考になるということですが、稲葉先生は、ほとんどが、スクエアータイプを選んでいて、一番すっきりしていてキレイに見えると言っていました。

Triangularタイプはあまり選びません。

点接触よりも線接触のほうがキレイに見えます。 


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CPCライン

Canine(犬歯) Papilla(切歯乳頭) Canine(犬歯)を結ぶ線は総義歯の排列の基準になります。

人工歯の排列基準、とても参考になるので、ぜひ覚えて頂きたいと思います。 

切歯乳頭の中点から7ミリ外側(唇側)に中切歯唇面。

第一横口蓋数壁の末端からCPCラインに向かい9ミリ外側に犬歯の最大豊隆部。

CPCライン上に犬歯尖頭。

第一横口蓋数壁末端から2ミリ外側に犬歯の舌側の歯頸部。

こちらに関しても、ぜひ、ライブ実習で実際にご覧になるか、DVDでご覧頂きたいと思います(^_^) 


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同じく、パウンドライン

下顎の犬歯の近心隅角とレトロモラーパッドの舌側面を結んだライン。

そして、大切なのは顎舌骨筋の付着の仕方を頭の中に入れておく事です。

この部分は、シュトラックデンチャーでは使いません。

なぜなら、舌の動きを阻害してしまうから・・・ですね♪ 

 

ほかにもこの何倍もの貴重な資料がありました。

私は何度もこのセミナーを聞いてきましたが、新しい発見が沢山あり、患者様に早速伝えたいと思います。

ということで。

来月はいよいよ、実際に患者様をお迎えして3日間で問診から印象、技工作業から装着まで、すべてライブでご覧頂くコースが開催されます。

詳細はこちらになりますので、ぜひいらっしゃってください(^_<)-☆

総義歯ライブ実習コース開催  

ご参加いただいた先生方の感想も少しお伝えしたいと思います。

*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:゜・:,。*:.。o○☆゜・:,。

▼総義歯の歴史がとても興味深かったです。人工歯の排列ひとつとってみても私達Drがしっかり勉強して技工士を誘導できるようにしないといけないと思いました。やはり稲葉先生の総義歯は究極だと思いました。

▼天然歯歯列の稙立状態と同じ場所に人工歯を排列することの重要性がよくわかり大変勉強になりました。また人工歯の排列がビデオでも詳しく見れてよかったです。

▼昨年のこのセミナーから参加させて頂きました。1年まわってようやく少しわかってきた気がしますが完全にマスターするつもりで今後も参加させて頂きます。

▼今までの総義歯の概念を全く変えるものでした。大変勉強になりました。今後も勉強させて頂きたいと思います。有難うございました。

▼初めてIPSGの講演に参加させて頂いてとても勉強になり、技工物製作の参考になりました。今後も機会がありましたら参加したいと思います。

▼本日も勉強になりました。日常臨床では「慣れ」からくる「横着」が少なくとも出ていることに反省です。原点に再びもどり日々精進したいと思います。

▼総義歯の基礎と臨床は今回で3回目になると思います。冒頭、飯塚会長がお話されていたように何度出席しても勉強になりますし、前回気付かなかった点に気づいたり、再確認することもありました。

▼いつも思うのは道具をそろえても技工士さんとのマッチングがうまくいかないことが多い。勿論こちらの技術の未熟さゆえの問題ですが、このシステムの道具をそろえてもう一度トライしてみようと思います。

*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:゜・:,。*:.。o○☆゜・:,。

ご参加いただいた先生方、本当にありがとうございました♪ 

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【IPSG包括歯科医療研究会】

2014『総義歯の基礎と臨床』開催されました♪【前半】

こんにちは。

IPSG事務局、稲葉由里子です。

2014年6月29日 『総義歯の基礎と臨床』が開催されたのでご報告させて頂きたいと思います♪

全国から沢山の先生方にお集りいただき、本当にありがとうございました。

今回、総義歯の歴史、ギージーやシュトラック、そしてシュライヒのデンチャーシステムを学ぶ事により、
温故知新、新しい発見が沢山ありました。

セミナーの内容は盛り沢山だったので、【前半】と【後半】に分けてお伝えしたいと思います(^_<)-☆


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日本で総義歯の評価は非常に低いです。

患者様に歴史を伝えること、きちんとした評価、基準など、付随した知識を伝える事も非常に重要だと感じます。

総義歯は歯科の知識の集大成と言っても過言ではありません。  


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日本の総義歯の技術は実は非常に古く、1538年に作られています。

当時としては長寿の74歳で往生した紀伊・和歌山の願成寺の草創者・仏姫の拓殖の木から作った木床義歯です。

当時は現在のように優れた印象材や模型材もなく、咬合器もない時代に、適合性に優れ、噛める義歯を作ることができたものであると、感心してしまいます。

当時の義歯の製作方法を調べてみると、非常に合理的であり、仏教芸術の伝統を受け継いでいることがうかがえます。 


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近代総義歯学の基礎を築いた、スイスの歯科医師のAlfred Gysi(アルフレッド・ギージー)の歴史をたどりました。

左上の図は、Condail顎関節顆頭と Incisal前歯がうまく協調がとれて、大臼歯と小臼歯の咬頭傾斜角が噛み合う。

という歯車に例えた有名な図だそうです。

右上の図では矢状顆路角の平均値、33度であることを述べていて、現在でも使われている貴重な内容を図に表した物です。

その他にも歯槽頂間線法則について、骨の吸収が進行していくと、咬合平面と歯槽頂間線のなす角度が80°以下になり、交叉咬合排列にするという説明の図が右下にあります。

これが、ギージーの義歯の弱点とも言えます。

と稲葉先生。

ギージーの排列では、頬筋のサポートが完全に得られない他、食渣が頬側に入りやすく、常に食物が停滞した状態になります。


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こちらは、IPSG副会長、岩田光司先生のパワーポイントで、わかりやすく、ギージーとシュトラックデンチャーの排列の比較です。

