「咬合治療の臨床」セミナー、開催されました。
スタッフ総勢32名、この小さい会場にこんなにたくさんの人数で開催されたのははじめてです。
中心位、中心咬合位の違いを理解することはとても大切です。
中心位(centric
relation、CR)とは、下顎頭が関節窩内で緊張することなく、関節円板にのって機能する中で、最も後方で上方の位置。そこから自由に側方運動が行われるときの頭蓋と下顎骨の位置的関係です。
歯の接触による誘導はありません。下顎頭上縁
が中心から45度で接触する位置だそうです。「関節円板にのって」というところが非常に大切です。
一方中心咬合位とは後からできたものです。噛みやすい位置、最大面積で歯と歯が接触している位置のことです。中心咬合位は変わります。
咬合診断は何をするのでしょうか。
形態的診断として、◆全身との調和がとれているか◆頭蓋との3次元的位置関係を診断◆頭蓋との3次元的形態を診断◆審美的診断
機能的診断として ◆下顎位の診断◆下顎運動の診断◆咬合様式
を調べます。
基準3平面は
◆水平面 Horizontal plane Monson curve Willson curve
◆矢状面 Sagittal plane
◆前頭面 Coronal plane
ですが、この平面を基準にしてフェイスボートランスファーをします。
フェイスボートランスファーをすると、かみ合わせの平面が斜めになっていることがよくあります。模型だけだ
と水平面がわからないことがあります。咬合器に付着した模型でないと、精密な歯の診断はできません。技工士に補綴物を送っても、咬合器につけたものでないと、平面がわからないことがよくあります。
上顎、3本しか残っていないような症例のフェイスボートランスファーはかなりシビアに記録しないといけません。基準がほとんどないです。なのでフェイスボートランスファーでもウォッシュが必要です。
症例の中で稲葉先生が
「上顎の義歯で口蓋がない悪い症例です。」とスライドを見せて説明。
「どうしてですか?」の質問に
「口蓋はかみ合わせの支持をするところだからです。嘔吐反応をよく言うことがありますが、口蓋ではでません。舌根部で嘔吐反応はでます。 だから口蓋はしっかりつけてください。」
とのことでした(^▽^〃)
twitter(←ここぽちっと押してください。) からもいつものように中継しました。
↓ ↓ ↓
審美の分析、アピアランスガイドについて説明。歯の色の調和だけではなくて、全体の口元のバランスが審美修
復には重要です。
ABCコンタクトのバランスについて説明、咬合調整の時、Bコンタクトを削ってしまうと歯がすべってしまい
ます。(歯が移動してしまいます。)
上顎の歯の舌側内斜面と下顎の頬側内斜面がBコンタクトです。
「咬合面の8つの要素」をとてもわかりやすく説明。咬頭頂、辺縁隆
線、中心隆線、三角隆線、発育溝、副溝、副隆線、窩 です。発育溝のぶつかり合ったところが窩、ですね。歯に適当な溝はついていません。
参加してくださった先生、皆さん、とても真剣でした。明日からの臨床にすぐに役立つことたくさんあったと思います。
本当にありがとうございました!!