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【IPSG包括歯科医療研究会】

「自費率向上の鍵 予防補綴のすすめ」

平成23年1月29日 (株)コサカ新春講演会 「自費率向上の鍵 予防補綴のすすめ」 が開催されました。

「予防補綴」という言葉はまだ聞きなれないと思いますが、これから全国の先生に広めていきたいと思っています。

 

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「歯科医療で大切なことは、他人からみて歯科治療をしていることがわからないようにすること。」

「金銀パラジウム合金なんてとんでもない。 保険で手を付けた歯からゆっくり抜歯をしてしまう。」

「だから、抜髄も今のように簡単にしてはいけない。」

「クラスプは魔物」

など、今の歯科の現状について、稲葉先生にしか言えないような発言をしていました(*・ε・*)

もちろん稲葉先生のMinimam Interventionについての話もありました。

あまり知られていませんが、KaVo社からだしていた、SONICSYS は悪いところだけをインレーの形をしたダイアモンドで削るのですが、そのダイアモンドの形が、すでにインレーになっているものです。

インレーの予防拡大なんてする必要がないです。

 

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今回のセミナー、若い先生に向けての意識改革だったと思います。

小手先のテクニックではなくて、患者さんに対する意識、私たち歯科医の意識を変えなくてはいけない。

稲葉先生が言うには

「我々はパーツ屋じゃないんだよ!」

でした(*・ε・*)

こんなに研修会についていってる私でも初めて見るパワーポイント、スライドがたくさんあって、すごく刺激的でした(=^▽^=)

稲葉先生のインプラントとテレスコープのコンビネーションも発表していました☆

これも初めて見ました!

残存歯が少ない場合、日本の保険制度では、総義歯になるのを待つだけです。

クラスプを入れたらもう終わり。

ぜひ、レジリエンツテレスコープを学んでいただきたいです。

残っている歯をできるだけ守りながら使える優れたテレスコープ。

最近需要が非常に増えています。

2時間という短い時間ですが、内容は盛りだくさんでした。

IPSGの会員の先生方も参加してくださっていて、心強かったです。

セミナーを受講した感想の一部、お伝えします。

◆やっぱり稲葉先生のお話は楽しい。今回はとくに精神面にとどきました。

◆確かに、ヨーロッパ式補綴には目がいっていませんでした。気になります。勉強になりました。もう少し早期介入例をみたいです。

◆自分自身が受けたい治療(医療)をしていく事が重要だと思いました。まだまだ勉強中ですが、患者さんの事を一番に考える歯科医師になろうと先生のお話で改めて思いました。ありがとうございます。

◆予防補綴の流れがわかりやすく説明してありました。グルーブカッターの使用方法が実際にみたい。

◆1月にリーゲルテレスコープセミナーに参加しまして、今回の1月29日のコサカ主催の研修会に参加しましてパーシャルの重要性を再度確認しました。2月19,20日の研修会に参加させていただきますのでよろしくお願いいたします。

◆我々はもっと医療の志を高く持つこと、パーシャルデンチャーの考え方が遅れていることにきづかされました。

◆数々の貴重な症例を見させていただきとても勉強になりました。

◆大変参考になりましたが、あまりにすご過ぎてとても自分には、無理だと思いました

◆テレスコープの講演をあまり聞いたことがなく症例と照らし合わせてみることができ、理想の一つの治療と感じた。

◆大変勉強になりました。今まで聞いたことがなかったので新しい知識が沢山増えました。ありがとうございました。

◆インプラントが支流の歯科界で今回のお話は、大変良かったです。

◆Imprantが増える中でDentureの重要性を再確認しました。

 

素敵な感想をたくさんいただきまして、ありがとうございました!!

 

 

 

 

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「テレスコープの臨床」セミナー開催されました。

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2011年1月16日新春最初のIPSGセミナー「テレスコープの臨床」 開催されました。

今回、はじめて雑誌広告をしたこともあり、全国からたくさんの先生のご参加をいただきました。

はじめて参加された方がほとんどでしたが、びっくりしたのがたくさんの方が積極的に質問されていたことです。

テレスコープシステムは1886年にはじまり、125年もの歴史があるドイツで開発された入れ歯です。

125年の間改良し続けてきたため、非常に精度が高く、世界で、特にヨーロッパでは非常に信頼されている技術です。最近のインプラントブームの中で、テレスコープシステムによるパーシャルデンチャーのセミナーは非常に貴重だと思います。

