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【IPSG包括歯科医療研究会】

顎咬合学会

6月12,13日 顎咬合学会が開催されました(^▽^*)

 

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IPSG名誉会長の大石尭史先生、同じく名誉会員の田嶋紀一郎先生ご夫妻、田嶋健先生ご夫妻、私、稲葉先生です。(あっ日鞠もいました。)

イボクラーのブースの前です。

田嶋健先生、オーストリア、ウィーン大学に7年間留学して最近帰国しました。(有名なスラビチェック先生のもとで、彼の右腕となって、ヨーロッパ中の歯科医に講師として指導していました!)

岩田先生同様、稲葉先生が学生時代から育ててきた弟子です。

やっと帰ってきて、浦島太郎状態のようです。

IPSGでも田嶋先生のオーストリアの報告講演会企画しますので、楽しみにしていてくださいね。(健先生よろしく)

 

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IPSG副会長の飯塚能成先生のポスター発表の前でパチリ。

同じく副会長の大石暢彦先生も登場。

 

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飯塚先生のこの症例は大変すばらしいです。

後日詳しくご報告いたします!

日曜日は子供がいたためどうしても参加できずに残念でしたが、友人が稲葉先生が我が息子のように一生懸命ビデオ撮影していて、声さえかけられない雰囲気だったと聞いています(笑)

きっと大成功だったと思います(^▽^*)

 

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上下顎同時印象法

上下顎同時印象、本システムの利点

上下顎同時印象法を行って、総義歯を製作するシステムの利点はつぎのとおりです。

①咬合採得、ゴシックアーチの描記、フェイスボートランスファー、上下顎同時印象をわずか1回で行うため、合理的であると同時に来院回数の減少が図れる。

②咬合採得した位置で最終印象を行うため、顎位の誤差を生じない。

③印象採得中に嚥下を行わせるため、口腔周囲筋の印象採得が可能である。

④最終印象をフェイスボートランスファーし、咬合器に付着できる。

⑤印象面に口腔周囲筋、口唇、舌の形態を再現することができる。

⑥ニュートラルゾーンに人工歯を排列できる。

⑦サブリンガルルームを利用することにより舌による良好な維持が期待できる。床を後舌骨筋窩まで延長する必要がなく、舌の動きを阻害することがない。

⑧イボカップシステムやPVPMの応用により重合収縮を補正し、適合が良好なため、ヲーターフィルム減少を得ることができ、維持がよい。

⑨顎堤が極度に吸収している症例でも、頬筋、口唇、舌の維持ができる。

さらにこのシステムを応用し、オーラルディスキネジアや、脳卒中後の麻痺のある患者さんに対してよい成績を上げています、顎関節症を伴う総義歯患者においてもよい成績をあげています。

 

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上下顎同時印象法

従来の義歯の欠点

【上下顎を別々に印象採得する欠点】

上下顎を別々に印象する従来の欠点はつぎのとおりです。

①機能時の口腔周囲筋、口唇、舌の印象が不可能

②閉口時の印象採得が不可能

③上下顎に平均した圧力をかけなれない

④印象圧と咬合圧が同一ではないために患者の筋圧とは異なる

⑤術者主導の筋圧形成であるために患者さんの筋圧とは異なる

⑥開口印象では義歯の最後方の翼突口蓋縫線が延び切り、閉口時に空気の進入を防止できない

 

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上下顎同時印象法

最終印象を上下顎一対で採得する方法とは?

わが国における総義歯の歴史のなかには、世界最古のも木床義歯の歴史が含まれる、それは1538年に当時としては長寿の74歳で往生した紀伊・和歌山の願成寺の草創者・仏姫の拓殖の木から作った木床義歯です。当時は現在のように優れた印象材や模型材もなく、咬合器もない時代に、適合性に優れ、噛める義歯を作ることができたものであると、感心してしまいます。当時の義歯の製作方法を調べてみると、非常に合理的であり、仏教芸術の伝統を受け継いでいることがうかがえます。

その製作法の鍵は、蜜蠟を使った印象採得と咬合採得を同時に行うことです。これは蜜蠟を鍋で温め、それを一塊として患者さんの口腔内に入れ、咬合位を決定した後に口腔内の形を採得するというものです。

一塊にしたものを上下顎に分けたのであるから、正確な咬合位の再現が化のになるのは当然です。

これまでの総義歯では上下顎の印象を別々に行うことが普通です。そのため正確な咬合関係の再現はかなり難しいです。

上下顎別々に印象採得を行い、その後上下を合わせて義歯を作るより、上下を一塊として口腔内より取り出しそれを2つに分割し、再び元に戻すような義歯製作のほうが理想的です。