ご覧の通り、シュトラックの排列は筋圧のバランスのとれたところに人工歯が並んでいるのがわかります。   


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ギージーは様々な咬合器を開発しました。

シンプレックスの咬合器、ハノーの咬合器、ニューシンプレックス咬合器や、Trubyteの咬合器、それぞれ、すべてフェイスボートランスファートランスファーをしています。 

そして、人工歯の大きさは、顔の大きさの16分の1という基準も、100年経った今でも使われていますね♪

今回も、ギージーの歴史を辿ることで、本当に沢山の知識を確認することができました。 


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1949年ドイツ、チュービンゲン大学のシュトラック教授は、それまでのギージーによる歯槽頂間線法則を否定し、口腔周囲筋による安定を求めました。

歯列に対し、口腔周囲筋・唇・舌の力の均衡がとれるところに、即ち、もと有ったところ『ニュートラルゾーン』に歯を並べると共に、頬筋・唇・舌により義歯を安定させる方法を開発し、さらに顎機能に調和した人工歯を開発し特許を取得しました。

現在使われている、オルソシットがそれです。

最初は陶器で有名なフュッチェンロイター社の陶器でしたが、イボクラー社のコンポジットの人工歯となりました。 

歯槽骨がないような顎堤でも、維持を発揮でき、排列も自由に行うことができます。

上の図は、シュトラックがオルソシットの特許を取った時の貴重な写真です。

詳細な顎運動を計測し、ピラミッドの重なりを歯の咬頭とし、特許を取得した図もあります。

シュトラック教授は、チュービンゲン大学のケルバー教授の前の教授で、シュライヒ先生は非常に尊敬している教授でした。

1978年、稲葉先生は、たまたま、シュトラック教授の話を当時、Ivoclar社補綴研修部長で総義歯の講師をしていた、シュライヒ先生に話したことで、交流を持つきっかけとなったと言います。

このように、稲葉先生の『上下顎同時印象法による総義歯』には歴史的背景があります。  

ということで、【後半】で続きをお伝えいたします(^_<)-☆

 

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【IPSG包括歯科医療研究会】

顎咬合学会学術大会 開催されました☆

こんにちは。IPSG事務局、稲葉由里子です。

顎咬合学会学術大会が開催されたので、ご報告させて頂きたいと思います♪

今年、稲葉先生は『総義歯臨床における上下顎同時印象』

ということで、講演をさせていただきました☆


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それから、カボデンタルシステムズジャパン主催のランチョンセミナー

『KaVoシステムによる顎関節症の診断と治療』

でも講演させていただきました(^_<)-☆ 


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美味しいお弁当を食べながら、講演会を聞くことができるランチョンセミナー。

400個のお弁当チケットもすぐに売り切れて、おかげさまで大盛況でした♪


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東京国際フォーラムの中でも一番大きな会場です。 


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こんなかんじです(^_^) 


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●顎関節症の咬合からのアプローチ

●開口障害のマニュピュレーション

●カボプロター咬合器による咬合診断

●カボディグマによる顎機能診査 

について、カボの製品を使った診断システムについてのお話です。 


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印象採得、フェイスボートランスファー、中心位採得、チェックバイトの一連の流れを、顎関節症の実際の患者様の症例を用いて、動画でわかりやすく説明がありました。 

カボのプロター7の再現性は素晴らしいです。

チェアーサイドにひとつ、ラボにひとつ咬合器があれば、情報を共有することができ、患者様ごとに咬合器を変えなくても、マウンティングプレートの交換だけですべて再現することができます。

シンプルで頑丈、様々な機能を兼ね備えた、カボプロター7、稲葉先生はそれまで沢山の咬合器を使ってきましたが、一番優れていると言っていました(^_^) 


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顎機能検査機器、アルクスディグマによる、治療前、治療後のデータを比べ、明らかな変化をご覧頂く事ができました☆♪ 


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そして、IPSG会長の飯塚能成先生

『口腔機能訓練器具を用いた効果について』

 ラビリントレーナーを使った、乳幼児から高齢者まで、症例、動画を用いてテーブルクリニックで発表をされました。 


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飯塚先生は長年、筋機能療法による介護にかなり力を入れていらっしゃいます。

医院のある埼玉県で幅広く活躍されており、病院・介護施設等での患者様はもちろん、病院や施設のスタッフへの筋機能訓練の指導にあたっています。 


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呼吸機能や嚥下機能はとくに舌の使い方や筋力や口輪筋の封鎖にかなり影響してきます。

舌圧や口唇圧が上がることにより、鼻呼吸への改善、嚥下機能改善はもとより様々な問題が解決できるようになりますといったいくつもの症例を紹介してくださいました(^_<)-☆ 


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オーストリア、ドナウ大学に7年留学をされていた、IPSG会員、田嶋健先生のテーブルクリニックの発表の模様です☆♪