日本では、アメリカの技術は入りやすいのですが、ヨーロッパ、とくにドイツの技術はほとんど入ってきません。

稲葉繁先生が1978年にドイツに留学したきっかけは顎関節症ですが、ドイツでの副産物がテレスコープシステムです。

1978年当時、ドイツではすでにクラスプによる治療は歯科大学の授業からも消えていました。

したがって、日本の保険制度による入れ歯との差は天と地ぐらい違います。

テレスコープシステムというと、日本ではコーヌスクローネしか知られていません。しかも術式が間違っているものが多く、評判が悪くなってしまいました。正しい方法で行われたコーヌスクローネ、稲葉先生はたくさんの30年症例をもっています。

コーヌスクローネの金属で推奨するのはスイスメタロール社のオロフロイド3.非常に精度が高く、生体安全性の高い金属で、患者さんの体にも安全です。コーヌスクローネをパラジウムの金属で行うだけで、失敗を招く原因にもなります。

レジリエンツテレスコープ、リーゲルテレスコープ、コーヌステレスコープとミリングデンチャーなど様々なタイプのテレスコープを症例によって使い分け、ほとんどすべての症例がカバーでき、最近ではインプラントの上部構造にテレスコープシステムを応用できるといった話をしました。


稲葉先生の最近の症例も素晴らしいものでした。

給食のおばさんが退職し、自分へのご褒美として上顎リーゲルテレスコープ、下顎コーヌステレスコープを入れた症例は、誰もが綺麗な歯を望んでいるということを証明した内容で、最後のセットの写真は感動的でした。

動画でコーヌステレスコープの製作方法を勉強したり、シリコン印象の方法を学んだり、盛りだくさんでした。

セミナーの内容は私のtwitterFacebookでも少しご報告させていただきました。

 
 

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来月、2月19,20日の「パーシャルデンチャーの設計、製作実習コース」もあっという間に満員になってしまいました。

ありがとうございました!

今回、参加していただいた先生方にアンケートをさせていただきました。

一部、ご紹介させていただきます☆

◆テレスコープシステムについて初めてわかりやすい知識をもつことができました。稲葉先生の長い臨床の経験を伺い納得することが大きかったです。30年も同じテレスコープ義歯を装着している患者さんが実際存在しているのには、大いに感心しました。

◆勉強したことがなかったテレスコープシステムがどんなものか初めて知りました。教科書では名前しか聞いたことがなかったので、歴史や貴重な写真等を含めてとても勉強になりました。

◆インプラント以外のイケてる義歯という武器を獲得していきたいと本気で思っていますので、これからヨロシクお願いします☆

◆本日はありがとうございました。テレスコープの症例を見たり、基礎についてご教授いただくのは初めてのことだったのですが、基礎から説明していただき、キーワードは何度も連呼してくれたので、初心者にはわかりやすかったです。

◆30年来やってきたコーヌスデンチャーの欠点がわかった気がします。

◆約25年前に東京歯科研にて当時稲葉先生の講習会に参加しましたが、現在まで書籍などを参考に臨床にいかしていました。井の中の蛙にならないように今日久しぶりに参加させていただきました。自分自身の臨床の再確認として改めて勉強し直したいと思いました。有難うございます。今後講習会のメール配信、お願いいたします。

◆テレスコープの種類、それぞれの利便性など大変勉強になりました。また自分の勉強不足、知識不足など痛感しております。今年もIPSG研修会に参加させて頂き勉強していきたいと思います。

◆稲葉先生のお話は、いつ聞いても楽しいです。大満足です。

◆フランクに質問できて良い。

◆稲葉先生の実直な人柄、臨床に触れて楽しかった。要望としては各テレスコープのカラーアトラスやDVD(手順は勘どころ)を作ってほしい。また来ます。

◆臨床経験の浅い私にとって2年前に同じ講義を聞いたのと比べ、今日は本当に色んな事がわかりました。ここが分からないというpointがダイレクトにわかりました。インプラント以外の選択肢が自分の日々の診療に加わり患者様に提供できる事にまた一歩近づきました。とてもうれしいです。稲葉先生はグローバルスタンダードを本当に低いレベルの私にもわかりやすく説明してくださりました。ありがとうございます。

◆自身の臨床の中で、欠損補綴の手段として、インプラントだけでは限界があり、パーシャルでの補綴を考えるとテレスコープシステムは非常に魅力を感じました。いくつかテレスコープにもありますが、「リーゲルテレスコープ」をぜひ自分の手段のひとつとして身につけたいと思いました。実習コースもぜひ参加したいと思います。

◆約20年ぶりに稲葉先生のやり方を勉強させていただいて、大変参考になりました。

 

本当にあっという間の一日でしたね☆参加していただいた先生方、本当にありがとうございました☆♪

 

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VIP会員 望年会

先週の木曜日、VIP会員の望年会が開催されました!!

IPSG事務局の裏にある「なんてん」という居酒屋にて。

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毎週木曜日の午前中に稲葉繁先生の臨床を秋葉原の稲葉歯科医院にて見学、それに加えて月2回の午後、湯島研修会場にて、講義と臨床検討、相談会を行っています!!