このような理由から上下顎を同時に印象し、これを正確な咬合器に付着した後に上下に分け、精密な人工歯で再び上下顎歯列を1つに咬合させる方法が望ましいです。

稲葉繁の考案したシステムは、最終印象の際に上下顎を同時に印象し、そのままフェイスボートランスファーを行い、咬合器に付着した後に上下に分け、精密な人工歯で排列を行い、上下顎歯列を1つに咬合させる方法です。

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上下顎同時印象法

Dr.shleichとの出会い

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1978年、当時西ドイツのチュービンゲン大学歯学部補綴学講座ケルバー教授のもとに留学していた頃、イボクラール社のナソマート咬合器の研修会を受講しました。

そこで、同社の補綴部長をしていたDr.shleichによる総義歯の研修会に参加するチャンスを得て、初めてイボトレーを用いたアルギン酸印象材で行った上下顎同時印象によるスタディーモデルを見ました。

さらにその模型をコーディネータという水準器のような精密な器械を用いて正確に模型をマウントし、最終印象のためのゴシックアーチ描記装置を組み込み、精密印象を行うというテクニックでした。

人工歯排列、イボカップによる重合など見るものすべてが目新しく、日本では行われていない精密なテクニックでした。

しかし、このテクニックを用いてもデンチャースペースの印象は完璧ではなく、その後に稲葉繁が考案した最終印象を上下顎同時印象するシステムのきっかけになりました。

写真は平成5年に稲葉繁が代表を務めるIPSG包括歯科医療研究会発足の際、デモを行っていただいたDr.shleichとの記念に残る1枚です。

今でも家族同士の付き合いは続いています。

Dr.shleichが引退する際、彼の資料をすべて託されました。 膨大なスライドです。Dr.shleichの素晴らしい技術をさらに改良したのが、現在の「上下顎同時印象法による総義歯」です。

Dr.shleichがスタディーモデルまで、上下同時に印象をとっていたのに対し、稲葉繁は最終印象まで「上下顎同時印象」に改良したのです。

それをDr.shleichに説明したところ、素晴らしい、と喜んでおられました。 そしてこの技術を日本中、世界中に広めてほしいと強く希望されました。

 

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稲葉繁先生の自宅、ホームパーティーにケルバー教授とシュライヒ先生を招いた、これも貴重な1枚です。

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咬合を学ぶ

咬合管理の重要性

本来、歯科医療には診療行為そのものと患者さん教育、啓蒙との二面性があり、日々の臨床においてそのどちらが欠けても満足のいく治療結果が得られないというところがあります。「適切な時期の適切な処置」さらに「適切な患者さん教育」を常日頃から心がけることによって、患者さんの信頼をより確かにえることができます。

患者さんが減少していく今後ですが、むしろ患者さん教育に費やす時間が増えたと考え、誰もが生涯自分の歯で過ごすことができる可能性が出てきたととらえるべきでしょう。

これからの医療において、疾病の治療から健康管理への転換、すなわちキュアよりケアに重きが置かれるようになると、歯科医師も否応なしにカウンセラーの役目を負わなければならなくなると思います。

そしてMinimal Interventionにより歯科医師の治療への介入が最小となり、国民が高齢者になっても多くの健康な歯を保有するという時代が遠からずやってきます。

歯科疾患の予防の最も大切なことは、よい歯列をつくることであり、それが生涯保たれることです。

しかし、疾病の予防が進んでも解決できない問題は咬合の管理です。

咬合を専門としているのは、他ならぬ歯科医師です。

これまで、歯科の業務は「歯」に固執しすぎていた感があります。疼痛除去に始まり、歯の実質欠損や歯の欠損に対し、元の形に戻す補綴処置ばかりにとらわれすぎ、生涯にわたる体全体のバランスを考えた医療をおこなってこなかったのではないでしょうか。

今後の歯科医療においては咬合を重要視し、歯科医師であるならば専門を問わず、咬合を最も重要視した医療を行うべきです。どんなに予防が進んでも咬合問題を解決できない限り、歯科疾患に対する根本的な対応はできません。今後の歯科医院は咬合管理に最も重きを置くべきです。

 

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予防補綴のすすめ

全身と歯科医療との関係

日本人の死因は、昭和20年代前半までは結核が第1位でした。昭和20年代後半より第1位が脳血管疾患、第2位が悪性新生物となり、昭和56年より悪性新生物が第1位となりました。

現在では第1位が悪性新生物、第2位が心疾患、第3位が脳血管疾患、第4位が肺炎および気管支炎となっています。いわゆる3大成人病の死亡率は60%を占めるようになりました。