ドナウ大学でマスターオブサイエンス日本の歯科医師でただ一人取得。

稲葉繁先生の学生時代からの教え子です。

日本の歯科医はアメリカ方面に留学することは比較的多いですが、ヨーロッパに留学する方はとても少ないです。

田嶋先生は、ドナウ大学でシュラビチェック教授のもとで、臨床、講義をしてきました。


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『オーストリア咬合学を用いた咀嚼器官における機能治療』

ということで、ヨーロッパの最新の咬合論について、お話をされました☆♪

ほかにも、IPSG特別会員、大石暢彦先生の発表、

『予防補綴による活力ある長寿社会を目指して』

稲葉先生の講演と重なっていたので、聞く事ができなかったのですが、大変素晴らしい発表で大盛況だったと聞いています。

他にも、プログラムを見ると、沢山のIPSGの先生方が発表をされていました。

心強く思います。  


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カボの稲垣さんと一緒に、カボのブースの前で記念写真。

ユニットも、機能的にも審美的にも非常に優れています。 

ということで。

とても充実した素晴らしい学会に参加することができました。

沢山の先生方とお会いすることができ、うれしかったです(^_<)-☆  

2日間本当にありがとうございました♪ 

 

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【ハーモニック・オクルージョン(審美と咬合のハーモニー)】

『ハーモニックオクルージョン』〜審美と咬合のハーモニー開催されました♪〜

こんにちは。

IPSG事務局、稲葉由里子です。

『ハーモニックオクルージョン』 〜審美と咬合のハーモニー〜が開催されたので、ご報告させていただきます。

前半は、稲葉歯科医院、佐藤孝仁先生、後半は私がレポートいたします。

〜後半〜

『ハーモニックオクルージョン』 〜審美と咬合のハーモニー〜は、 稲葉先生が、1991年から4年間に渡り、日本歯科評論に連載したコラム「美の追究」をもとにした内容です。


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▼エステティックとは何か

仏語のesthetiqueは土佐藩下級士族の家に生まれ、明治時代にフランスに留学した中江兆民(1847〜1901)の訳語で『美学』としているが、文豪森鴎外が『審美』と訳している。

というお話があり、

『審』はウ冠に番と書き、家で番を行う、すなわち裁判を行うこと。 『美』とは、羊が大きいと書き、昔中国で家畜の中で一番姿が美しく、性質も善とされているので美、善を現わす意味に使われている。

美は大きな羊という意味で、最も美しい生贄として神にささげた。

という、『審美』の本当の意味を知る事ができました。 


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歯科界における審美は材料技術が先行して、修復術のみに重きが行われていますが、医療においては美醜はなく、人それぞれに適応した美がある。

という奥深い話を聞く事ができました。 


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審美と咬合のハーモニーに大切なのは、前歯と臼歯の融合すなわちアンテリアーガイダンスの重要性について詳しくお伝えさせていただきました。

前歯にはEstheticsとFunction 審美と機能の役割があります。

審美的には、色彩と解剖学的形態、そして、機能とは、発音や機能する時の形態が関わりがあり、このふたつの要素を兼ね備える必要があります。

昨今、審美ばかりに目が向けられているように感じますが、材料に分析と機能をどのようにつけていくかという事が、非常に大切だということを今回のセミナーで学んでいただきたい。

という話がありました。  


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アンテリアーガイダンス、前歯の誘導について。

模型上で前歯を削り、臼歯の矢状顆路角を計る実験です。 

ギージーは矢状顆路角の平均は33度、 この矢状顆路角+7~10度を与えるのが理想的で、+20度、25度だときつくなるから注意が必要、と稲葉先生の話がありました。 


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稲葉先生が補綴科在籍の時に実験した、測定値で、左右の矢状顆路角の平均値、矢状切歯路角の記録をまとめたものです。

前歯の誘導で臼歯が離れる量ディスクルージョンは1.5ミリで十分です。 

切端の噛みこみの深さが2ミリ以上の場合は注意が必要、ディープバイトは関節に悪影響を及ぼす、ニアセントリックは、矢状顆路角の影響を受けやすいという話がありました。  


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こちらは、医局員の先生に協力していただいた症例で、

ちょうど前歯の治療をしていたので、アンテリアガイダンスを強くしたらどのようなことになるのか、テンポラリークラウンで実験していただいたものです。 


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すると・・・

臼歯で1センチもディスクルージョンしてしまいました(^_^;

これでは、関節を痛めてしまいますし、前歯ポーセレンは確実に破折してしまいますね。 


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オーバーバイトの深さにより歯冠軸が異なっているのか?あるいは咬合小面の角度は何によって影響されるのか?アンテリアーガイダンスの実効値はどの程度であるのか?

を計測したものです。

『美の追究』の本に詳しく計測値が書かれていますが、咬頭嵌合位から下顎が前方に滑走を始めてから3ミリの間では、急激に角度の変化があり、これは臼歯を理解させるための面だと考えられます。

年齢と咬耗は相関することから、咬合小面は前歯の修復において自然感を出すために考慮しなければならない項目です。


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例えば、このような症例を見た時、どのように患者様に説明をさせていただいたらよいでしょうか。

なんとなく・・・

ではなく、審美の法則に基づいてお伝えする必要があります。 


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アピアランスガイド、基準線についての説明です。

アピアランスガイドの線を引いて模型上で患者様にご説明させていただくことが重要です。

◆FRC フェイシャル・リッジ・クレスト (歯冠の長さ、歯軸の方向を表す線)

◆LA ライン・アングル (歯冠の幅を表す線で、隣接面に移行する歯軸線)

◆GCC ジンジバル・カンター・クレスト (歯冠を横切りPCに関係する豊隆線)

◆ICC  インサイザル・カンター・クレスト (審美性に関係する豊隆線)

その他にも、CF-line(セントラルフォッサライン)、LI-O-line(リンゴオクルーザルライン)、BO(バッカルオクルーザルライン)の説明がありました。 


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そして、修復させていただいた状態です。

ブラックスポットも消えてアピランスガイドが揃っていますね(^_<)-☆ 


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自然界における黄金比例、螺旋比例。  


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歯の黄金率についても説明がありました♪ 


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自然界で最も美しいとされる黄金率、1:0.618の法則。