稲葉歯科医院での臨床見学では、実際に患者さんの印象法からテレスコープの製作や修理方法を目の前でみることができたり、テレスコープをやりたいけど自信がないという方に対しても全面的にアドバイスが受けられるので、先生方には大変喜ばれています。

VIP会員になるには、すべての講義、実習の受講をして、稲葉先生との面談を通った人。

という少し高いハードルがありますが、

今まで、総額1000万円をセミナーや勉強会に費やしてきた先生が、

「ここで最後です。」

とおっしゃっていただけたほど価値のある会員です。

テレスコープの症例がびっくりするほど増えてしまったそうです。

もともと、とても誠実で信頼できる先生なので、技術が加わり素晴らしい変化をされたのでしょうね。

このような意見をいただけるととってもうれしいです☆

 

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この日は少し寒かったので、鍋がとーっても美味しかったです!!

皆さん、今年もありがとうございました☆

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12月12日「学術大会」開催されました!!

2010年12月12日、IPSG恒例の「学術大会」が盛大に開催されました☆
 
12月も半ばお忙しい中、65名ものたくさんの先生方にお集まりいただき、ありがとうございました!!
 

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今回の学術大会、それぞれの内容が非常に濃く、私も記録をするのを忘れてしまうぐらい集中して聞いてしまいました。

参加してくださった先生にも十分ご満足していただいたことと思います。

そして発表してくださった先生、本当にありがとうございました!!
 
明日から使えるような方法を提案をいただいたり、今まで疑問に感じていたり、難しくなげだしていたようなケースでも
「私でもできる!!」 「はやくやってみたい☆」
という気持ちにさせていただいた発表ばかりで非常に充実したものでした。

先生方の発表を聞きながら私が感じた気づきを、私のtwitterで感じていただけると思います。

https://twitter.com/#!/yuriakubi←ココぽちっと押してくださいね。

慣れないFacebookでも少しコメントさせていただきました。

https://www.facebook.com/?ref=home#!/yuriko.inaba1←よかったら「いいね!」ボタン押してコメントしてくださいね。

本当はUstreamでの配信も考えていましたが、やはり学術大会です。

配信により発表する方が内容を控えてしまわれるのではと思い、やめました。

 
そのかわり、IPSGのこのサイトでお一人づつ詳しくお伝えしていきたいと思います!!
 
最初に発表してくださったのは、オーストリアのウィーン大学に7年留学していた田嶋健先生です。
シュラビチェック教授の右腕として活躍されていました☆
 
 
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「オーストリアナソロジーを応用した矯正学的咬合治療の可能性」
 ということで、咬合理論に基づいた矯正治療について、田嶋先生発表していただきました。
 
お話の中で、オーストリアと日本の歯科大学の違いは自分の意思をどうやって伝えるのかという自己主張の授業があるそうです。日本の歯科大学にはありませんね!
ドナウ大学でマスターオブサイエンスを取得、3年間厳しい勉強を乗り越えた田嶋先生、自己主張をしっかりしてきたことにより得たタイトルなのでしょうね。
ドナウ大学で実際の患者さんの臨床例もいくつかだしてくださいました。
すごい診査診断治療計画でした。このくらいやれば結果は目に見えていますよね。
貴重なお話ありがとうございました!!
 
また、田嶋先生のセミナー来年予定しております☆
ぜひ、参加してくださいね!!
 
続いて、IPSG副会長の大石暢彦先生の発表、
 
「治療中心の歯科医療から予防中心の医療への脱却」
 

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大石先生は乳幼児から高齢者の予防の大切さについて順序だてて丁寧に説明してくださいました。

例えば、大石先生が使っている予防のツールはやはり乳幼児には母乳育児、お母さんの予防として、ミュータンスコントロールの意識は大切だと教えてくださいました。

ミュータンス菌の感染の窓は1歳半からだからです。

Duraphatの効果についても、わかりやすくお話いただきました。C0の歯に対して、サホライドにかわり、予防効果があり、水で固まるので、泣き叫ぶ子供でも比較的簡単に塗布することができることなど、明日にでも使える内容ですね。

高齢者に対しては、稲葉先生の予防補綴を実践されていました。さすがです!!

そして、印象的だったことは、広告宣伝費っていろいろありますが、大石先生は歯ブラシをプレゼントすることだそうです。

なるほど、そういうアイデアもあるのですね!!

インターネットやチラシよりも効果があるかもしれません。

大石先生ありがとうございました!