すなわち、感染症(急性疾患)から非感染性疾患(慢性消耗性疾患)への病気の質の変化が起こったのです。

これら3大成人病は生活習慣病ともいわれ、食生活を含めた生活環境などが誘因になっていることはいうまでもありません。

ここで注目すべきは、死因の4番目に肺炎があることです。

これは歯科医療と密接に関係があります。

肺炎の原因として口腔内からの細菌感染がしばしばおこることが知られています。とくに高齢者の肺炎の原因に誤嚥性肺炎が少なからず含まれていますが、脳血管障害の後遺症などの嚥下障害から、気管や肺に食物と一緒に細菌を誤嚥する結果、気管支炎や肺炎を惹起します。救命医療が発達することにより、今後ますますこのようなケースは増加することが予測されます。

その対策として入院患者や在宅要介護高齢者に対する歯科からのアプローチがおこなわれるようになり、高齢者施設や病院でも口腔ケアの認識は高まり、歯科衛生士の存在価値が認識されるようになりました。

また、歯科医療の現場では肝炎対策、HIV感染症対策が必至であり、今後の歯科医療においてはその対策が注目されると思います。う蝕や歯周病は歯科における2大疾患と言われ、最近では、これらの歯科疾患は感染症として位置づけられています。

したがって、予防が可能であり、今後は予防を中心においた歯科医院の増加が予想されます。

さらに、不正咬合、顎関節症を含めた疾患が増加してきています。それに伴い、歯科における治療計画も一歯単位から、一口腔単位、一顎口腔系単位、さらには全身を対称にした医療に変化してきています。今後の歯科医療においては「全身の中での口腔」を観点においた治療へ進むことは確実です。

歯科疾患も生活環境、社会生活が大きな誘因であることはいうまでもありません。食生活を含めた環境へのアドバイスができる歯科医師が増え、歯科疾患の減少のみならず、全身の健康によい結果をもたらすような治療方針が確立するならば、歯科治療の価値観が高まるばかりでなく、歯科関係に携わる人々の地位向上につながるでしょう。

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予防補綴のすすめ

保険制度の限界その2

ブランド品で身を飾り、高級時計を腕にはめているが、口元をみるとびっくりすることがあります。

歯並びが悪かったり、笑った時黒い金属が露出したり、前歯が欠損していることもときにはあります。

しかし、この現象は必ずしも本人だけの問題ではないと思います。

歯科界の関係者が、歯並びは何が正常で何が異常なのか、どのような状態が健康を表すのか、真っ白で綺麗な歯はその人の人格とどのように関係するのか等を啓蒙してこなかった責任は大きいと感じます。

何のインフォームド・コンセントもなしに診療行為を行い、患者さんに対し、

「現在の歯科医療は保険制度の制約があるので責任は医療者にない」

「保険で縛っている医療制度の責任」

とばかりに平気で歯に黒い金属を被せたり、詰めたりしている現在の歯科医療の実態を考え直す必要があります。

白い歯は贅沢品である時代はもうとうに過ぎています。親から授けられた真っ白で真珠のような歯が光る口元にすることは当然です。

そうでなければ歯科医学は日進月歩で進んでいるとは到底いえないと思います。

国民はより価値の高いものや耐久性のあるものを求める傾向を示してきています。金額は少し高くても、価値のあるもの、理由のあるもの、必要なものにはお金を支払うという傾向が表れるようになりました。

これが信頼関係で結ばれた社会、すなわちコミュニケーション社会だと思います。

最近では、医療の質をすべて均一化し、医療を行うのがどのような者でも、すべて同じ評価を行っています。つまり、大学の高名な教授が手術を行っても、研修医が行っても同一の評価であるという不公平が生じています。

さらに、日本の医療費は国の財政により決定され、完全に統制が敷かれた制度です。旧ソビエト連邦で始まった社会主義が日本で完成されたと皮肉をこめて医療保険制度の評価をする人もいるほどです。

ドイツの保険制度では、保険点数において、大学教授は一般開業医の3~8倍の評価があります。また大学教育に協力していただく患者さんの負担を減らす目的で、学生の行う診療の保険点数は低く抑制されています。

経験や能力が均一化され、誰が治療してもすべて同じという評価は不公平の最たるものです。

日本の保険制度の最も評価できる点は、自由診療が許されていることです。

つまり、学問優先で質を守り、患者さんの利益となる方策がとれることが唯一の救いでしょう。

良質な医療は「適切な人」が「適切な方法」で「適切な時」に行う医療であり、希望する人にとって最善な医療が行われることです。

生体安定性が高く、安全でしかも安心できる医療を行おうとすれば、自ずから保険の範囲では不可能です。

歯科治療は自然治癒を導くことが少ない一分野であり、いろいろな生体材料を体の一部として用います。

そのため、材料費、技工料などが必要であり、これが一般の医療にはない特徴であり、歯科医療費が高額になる原因です。

しかし、国の財政の制約のある保険医療の下では、不十分な歯科材料を使わざるを得ないのが現状。

このあたりの事情を国民に知ってもらう必要があります。

歯科医師が保険中心の医療に麻痺しているため、国が指定しているのであるからといって、何の疑いもなく不十分な材料を使用するのは恐ろしいことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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予防補綴のすすめ