デューラーの自画像、彼の絵画の構成は黄金率が基準となっていますし、自然界に見られるオウム貝、北斎の絵画の構図などは、この法則により描かれています。

当時、稲葉先生は、自然界で作られたものに、いつもこの法則をあらゆる物に当てはめて、えんぴつで線を引いていたのを思い出します。

そして、 

歯の黄金率が『1:0.618の法則』に当てはまることは意外と知られていません(^_^)


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今回のセミナーはドクターだけではなく、テクニシャンに方にご参加いただいたので、様々なヒントもお伝えさせていただきました。

例えば、

人間の口には光源がないこと。 

光の反射で口元を見る。

南側の明かりは変化が激しいので、北側の光で仕事をすると、日間変動が低いこと。

そして、横から見るのではなく、頬があることも考慮して、前方から見る事を常に意識することなどをお伝えさせていただきました。


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シェードセレクション、モールドセレクションについてもご説明させていただきました。

現在、一般に歯の形には長方形SQUARE (S TYPE) 方形SHORT SQUARE(SS TYPE)  

尖型TAPER(T TYPE)  卵円形OVOID(O TYPE) 混合形COMBINATION(C TYPE)

の5形を使う事が多いです。

顔の形と歯の形が相関関係にあるならば、日本人の顔は平坦で角が丸みを帯びた比較的角型の縄文型、あるいはやや顔が長くなった長方形で、美人顔の弥生型などが多く見られ、歯の形もSS型やS型が多いです。

スクエアタイプは全体に面長な男性、あるいは活動的な女性に適合する形態で、切端から歯頸部にかけての幅がほぼ同じで長径がやや長いです。

ショートスクエアタイプはスクエアに対し長径を短くした形態で、男性に適合し、力を使う職業やスポーツマン、老人に適しています。

テーパータイプは顔の幅が狭く面長な人で、中年以後の女性に適合しますが、使用頻度は低いです。

オボイドタイプは丸顔で明るくかわいらしい女性に適合し、使用頻度が高いです。

コンビネーションタイプは男女どのようなタイプの人にも適しています。

一般的で個性は強調できませんが、無難で失敗がないと言われています。  


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稲葉先生の全顎セラミック症例。

技工士、川崎従道先生とのコラボレーション。

治療前、治療後、そして6年経過、10年経過・・・ 


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そして15年経過症例となりました。

適切なアンテリアガイダンス、咬合の付与により、ポーセレンの破折もなく、歯茎部のマージンは装着時そのままです。

15年経過した長期症例は今回のセミナー、ハーモニックオクルージョンの結晶だと思いました。

先生方からも感想をいただきましたので、少しご紹介させていただきます。

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▼自分がどのような歯科医師となるべきか、目標を決定するために何かきっかけが見つかればと思い、受講致しました。連合印象を行う際は寒天の硬化を待ってから、アルジネート印象を行うべきというお話は目から鱗が落ちる思いでした。

臨床実習で何度か連合印象を採りました寒天が流れてしまって重要なマージンの部分に残っていなかったので次回から先生のやり方を真似させて頂きたいと思います。

稲葉先生は多分野にわたって造詣が深くていらっしゃるので歯科と直接関係ない分野に関しても色々とお話を伺いたいと思います。

大学病院で行われている臨床とは全く違った世界があることを知り、非常に刺激的な一日でした。臨床実習ではリーゲルテレスコープの臨床を見る機会がなかったのでいつか自分でやってみたいと思います。(日本歯科大学6年生 学生) 

 

▼生体にあった咬合、審美性を勉強したく受講しました。

アピアランスガイドは、スタモの際、実行したいと思いました。

患者さんとのコンサルの際に利用したいです。
実際の中心位の採得の方法、臨床における治療計画及び手順をもっと知りたかったです。

フルハウスの治療計画、手順をもっと勉強したいです。その際にフルデンチャー、パーシャルデンチャーの考え方を今一度学びたいです。今後も参加したいと思います。

▼メタルボンドでもきれいな歯並びを評価する方法が今までわからなかったので勉強になりました。

▼審美に対する考え方が変わりました。早速明日からの診療に応用したいと思います。私は美術館巡りが好きなので、今後目線を変えて見てみたいと思います。有難うございました。

▼稲葉先生のテレスコープ以外の貴重なケースを見ることができて良かったです。上下フルマウスのケースの15年経過したスライドは素晴らしかったです。感動しました。

▼天然歯の形態を今まで追求してきまして、もっと良いバランスのとり方を学びたいと思いまして、受講に至りました。等比螺旋がすごく興味があり、美しいと単純に考え感じられるものも理解しようとする人間の本質を感じられました。美術品に興味はありましたが、それはあくまで美しいと感じることだけで満足していました。それをもっと深く理論づけて理解することの楽しさを発見しました。有難うございました。

▼審美・衛生・咬合・・・バランスのあるところに美がある。常々稲葉先生が言われているように、バランスのとれた治療が大切で有ることを再確認いたしました。

▼本日、ハーモニックオクルージョンに参加させて頂きましたが、今回で3回目位になると思います。参加された先生方で四国より考えている方や日本歯科大学6回生の方、若い方々の勉強には感心致しました。又、自分も負けていられない気持ちになりました。先週5月25日顎咬合学会の認定試験も終わり、平成26年度も半分になりましたので、目標をもって治療に取り組みたいと思います。

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今回、沢山感想をいただきとてもうれしいです。

ご参加いただいた先生方、本当にありがとうございました。

私自身、毎回新しい気づきがあります。聞くたびに日々の臨床への応用を思いついたり、学生時代に聞く、歯科医師になってから聞く、20代、30代、40代とそれぞれ感じることが違う、奥の深いセミナーだと思いました。

『美の追究』の内容は4年間かけて掲載された稲葉先生の審美の賜物だと思います。

とても1日では学びきれなかったと思いますが、ぜひ、今回プレゼントさせていただいた本を見直して、臨床に応用していただければと思います(^_<)-☆ 

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IPSG20周年記念特別講演会

The German state of the art of combined fixed removable partial dentures and implant stabilized supra structures

IPSG事務局、稲葉由里子です。

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』

IPSG20周年特別記念講演会のゲスト ドイツ・チュービンゲン大学 歯学部長 Prof.Dr.H.Weberの講演についてお伝えします☆♪

The German state of the art of combined fixed removable partial dentures and implant stabilized supra structures.