 

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「口腔機能訓練器具ラビリントレーナーを用いた症例」同じくIPSG副会長の飯塚能成先生の発表です。MYOFUNCTIONAL THERAPY の一つのツールとして素晴らしい効果を得られた症例です。

嚥下運動をする時の喉頭蓋を鍛えるものがラビリントレーナーです。高齢者の嚥下機能の改善回復し、誤嚥を予防できます。高齢者になって舌圧が下がると口呼吸になりやすくなるのを予防することができます。などの介護予防のほか、口の周りの筋肉のエステ効果もあるというお話をしてくださいました。

そして、赤ちゃんがおっぱいを吸う力は顎の発達を促進されることは知られていると思いますが、哺乳瓶によってはその力の50分の1の力しか使わないでミルクを飲めてしまうそうです。一番よいとされているNUKでさえも20分の1。母乳はすばらしさについても再確認しました!!

高齢者はよくむせます。ラビリントレーナーは、鼻呼吸になりむせ予防ができるほか、脳血管障害の発音障害をなおすこともできるのです。舌痛症にも応用ができるすばらしい道具です。

口呼吸や舌突出癖により起こる症状は、口臭、舌痛症、前歯の歯肉炎やカリエス、発音障害、咽頭炎、気管支炎、顎関節症、首や肩こり、猫背、膝の痛み、腰痛、口内炎などです。

こんなにすばらしいものだったなんて、知りませんでした。

開発した稲葉先生本人が一番びっくりしているのでは・・・・(笑)

飯塚先生って本当に私がいうのもなんですが、おちゃめでユニーク。みんなに好かれるタイプです。こんな方がIPSGの副会長であることを誇りに思います。

 

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日本初のドイツマイスターの大畠一成先生の講演です。

「時代に即した歯科技工の技術と知識」

すべてKAVO社でそろえた大畠先生のラボ「Gross」 たくさんの器械が置いてあるので、ビルが傾いてしまうかもと心配になるぐらいだそうです(笑)

そしてEUにおけるCAD/CAMの需要についてお話いただきました。

EUでのCAD/CAMの需要驚くほど伸びているそうですが、歯科以外に頭蓋骨インプラントなどの分野があることが理由のようです。すばらしい写真をみさせていただきました☆

欧州を中心にパラジウムや銅のアレルギー反応の問題が大きくとりあげられているようですが、口の中に金属を入れる、責任を私たちはもっと考えないといけないと痛感しました。

ハイブリッドレジンについてはどうなのでしょうか。とうところは気になります。なぜなら、テレスコープではとても大切なものだからです。今回、みせていただいたのは、セラマージュです。ハイ
ブリッドでもセラミックに匹敵するぐらいの色調がだせるのですね。来年一月の「歯科技工」に詳しく論文だされるそうです!!

最後に先生の娘さんのすばらしい歯をみせていただきました。大畠先生ありがとうございました!

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続いて、関聖生先生の「インプラント上部構造の適合精度の向上をめざして」インプラントの上部構造にリーゲルテレスコープという症例です。

IPSGのたくさんの先生が関先生のところに技工をお願いしていると思います。

インプラントの上部構造にリーゲルテレスコープ。すごい豪華というか、どんな方がこのような治療をされるのかしら、とちょっと思いましたが、すばらしいです。
リーゲルテレスコープが修理ができるという特徴があることから、インプラントにも最適ですね☆すごいです!

予後についてもこれからしっかり追っていく必要がありますね。

関先生、前回の顎咬合学会でもすばらしい発表をされていました。今回、たくさんの先生方からの強い希望があり、お話しいただきました。

本当にありがとうございました。

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岡部俊一先生、「患者様に優しいインプラント治療、リーゲルテレスコープシステムをインプラント上部構造に応用した臨床」です。

岡部先生はオゾン水による感染予防を徹底しています。印象材もオゾン水はほとんど寸法変化がないそうです。麻酔の専門医でもあるので、インプラント治療も全身管理がきちんとできるのですね。

感染根管があるからすぐ抜いてインプラントではなく、できるだけ残してどうしてもの場合のみ抜歯してインプラントをするのだそうです。岡部先生は歯内療法の平井順先生のインストラクターでもありますし、根管治療もとても上手です。

大石暢彦先生のtwitterのコメントの中で、

「岡部先生の長期機能テレスコープ症例見せていただきました。どのケースも学会発表レベルのフルマウスリハビリ症例圧巻です。同じくテレスコープ臨床をやっているものとして、安心と勇気をいただきました。 」

とありましたが、本当にその通りですね☆

岡部先生はやり始めたことはすべて極めてしまう方だと思います。

なんと、ワインのソムリエの資格もおもちです☆♪

スタッフ全員を10日間イタリア旅行に連れて行かれたそうです。すごいですね☆うらやましい!