保険制度の限界

昭和36年から始まった国民皆保険制度は当時の経済状況の中で、医療の恩恵を国民が誰でも受けることができることを前提とした、いわゆる弱者救済を基本にしたものです。

憲法で保障されら健康保持の権利を守るために生まれたもので、最善で最新の医療をうけられる制度とはいえないものです。

世界に誇る日本の保険制度とはいっても、その内容はとても高いとはいえません。

私たち歯科医師自身が治療を受けようと思った時、この保険精度の枠の中だけで治療してほしいと思う人は皆無であると言っても間違いと思います。自分の口の中に黒い金属の12%金パラを使い、見えるところに金属の被せ物をしたり、歯を失ったところに「ばね」のついた義歯を入れたいと考える人は少ないでしょう。

その結果として、多くの歯科医師が保険の範囲の中で努力して治療を行っても、最終的には歯を失っていく構造が出来上がっているのです。事実、この保険制度の結果は歯科疾患実態調査に現れています。

現在の保険制度は、歯科医師が努力しても報われない制度です。国民にとってもまじめに治療に通っても最後は歯を失ってしまう結果となります。

歯を失わない予防対策が実施されるような制度に転換していかなければなりません。

諸外国においては、すでに保険でカバーされるのは予防のみで補綴は一切除外される傾向にあります。

歯科治療をしたことを他人に悟られずに自然にみえるようにするのが本来の目的です。日本人の誰もが美しい歯並びをもち、白い歯の笑顔がみられるようになってこそ、歯科関係者の地位が高まり、国際的にも日本の評価が高まるでしょう。

このような感覚を身につけるためには、保険制度の改革が必要であり、保険制度を中心とした大学の臨床教育から、本来あるべき「最善の医療」を考えた教育への転換が必要不可欠です。

世の中は健康ブームで、健康のためにフィットネスクラブや個人トレーニングに通い、大変盛況なようです。

通信販売での健康食品も飛ぶように売れています。

このような風潮を歯科界に上手に導くことが必要です。その傾向はみえ始めています。口元を綺麗にしたい、歯を綺麗にしたいという願望が強まってきています。ホワイトニングや、セラミック治療で白い歯になりたいという人も多くなってきています。

しかし、そのような治療は健康保険では対応できません。

国民の歯科医療に対する要求と健康保険制度の間にアンバランスが生まれた結果、国民の歯科医療に対する不信感が増すばかりです。

保険ですべての治療ができるというような誤解を生む発言は避けるべきであり、治療の限界を正しく知らせるべきである。そうでなければ歯科医療の発展は望めないばかりか、国民が不幸になってしまいます。

 

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予防補綴のすすめ

はじめに

2004年に日本歯科評論から出版された日本歯科大学前教授、IPSG代表の稲葉繁編著、

「予防補綴のすすめ」

「はじめに」 のところで、こんなことが書かれていました。

ちょうど第28回アテネオリンピックが開催された年でした。

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オリンピックの報道の中で 仕事柄、どうしても各国選手の歯並びが気になりました。さしあたりアメリカの選手はどの選手をみても口元が綺麗であり、歯並びに関してメダルを差し上げるならば金メダルでしょう。

それに引きかえ、日本の選手は歯並びの悪い選手が目立つと感じたのは私だけではないと思います。

経済大国とはいうものの、国の医療政策か、個人の価値観かどうかわかりませんが、歯に対する価値観が各国で異なっていたのを興味深く感じました。

日本を除く各国の選手は歯並びがきれいであったのは動かしがたい事実です。

最近の歯に対するテレビコマーシャルは大変教育的です。歯の病気の予防を訴え、むし歯の原因をわかりやすく解説したり、外国の教授が講義風に歯周病を説明したり、フィンランドの子供たちの虫歯罹患率が低いのはなぜかなど、歯科と関係のない人々にも理解しやすいように、大変効果的に行っています。

キシリトールの国民認知率は90%を超えていると言います。

まさにう蝕予防は民間から始まり、国民の多くが虫歯は予防できることを認知しています。

あまりにも保険点数ばかりを気にしすぎて国民を置き去りにしているのではないでしょうか?

現在のように歯科医療の中で予防が進まず、う蝕を削りまくっているならば国民からの信頼が薄れるのは間違いありません。その結果、国際的な場でも、日本の歯科医療政策の遅れという面で、大きく恥をかいてしまうことになってしまいます。

歯科医療は国民の健康を守ることが優先されなければならず、それには歯科医師も国民も満足できる医療を提供することが大切です。すでに医療は「サービス」であることがはっきりと打ち出されています。

これは国民の意識の変化や医療環境の変化から打ち出されたものです。