『最先端補綴修復治療の最新情報-従来からの固定性および可撤性補綴物ならびにインプラント埋入及び修復術 』

略歴

1974年 学位取得(歯科医学博士)

1982年 補綴学講座教授及び学科長、チュービンゲン大学

1990-91年 医学部学部長、チュービンゲン大学

1996年 EPAヨーロッパ補綴学会会長

2013年 DGZIドイツ口腔インプラント学会会長

ドイツにおける補綴歯科医学会の最高峰。

インプラントとテレスコープを使用した補綴法の第一人者。チュービンゲン大学主任教授。

元ヨーロッパ補綴学会会長。世界各地にて600回以上、口腔に関する発表、講演等を行っています。

座長をお願いさせていただいたのは、1996年にチュービンゲン大学、Weber教授の元に留学をされていた、神奈川歯科大学付属横浜クリニックインプラント科教授の林昌二先生です。  


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ドイツでは、卒業した大学の教授になることはできず、他の大学の教授になるという決まりがあります。

そのため、Weber教授は、デュッセルドルフ大学卒業でいらっしゃいますが、30代という若さで、チュービンゲン大学の教授となりました。

ヨーロッパ補綴学会会長も務め、ドイツ口腔インプラント学会の発起人でもあります。

EDZK会長、そして International Academy of Facial Restorationのメンバーでいらっしゃいます。

こちらの学会は世界中から集まり、メンバーは45名限定とお聞きました。

Weber教授の元には、多くの留学生を受け入れていて、補綴科、歯科技工科の他に生体工学を歯科の分野として研究されているそうです。

今回の特別講演会の模様は、映像を収録し、販売する予定でありましたが、個人情報や特許の情報など、かなり盛り込まれていたので、公開しないことになりました。

報告はごく一部限られた物ではありますが、『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』の素晴らしさについてお伝えできればと思います。 

Weber教授の患者様は世界中からいらしていて、ロシア、ギリシャの政治家、サウジアラビアのロイヤルファミリーなど、VIPな方々です。

会場に参加してくださった方のみが聞ける貴重な講演になったと思います。

最初に、IPSG包括歯科医療研究会20周年のお祝いの言葉をいただき、ご自身のプロフィールをお話いただきました。

IPSGは、International Practical Study Grop の略ですが、この名前が素晴らしいこと、そしてWeber教授ご自身、ドクターだけではなく、テクニシャンの支えがなければ、私は今ここにはいないでしょう。

とお話しがありました。 

講演会の前にも、テクニシャンはどのくらい参加しているのかということをとても気になさっていて、ぜひテクニシャンの方々に興味を持って頂きたいとおっしゃっていました。


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こちらのパワーポイントには義歯の設計でとても大切なことをお伝えしていました。

遊離端は長い方が、義歯を支える最後方歯にかかる負担が少ないこと。

一見、負担がかかりそうな感じがしますが、稲葉先生がいつもお伝えしているように、遊離端は長いほうがいい。

ということで、Weber教授も同じことをおっしゃっていました。

もうひとつ、気をつけないといけないのが、中間歯欠損の真ん中の歯は要注意です。

その歯を支点として、シーソー現象をおこし、骨の吸収や破折の原因となります。

テレスコープでしっかり一次固定をするなどの対策が必要です。

インプラントであっても、同じ現象が起きるので注意が必要であるというお話がありました。

 
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今回びっくりしたことの一つがやはり、チュービンゲン大学の学生の症例だと思います。

数症例、フルマウスの学生の症例をみせてくださいました。

技工操作はできないけれど、その他すべての形成、印象、バイトそして設計まで学生が行います。

ドイツでは、学生の実習にこのような症例がすべて含まれていて、大変レベルが高い仕事を学生時代の最初に行います。 


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Schwenkriegel(旋回リーゲル)から Drehriegel(回転リーゲル)など、様々なリーゲルテレスコープの症例を数多く見させて頂きました。

Weber教授は、リーゲルテレスコープやアタッチメントを説明する時に、

「取り外しはできるけど、ブリッジと同じ感覚だと伝える」

ことで、患者様は安心することができる。

と臨床現場でのヒントもいただきました。 

今回、私がとても驚いたのが、エピテーゼの症例です。

チュービンゲン大学がエピテーゼが大変進んでいますが、その固定方法として、リーゲルテレスコープが応用されていました。

確かに、鍵、レバーで固定することで非常に安定感を得ることができると思います。

ドイツならではの技術にとても驚かされました。

写真をお見せできないのが残念ではありますが、来年の春、2年に1度開催される、世界で一番大きなデンタルショーに参加するのを機会にチュービンゲン大学を訪問するので、ご自身の目で沢山の技術を確かめていただければと思います。 