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本日の特別ゲスト、北原信也先生です☆

銀座でNOBU DENTAL OFFICEを開業されていて、SJCDの理事もされています♪

先生のオフィス歯科医院っぽくないですね。

なるほど・・・・と思った事は、アメリカ人は歯が一本ないということは、指が一本ないぐらいの感覚だそうです。その意識はやはり、私たち歯科医の啓蒙がやはり足りていないところかもしれません。

まだまだ、私たちは患者さんに伝えていないことがいっぱいあることに気づかされました。

なんというか、北原先生のお話って華やかなんですよねー☆芸能人の患者さんも多いし、みてるだけで楽しいのです♪

北原先生、お忙しい中本当にありがとうございました☆

ぜひ、IPSGにも遊びにいらしてくださいね。

本当に充実した学術大会でしたが、参加してくださったほとんどの方がこの後の望年会へ参加いただきました。(IPSGでは忘年会ではなく望む年の会ということで望年会と呼んでいます☆)

今年は、ホテルでの望年会を開催し、ゲストにマジシャンアレスを呼んでマジックショーが開催されました。

マジシャンアレス、期待を裏切らない相当おかしい時間をありがとうございました!!☆

かなりの盛り上がりに会場の中は、常に笑っている状態でした !

そして最後に彼、必ず感動するメッセージを話すんですよね☆
 
それは、私たち歯科界にとって、すごくするどいメッセージだったりするのでびっくりします。
 
 
 

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「今日、一日本当にありがとうございました!!乾杯☆♪」


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右から、IPSG副会長の飯塚能成先生、北原信也先生、林博之先生です。楽しそうですね(^▽^)/


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今回、協賛いただいた田中歯科器械店の毛利社長も登場しました!!

 
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マジックショーでこんなに笑えるって一体どんなマジックだか気になりますよね!!

お腹が痛いほど笑えること保証します。とお伝えしていたのですが、その通りになりました☆

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こんなかわいいゲストも舞台に立って頑張りました!!

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今回、小さなお子様の参加もたくさんあり、とってもにぎやかでした☆

 

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最後にアレスが、誰でも簡単にできるマジックを教えてくれて、東倉先生、これから忘年会も多いし、頑張ってくださいね(笑)

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稲葉先生とアレスはお互いを「シゲレス!」「アレス!」と呼び合うぐらい仲良しです。

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そして、最後に協賛してくださった田中歯科器械店KAVO社が豪華景品を用意してくださり、くじ引きをしました。 一等賞は大石暢彦先生☆

大畠一成先生のANTERIORESです!よかったですね☆

とても楽しかった今年の学術大会も、会員の先生方の支えにより盛況に終えることができました。

本当に感謝いたします。

来年もさらなる発展のためにスタッフ一同がんばりますのでどうぞよろしくお願いいたします☆

 

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「診査診断治療計画の立案」開催されました。

2010年11月21日

「診査診断治療計画の立案」開催されました!!

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先日、イギリス人の女性から

「日本人の歯はどうしてあんなに悪いの?」

と聞かれました。

イギリスと言えば、欧米諸国の中では先進国として歯科の意識が低く、歯科医師はドクターではなくミスターと呼ばれると聞いていたので、この質問はかなりショックでした。
そのイギリス人からみて、日本人の歯は悪くてびっくりすると言われてしまうのです(≧ヘ≦)

次回の学術大会で講演していただく、北原信也先生もおっしゃっていますが、これはどうにかしなくてはいけない事態だと思います。

日本人の歯が悪いのは、すべて患者さんのせいでしょうか?

いいえ、患者さんのせいだけではないと思います。

私たち歯科医師は患者さんに情報提供をしてあげないといけません。

わざわざ、患者さんは自分の歯科医院を選んで目的をもって来院するのです。

先生方は今月の初診は何人だったかということには大変関心があります。

その初診の患者さんが来院ために、パンフレットを作ったり、ホームページのSEOを頑張ったりしているのですが、その努力はすっかり忘れて、いざ患者さんが来院すると、もう次の初診の患者さんを得ることばかり考えがちです。

せっかく選んで来院してくださった患者さんへの対応は意外とお粗末だったりするのです。

どれだけ、この患者さんを得るのに大変だったかよーく考え直してください。

ここで、初診の患者さんにチャンスと考え、プレゼンテーションするのです。 ←稲葉先生

プレゼンテーションの順番として、

①診療目標は常に高く
自分の財布を基本してはいけません(笑)一番良い方法を教えてあげましょう。この時、日本の保険診療について理解していただくといいかと思います。
なぜ、歯の治療には費用がかかるのか理解していただかないといけません。