今回の講演では、固定性ならびに可撤性補綴物の最新補綴学について詳しくお話をいただきました。

『放電加工』などの最新テクノロジーは、義歯と組み合わせた固定性・可撤性補綴物の複雑な工程を標準簡素化することができます。

またインプラントと天然歯のコンビネーションケースの上部構造にテレスコープシステムを応用することは大変有効であり、可撤できることで、修理ができるため、長く患者様の口腔内で機能させることが可能になります。 

Double Crowns 二重冠の種類には、

Telescopic crown

Conus crown

Hybrid crown

がありますが、Weber教授はHybrid CrownのDouble Crownsにフリクションピンを応用するテレスコープを好んで行われていました。

やはりドイツでも金属、テレスコープに使用するGoldの高騰によりSpark erosion 放電加工の技術が普及しています。

コバルトクロムは、鋳造加工が非常に難しい金属ですが、放電加工技術の進歩により大変精密な製作ができるようになりました。

歯科界の大きな革命と言っても過言ではありません。 

このテクノロジーは実践上難しくなく、非貴金属合金の応用であり、大変有益な結果を得ています。

Weber教授からのメッセージです。

「今回の講演は、補綴初心者にも、何が実践できるか。その上のレベルではどんなことができるのか、という視点を持つことが大切です。そして、経験を積んだ補綴家の先生方にも、ご自身の患者様に対して、最先端技術をどのようにして臨床応用に変えていくことができるのか、というヒントになったと思うので、ぜひ実践していただきたいと思います。」 

今回の講演は2時間を予定していましたが、Weber教授が準備してくださった資料は5時間分でした。

なんとか2時間半まで延長させていただきましたが、その膨大な資料と症例に驚かされました。 


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最後に、今回座長を務めてくださった、林昌二先生、昨年ISOIでお知り合いになったことを機会に、IPSGで講演もしてくださいました。

今後、また林先生には『放電加工』そして『パラレルテレスコープ』について更に詳しく教えて頂きたいと思います。

IPSG20周年特別講演会に、ドイツにおける補綴歯科医学会トップの教授にいらしていただくことができ、大変光栄に思います。  

Weber教授の数々のテレスコープ症例、そしてその膨大な知識、先生方にとって、第3の選択肢に触れる素晴らしい機会となったと思います。

沢山の先生方ご参加いただき、心より感謝させて頂きたいと思います。

そして今回の20周年を支えてくださった先生方をはじめ、関係者の方々、本当にありがとうございました☆

この20周年を機会に、出会う事ができた先生方、ぜひこれからも、IPSGをよろしくお願いいたします♪

 

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IPSG20周年記念特別講演会

『ヨーロッパから学んだ私の臨床』

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』

続いては、一般社団法人IPSG包括歯科医療研究会 代表 稲葉繁先生


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『ヨーロッパから学んだ私の臨床』

稲葉先生は1964年に日本歯科大学を卒業、歯科医師となりました。

その後補綴学を選考し1968年東京オリンピックの年に大学院を修了、歯学博士となり、研究、教育、臨床の道に入りました。   


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最初に学んだテーマは咬合でした。

特にナソロジーに興味をもち、スチュアート、P.Kトーマス、ジャンケルソン、ラウリッツェン、ギシェーなど主にアメリカの臨床家から影響を受けました。 


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稲葉先生の臨床は咬合を基本とした顎関節症の治療、テレスコープを用いたパーシャルデンチャー、そして上下顎同時印象法による、デンチャースペースを再現する総義歯が基本となっています。

こちらの写真は、アイヒナーの分類で有名な、アイヒナー先生です。  


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Weber教授もよく知っている有名な先生の名前がでてきて、とても興味深そうに話を聞いてくださっていました。


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1970年代、アメリカで中心位の定義が疑問視され、ナソロジーが見直されてきた時期に、ヨーロッパで顎関節症の診断治療をシステム化しているチュービンゲン大学歯学部のシュルテ教授の講義を受けたいと考えていました。

その後、チュービンゲン大学歯学部補綴科の客員教授として、顎関節症とテレスコープシステムを学ぶチャンスを得ました。


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当時スチュアートの咬合器を扱えるのが稲葉先生だけだったことから、信頼を得ることができたといいます。

講演では、顎関節症の患者様、クローズドロックのマニュピレーションの方法を動画で説明させていただき、とてもわかりやすかったと思います。  

1978年から1年半に渡り、咬合と筋機能療法を基本にしたシュルテ教授の顎関節症の治療は、その後の臨床に大きな影響を受けました。 


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さらに、1978年の夏リヒテンシュタインのイボクラーで開催していた、イボクラー社のデンチャーシステムの研修を受講し、シュライヒ先生と知遇を得、現在の最終印象における上下顎同時印象の開発に至りました。

上下顎同時印象による総義歯製作方法もすべて動画でご覧頂きました☆ 


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そして、チュービンゲン大学で学んだ、リーゲル、コーヌス、レジリエンツなどのテレスコープシステムは現在の稲葉先生の臨床の基本になっていることをお伝えしました。

すでに、30年以上経過症例を多数持っていますが、大切なのは、沢山の引き出しを持つこと。

どのような状態でも対応、応用できる技術を、これまでIPSGを通じて先生方に広めて参りました。

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』は、インプラントとのコンビネーションも可能となり、テレスコープシステムはこれからの日本の歯科治療に求められる、非常に大切な技術だということを先生方にお伝えさせて頂きました。

3つのテーマを動画を織り交ぜお伝えさせていただいた講演はとてもわかりやすかったと思います。

Weber教授も、稲葉先生が広められている技術はとても価値があり、大切な技術なので、バックアップしていきたいとお話をいただきました(^_^) 

IPSGでは来年の春、ドイツで開催される、世界で一番大きなデンタルショーIDSの時期に、チュービンゲン大学を訪問する企画を立てる予定ですが、Weber教授は、その際、出来る限りの情報を先生方にお伝えしたいとおっしゃっていただきました。

今後も、IPSGを通じてドイツの歯科技術を啓蒙していきたいと思います。

 

 

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IPSG20周年記念特別講演会

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』その2

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』

前回の技工部門に引き続き、IPSGの発起人である渡部好造先生(医療法人渡部会 理事長 本研究会会員)にご講演いただきました。

『私の歩んで来たインプラント人生』〜症例を通じて学んだこと〜 


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1953年Branemark教授による骨結合osseointegrationの発見と、それに続く1965年の初めての臨床応用から、来年で50年になろうとしています。

この間、多くの臨床家により、インプラント治療が開始され、その効果は患者様のQOLの劇的な改善につながりました。

今回渡部先生は、長期に渡る症例にスポットを当てて報告・検討してくださいました☆ 


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下顎無歯顎欠損症例では、その対応策としてオトガイ孔間に5~6本のインプラントを埋入し、Full Bridgeにすることで、20年30年と長期安定する設計が一般的に確立しているということです。

今回、24年前 渡部先生のお父様の症例をみせていただきました。

20年間食事に不自由することなく過ごされたそうです。 

上顎に関しては、Sinus lift(membrane)techniqueやGBRまたあああは、頬骨インプラントを使用した症例等も多数報告されていますが、10年20年30年といった長期報告はあまり見当たりません。

渡部先生ご自身も、1996年より、Sinus lift opeや2002年より頬骨インプラント治療と早期より始めていらっしゃり、その症例などをみせていただきました。

やはり、長期症例には咬合が大切なこと。

咬合は、稲葉先生からすべて学んだというお話もしてくださいました。

それにしても、症例の中で全顎ゴールドブリッジがありましたが、びっくりしました(^_^;

渡部先生、素晴らしいご講演ありがとうございました。


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Weber教授とは旧来より親交があり、昭和大学歯学部長であられる宮崎隆教授に、歯科材料やCAD/CAMなどの歯科理工学的見地から、最先端の技術をご講演いただきました。

『先端技術を応用した歯科医療装置の将来展望』

ということで、宮崎教授が長年取り組んでこられたワイヤ放電や液中放電処理によるチタンの表面改質について、そして先端技術を応用することにより、歯科用装置をインテリジェントな表面に改質できることを紹介してくださり、近未来に歯科医療装置の将来についてお話いただきました。 


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金およびパラジウムの価格変動により、コバルトクロム、チタンなど患者様にどのような材料を使えば良いのか。

軽くて強い、海水中でも錆びない(体の中でも錆びない)生体適合性のある金属である必要があります。

コバルトクロム合金やチタン合金が登場して、金合金と同等の適合性の回復のためには、精密鋳造では限界があり、『放電加工』や『レーザー溶接』が適用されたということで、宮崎教授の長年の研究について、様々な側面からお話をいただきました。

セラミックスやコンポジットレジンにおいても、新素材が開発され、CAD/CAMが利用されるようになりました。

光学印象を含めて、歯科用装置の作製行程はCAD/CAMの導入により大きく変貌しました。

セラミックス=陶材ではないこと、国際的には金属と同じく6段階に分かれていることなど、新しい話題が沢山あってとても刺激的でした♪

そして、コンポジットレジンへの可能性についてもびっくりするような内容でした。

ポーセレンは高級品、コンポジットは多少落ちるという考えが変わりそうです。

ファイバー強化レジンがこれからおもしろいそうです(^_^) 

この度、宮崎先生がお話してくださった内容は、まさに、『先端技術を応用した歯科医療装置の将来展望』従来の精密鋳造から、新たな材料、金属の導入により製作方法が変貌していこうとしています。

本当に素晴らしいご講演をいただき、ありがとうございましたm(_ _)m

続いては、IPSG包括歯科医療研究会代表、稲葉繁の講演、そして特別記念講演、Prof.Dr.H.Weberの内容をお伝えします♪ 

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IPSG20周年記念特別講演会

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』その1〜技工部門〜

IPSG事務局、稲葉由里子です。

2014年4月27日、IPSG包括歯科医療研究会発足20周年を記念して、学術大会が開催されたのでご報告させて頂きたいと思います☆♪

記念行事の最も重要なイベントとして、ドイツ補綴学の権威であり、チュービンゲン大学の医学部長であり、ドイツ補綴学会会長も歴任された、Prof.Dr.H.Weberをお招きしました。

「ドイツ最先端義歯とインプラントの融合」と題し、Weber教授の30年以上にわたるチュービンゲン大学における臨床研究結果から、インプラント上部構造や可撤性補綴に関する、最新の放電加工技術を用いた補綴治療を中心にご講演していただきました。

沢山の素晴らしい先生方の講演がございましたので、お一人ずつご報告させていただきたいと思います☆♪  

今回のWeber教授の講演に合せて、技工部門として、関聖生先生(京王歯研代表、本研究会会員)にトップバッターをお願いさせていただきました(^_^) 

『工業界の加工技術を応用したインプラント上部構造及びテレスコープシステム』 


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関先生は、30年程前から多数歯欠損補綴に取り組んでいらっしゃり、マテリアルとして貴金属や当時ほとんど使用されていないCo-Cr-Ti合金による、メタルボンド前装リーゲルテレスコープやテレスコープシステムを手がけられてこられたそうです。