②疼痛対策
主訴は改善してとりあえず噛めるようにしてあげましょう。

③一次目標(動機づけができれば成功)
とりあえず、見たところを自然にし、社会生活が普通にできるように、信頼関係をつくりましょう。

④二次目標(理想に近づけばよしとする)
歯科医療に対する理解を得て、到達目標は何処かを意識してもらいましょう。

⑤計画は理想的に、実行は話し合いで
類似したケースを供覧するとよいでしょう。

⑥計画は全顎的に、実行は局部的に


⑦診療計画は理解しやすく、ビジュアルに作る
模型・パソコン・パネル・本などを用いて、わかりやすく説明しましょう。

日本の保険制度のいいところは、自費診療を認めているところです。
なので、チャンスは自分でつかまないといけません。

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そして、今回は稲葉先生の弟子である、岩田光司先生の講義がありました。

岩田先生のこれまでの軌跡、どうして稲葉先生についてきたのか、深ーいお話を聞けました!

IPSGのヨーロッパ研修旅行の写真などをいくつか見せていただき、私も懐かしく思いました。

 

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岩田先生が実際使っているパワーポイントを惜しみなく、セミナー受講生に配布していただき、今回受講された方は本当にラッキーだったのでは。

補綴物の審美のチェックリスト、歯列の分析、歯の豊隆の分析基準の方法などをお話してくださいました。

実際の岩田先生の症例のプレゼンテーションは、診査診断治療計画の流れが非常にわかりやすくまとまっていました。

稲葉先生、

「なんだかテストしてるみたい」

と言って、ニヤリとしていました。

 

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咬合診断実習コース開催されました!

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2010年10月23,24日 「咬合診断実習コース」開催されました!

今回の実習コースは患者さんのデモンストレーション、マウスピースの作り方、模型診断方法などを中心として行われました。

先日、稲葉歯科医院に来院した患者さんが咬合診断のモデルとして引き受けてくださいました。

顎関節症、クローズドロックで顎の痛み、口が開けられないという症状がありました。

調整しているほとんどが、以前治療した詰め物(インレー)です。もちろん、その前に2,2センチほどの開口量を4,4センチまで復位させています。 

私の気づき

↓  ↓  ↓

上顎の斜走隆線は下顎が後方にいかないようにストップさせる働きと、左右に動く時に誘導させる働きがあります。

なので、皆さんここ削って簡単にインレーを入れるのはやめましょうね☆

 

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咬合調整をしている様子です。

「ほとんどが、やはりインレーだね。」とつぶやいていました。

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 岩田先生によるKAVO社のディグマのデモンストレーション。

これで、治療前と治療後を比べます。

岩田先生は咬合診断をするのとセットで必ずディグマで顎機能検査を行います。

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中心位の指導。やはり、一度自分で体験すると習得できますね☆

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最後にスプリントを患者さんに作りました。

歯ぎしりをする患者さんにマウスピースを渡し、顎の音もなくなり、とても喜んでいただきました。

稲葉先生、

「これで歯ぎしりもなくなるね。歯ぎしりしないことに歯ぎしりしちゃったりして。ハハハ」

「・・・・・」←受講生

今回、うれしかったのは、小さいお子さんがいらっしゃる女性の先生が2名参加されたことです。

なんとかお子さんを預けての参加だったと思います。

本当にありがとうございました。

私も同じ立場なので、このように一生懸命勉強をされている先生をみて、 刺激をうけました。

受講された先生からの感想もいくつかいただきました!

★昨日はありがとうございました。
 とっても楽しかったです。
2日間がすごく早く感じました。
 もっともっと勉強したいって思いました
また来月参加させていただきますのでよろしくお願いいたします。

2日間、参加いただいた先生方、ご苦労様でした!!

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ヨーロッパの歯科事情

オーストリアにおける診査診断治療計画

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田嶋健先生、「オーストリアの診査診断治療計画」2010年10月17日、東京八重洲ホールで開催されました。

オーストリア、ウィーン大学に7年留学していた田嶋健先生、帰国して初のセミナーが開催されました☆

ドナウ大学でマスターオブサイエンス日本の歯科医師でただ一人取得。稲葉繁先生の学生時代からの教え子であり、弟子です。

日本の歯科医はアメリカ方面に留学することは比較的多いですが、ヨーロッパに留学する方はとても少ないです。その中でも実際に臨床、講義をできる先生はごくわずかです。
実際に、患者さんの治療をできるのは本当にわずかな人です。というのは、日本のドクターというだけのタイトルではEUでは臨床ができないからです。

田嶋先生はマスターを取得したことで、社会的地位があがり、臨床もでき、歯科医を教える立場になれるそうです。スピード違反も免除されたとか・・・・(笑)

シークエンシャルオクルージョンで有名なシュラビチェック教授の右腕として活躍してきました。

これからも、日本でというより世界で、セミナーのオファーがあるそうで、忙しいようです。

さて、今回の「診査診断治療計画」 の話の余談・・・・

油田が沢山あるドバイの歯科医師は、研修会のついでに数百万円の咬合診断装置即金で買っていくそうです。

アラブでは治療の失敗は首をはねられるそうなので、治療の証拠を残すのは大切だそうです。

それほど、「診査診断治療計画」「咬合診断」は重要なのです。

参加されていた先生方は、背筋を伸ばして聞いていました(笑)

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午後はシークエンシャルオクルージョンについて、稲葉先生のするどい突っ込みをされながらのお話。

稲葉先生は舌、Swallowの動きや、口腔周囲筋の働きをとても重要としていますが、シュラビチェックの考えの中にはあまり、これについては触れていません。

上顎6番の斜走隆線は下顎が後方にいかないようにバリアーする役割があるなど、きれいなパワーポイントで説明。

改めて天然歯のすばらしさを実感しました。

同じ咬合の話でも稲葉先生が話すのとはまた角度が違ってとっても勉強になりました。

やはり、ヨーロッパの歯科傾向は咬合治療です。顎関節症、抗鬱薬を投与するアメリカの傾向に傾いている日本も本当に気をつけないといけません。

田嶋先生、たくさんの資料をおしみなく見せてくださり、本当にありがとうございました。

 

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その後、懇親会が開かれて、20名ほどの先生方が参加してくださいました!!

私も、子連れだというのに、楽しくて2次会まで参加させていただきました☆

 

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田嶋先生ご家族、稲葉先生と乾杯!!

充実した後のお酒はやっぱり美味しいです☆♪

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元陽展

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稲葉先生、趣味の一つとして、絵を描くことがあります。

今年も、第41回元陽展に出品して、慎重審査の結果

「全日本美術新聞社賞」

受賞しました☆

今日まで、上野の美術館で第41回元陽展、開催されておりますので、もしお時間ある方はどうぞお越しください(o^-^o)

作品は稲葉歯科医院山吹町に飾る予定です。よかったら見にいらしてくださいね♪☆

コチラが作品です!!

↓  ↓  ↓

 

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「咬合治療の臨床」(基礎コース)開催されました☆

エクセレントデンティストコース、「咬合治療の臨床」(基礎コース)開催されました☆

19名の受講者とスタッフ合わせて25名だったので、狭い会場がいっぱいになりました。

ひしめき合いながらも、大変有意義なセミナーだったと思います。

稲葉先生は今まで、大学3年生5年生に授業してきました。

学生が、なるべくやさしく理解できるように、将棋の駒、てこの原理、咬合面の8つの要素など楽しく勉強してきたので、今回のセミナーもとてもわかりやすかったです。

咬合面の8つの要素はドイツに留学時代、ドイツの学生たちにも教えていたそうです。

咬合面をドイツのチュービンゲンの地図にたとえたりして親しみを感じてもらったそうです。
(咬合面に親しみが湧くっていうのもなんだかおかしいのですが・・・笑)

最近、咬合の話ができる先生がとても少ないように感じます。 

稲葉先生は、顎咬合学会の認定医試験で咬合部門の代表として、受験生に講義をしています。

日本中から集まる、認定医試験をうける先生方に講義をするということは大変名誉あることだと思います。

その稲葉先生が、一日咬合について、やさしくお話しました。

咬合管理は歯科医の得意技でなくてはいけません。いくら予防が進んでも咬合問題は解決できません。
咬合診断がこれからの歯科医院の主流となるように勉強しないといけません。

稲葉先生は、咬合理論といってもそんなに難解なものではないと言います。

咬合問題は歯科医療共通の問題で、インプラント、矯正、義歯、審美すべてに共通です。

そしてとっても重要なことは咬合診断は患者様との信頼関係の絆でもあります。

その後、会場が懇親会場に早変わり。

そして、稲葉先生もコックさんに早変わり(笑)

稲葉先生自慢のローストビーフや、生ビールサーバーもでてきて楽しい懇親会がありました☆

参加いただいた先生方、本当にありがとうございまいした!!

今回も写真をとっていたのですが、なぜか写真が取り込めない事態が起きてしまって、
懇親会の模様などお伝えできないのが残念です。なんとか、取り出したいと思うのですが・・・・遅くなりそうです。
でも、とっても充実したセミナーでした☆

感想などもいただいております。

↓  ↓  ↓

◆稲葉先生の講義、大変素晴らしいと思います。
是非、その知識と技術を少しでも身につけたいと本気で思います。
来月以降も時間の許す限りついていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

◆先日はお世話になりました、おいしくローストビーフいただきました。

◆昨日はお世話になりました。おいしいお料理もいただき、ダイエット中なのですがたくさんいただいてしまいました。

他にもたくさんの感想をいただきました。
(なぜか、稲葉先生の料理の感想が多かったです。笑)

参加いただいた先生方からは早速、「咬合診断実習コース」もお申込みいただいております。

ありがとうございました!! 