1998年にはチタン鋳造法を開発、インプラント上部構造を組み込んだテレスコープ、そして最近では、放電加工による製作方法に取り組んでいらっしゃいます。


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現在これらのマテリアルの加工に、Co-Cr用やTi用鋳造機によるフレーム鋳造、レーザ加工機による溶接や盛りたし加工、ドイツSAE社の歯科用放電加工機によるインプラント上部構造の適合修正や、既製品リーゲルテレスコープのフレームへの取り組み、フリクションピンの穴あけ加工などに使用していらっしゃいます。


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そして、天然歯を一次固定し、インプラントの上部構造に可撤性のテレスコープシステムを応用した症例なども多数みせていただきました☆

これらの、技工作業の平均製作時間は、150時間、160時間かかります。

場合によっては、前装のやり直し、バイトの問題があると、もっと時間がかかります。

最後に先生方にお願いがありました。

『正確なバイトをとっていただきたい。』 

ほとんどのケースでバイトが狂っているそうです。

先生方は簡単に削合、修正をだしますが、作る側はこのように長時間かかっています。

これまで、やって来た事がすべて無駄になってしまうということを知って頂きたいと思います。

他の技工士の先生からも、フルブリッジを簡単に再製をだす先生がいらっしゃると聞いた事があります。

ドクター側も、技工所にお願いする時は、何度もチェックしてお互い遠回りしないようにしていきたいものですね。 


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続いては、長年ドイツに滞在され、日本人初のドイツ技工マイスターである大畠一成先生(デンタルラボア・グロース代表、本研究会会員)に、日本とドイツの歯科技工の違い、物の考え方や価値観について講演をいただきました。

『ドイツにおける歯科技工教育制度とその歯科技工のトレンド』 

ドイツにはマイスター制度が存在し、「その道のプロ」たる職人の長として国家資格を習得し、その分野で十分な経験を積んで一流の技術を磨く事はもちろん、後身指導も行うそうです。

国際化に伴い、マイスター制度が問題となり、最近では、マイスター称号94業種から41業種となったそうですが、もちろん歯科技工士は41業種の中にあります。

大畠先生は、年間最優秀マイスターとして表彰され、日本人としては初めてマイスターを取得されました。


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可撤性テレスコープ補綴装置は、固定性補綴装置に相当する快適性を示すと同時に、適応する素材を応用することによって、より完全な審美性を患者様に提供することが可能となります。

ということで、沢山の臨床ケースを見せて頂きました。

トレンドとしては、テレスコープの内冠も白くすること。

内冠を外した時のゴールド色に抵抗がある患者様もいらっしゃるからだそうです。

林昌二先生とのお仕事も素晴らしかったです。

ガルバノキャップの外冠とナノジルコニアフレームの接着など、可撤性テレスコープの症例をみせていただきました。 


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最後に、大畠先生の愛娘、ゆりさんのお写真をみせてくださいました。

素敵です☆♪

やはり、天然歯に勝るものはありませんが、高齢化社会が進んでいる今の日本の現状では危機管理ができる、可撤性補綴『テレスコープシステム』の技術を身につけるのは非常に大切だと感じます。

その意味で、今回のIPSG20周年特別記念講演のテーマ

『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』は、これから日本で求められる技術だと思います。

IPSG会員で技工士の中沢勇太さんから関先生、大畠先生のご講演の感想をいただいたので、ご紹介させて頂きたいと思います☆♪

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IPSGに所属する技工士とし、とても注目していたのが、京王歯研のリーダーである関先生そして、日本人初の技工マイスター大畠先生のお話でした。

関先生は経歴からもわかる通り、技工を他分野から追求し、様々な高度技術を用いて精度の高いインプラントリーゲルや、
デンチタンなどのノンプレシャス合金を用いたテレスコープ技工を可能にした、素晴らしい技工士であり、講演されるのをずっと楽しみにしておりました。

大畠先生からは、ドイツのマイスター制度について聞かせて頂けるのと、テレスコープ症例を見せて頂けるのを期待しておりました。

関先生の講演内容からは、多くの臨床ケースをスライドで紹介していただき、大型のケースであっても長期間患者の口腔内にとどまっているものや、高度なミリングテクニックの実践症例を見ることができ、大変勉強になりました。

今まで自分の勉強不足から、姿の見えなかった放電加工の一部を知り、インプラント上部構造の完璧なフィットを出す様子はとても衝撃的でした。

またCAD/CAMによる旋盤加工でほぼすべてのインプラントシリンダーやロケーターに対応できるのは、本当にすごいことであると思いました。

残念だったのはリーゲルテレスコープの技工的な部分をもう少し詳しく知りたかったのですが、またいつか講演していただけたらうれしいと思います。

また、講演後にも質問に答えていただいたり、アドバイスをいただけたことはとても貴重な経験となりました。

大畠先生は私が学生のころからのあこがれの存在であり、レベルの高い技工物、とくにセラミック技工はずば抜けていて、真似をすることのできないものでありました。

今まで鋳造床専攻の私からしてみたら、想像もできないような匠の仕事であり、ただただ感動いたしました。

またドイツの技工士認定制度マイスターの詳細を知ることができ、誰でもが開業できてしまう日本の歯科技工の現状の利点と問題点についても考えさせられました。

技術職である技工士に対しての認識の違い、誇りを持って仕事をする姿勢は、残念ながら日本よりドイツの方が優れており、日本も何らかの認定制度を設けてもいいのではないか、誇りある歯科技工を行える環境作りが、日本でも進んでほしいと思いました。

テレスコープ技工の道を歩み始めた私にとって両先生の講演内容は、テレスコープ技工の歴史と進化を知ることができ、進むべき道と目標を明確にすることができました。

私も関先生、大畠先生のように、知識や技術に裏付けられた技工ができるように日々精進しレベルを上げていきたいと思いました。

歯科技工士:MDLキャステティックアーツ 中沢勇太