 

 

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義歯のQ&A 総義歯の大きさは年齢と共に小さくするのでしょうか?

Q:総義歯の大きさは年齢と共に小さくするのでしょうか?

A:結論から申し上げますと、義歯の大きさは年齢が多くなっても小さくする必要がなく、顎の吸収に伴いその部分を義歯床でカバーするために、むしろ大きくなってくると思われます。

義歯の維持安定には顎堤のみならず、頬側では頬筋、前方では唇、舌側からは舌により支えられます。したがって天然歯の存在した場所がそのまま義歯にとり変わるのではなく、そこには義歯を維持させるため床が必要になってきます。

確かに顎堤は吸収して小さくなるのですが、義歯のサポートは軟組織に頼らなければなりません。床面積を大きくすることにより義歯の安定は大変向上します。

もともと歯の存在したときは口腔内にはスペースがある筈ですが、その空間は軟組織により封鎖されていますので一見判別できませんが、口腔周囲筋や唇、そし
て舌の力の均衡がとれているところに人工歯が配列されれば、義歯の維持安定にはもっとも良いことです。このバランスがとれたところにデンチャースペースと
呼ばれる、力の均衡がとれたところがあります。

したがってこの場所は年齢を増すことにより変わることがないばかりか、むしろ筋肉の緊張度が下がることを考えると広がる可能性の方が多いと思われます。

そのような理由から維持安定の良い義歯を製作するためには、このスペースを見つけなければなりません。筋肉の均衡の取れた維持の良い義歯の特徴は装着すると人工歯が見えるのみです。一般には義歯の印象は上下別々に行う結果、印象にはデンチャースペースが取れてきません。

そのため ろう義歯になってから、フレンジテクニックによりデンチャースペースを記録し、研磨面の形態を作ります。

最近は歯科材料の改良に伴うテクニックの改良が進んで来ています。私はガンタイプの注入式シリコーン印象剤を使って上下顎同時印象する方法を考案し、日常臨床に応用していますのでご紹介します。

この方法を使いますと、デンチャースペースが大変よく印象されます。

すでに使っている義歯を改良する場合にも大変便利ですから応用してみてください。

患者が現在使用している義歯を使い、下顎の舌側や頬側全体にガンタイプのシリコーン印象材を注入し、デンチャースペースを採得してみますと、多くの場合義
歯の周囲にシリコーン印象材が層になって義歯の研磨面に厚くついてきます。このような場合には義歯が小さすぎると考えられます。

特に上顎では大臼歯の部分の頬側に、下顎では舌下隙から舌側溝に印象材が厚く付いてきます。さらに頬側の部分に盛り上がるように印象が取れてきます。

このような形態が義歯に再現されれば大変維持安定の良い義歯になります。

義歯を新しく製作する場合にも上下顎同時印象をしますが、最初に個人トレーを使い咬合採得まで行っておきます。このときトレーには咬合堤をつけておき、これを使って咬合採得を行い顎位を決めておきます。

印象採得は最初に下顎の下側に印象材を注入し、同様にトレーの内面に印象材を盛り上げ、口腔内に圧接します。その後上顎の粘膜面に印象材を盛り上げたの
ち、口腔内に挿入します。余剰の印象材はトレーからはみだしてきますが、さらに頬側の奥深くまで印象材を注入します。そのとき患者には口角を牽引したり、
唇を尖らせたりしてもらいますと、印象材は唇からはみ出てきますので、取り除いてください。印象材が効果した後、上下一塊として取り出します。印象には頬
筋や舌の機能時の状態が再現されているのが確認でき、さらに唇の印象が現されているので、人工歯配列には好都合となります。

このとき舌房の部分はシリコーンのパテタイプを用い空間を満たしますと、下顎の人工歯の配列に参考になります。

この一塊となった印象がデンチャースペースということになります。模型は顎堤の部分はもちろん、頬側の形態はコアーをとることにより保存します。

人工歯配列はこのコアと舌側シリコーンを参考にし、バランスのとれたところに並べ、歯肉面は人工歯とコアーの空間にパラフィンワックスを満たしたのち形態を整え、重合完成になります。

完成した義歯は印象とほぼ同様な形態となり、義歯と粘膜の間は満たされ、エアーの入り込む余地はなく、頬筋、唇のサポートが十分な大変安定の良い義歯となります。

このような結果確かに顎堤の吸収は年齢を増すことにより大きくなり、義歯そのものは維持安定のためデンチャースペースを十分利用したいために、天然歯が存在したときより大きくなるのが普通であるということが理解して頂けたと思います。