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上下顎同時印象法

総義歯ライブ実習コース開催されました!

2010年7月17,18,19日「総義歯ライブ実習コース」が開催されました。 

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日本歯科大学前教授、稲葉歯科医院顧問、稲葉繁先生のIPSGスタディーグループのセミナーです。
総義歯の患者さんを実際お呼びして印象から装着までを3日間で勉強します。
今回の患者さんは54歳男性。バイクが趣味だそうです。ファッションも派手目で髪型はラーメンマン(ちょっと古くてすみません。)のように後ろを三つあみにしています。
40代から重度の歯周病、若い時期から歯を失ってしまいました。 
今の入れ歯にすごく不自由しているわけではないけれど、硬いものが食べれない。
サイコロステーキは絶対無理で、焼き肉だと肉が薄いから食べれるため、よく行くとおっしゃっていました。 
前歯で噛むと、後ろの歯が浮くそうです。 
 ゴマが入れ歯にはいると痛いともおっしゃっていました。

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実は私、今回のセミナー、娘2人がいつも一緒だったためすべて参加することができませんでした。
記録したDVDをあとから見直して様子をみさせてもらったのですが、やはり、DVDと実際参加するのとでは臨場感がまったく違います。twitterでもDVDをみながらつぶやいたところもあるのですが、やはり、いまいち迫力がない。
ブログ、メルマガでどのようなコメントをしようか言葉を悩んでいたところ、
「そうか!参加してくださった先生方にお聞きしよう。」
と思いつきました。
早速、みなさんにメールをしたところ、私がお伝えするよりもずっとすばらしい言葉をいただきましたので、ご紹介いたします。
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こんにちは

3日間お世話様でした。

とにかくスゴイの一言でした。

治療のそれぞれの過程で稲葉先生と技工士の岡部さんからの的確な説明があり非常に勉強になりました。

最後の吸着状態を実際に患者さんの口腔内で確認させていただきましたが、

今までに経験したことがない吸着状態でした。特にどんなに引っ張っても取れない下顎の吸着には感動しました。

また咬合状態もフルバランスがしっかり付与されているので、前方、側方運動時にまったく動くことがなくその状態もほんのわずかな調整(無調整といってもいいくらい )でできたことにもびっくりでした。

適合状態もみましたが、若干の辺縁をこする程度の調整のみでした。

とにかくすべてにおいて自分が見てきた義歯の中では間違いなく最上級のものであったと思います。

最後に患者様がその場でお弁当をたべてみせてくださいましたが、筍はしっかり前歯で噛み切っていましたし、こんにゃくもたくわんも何の問題もなく食べている姿を見て、さらにびっくりでした。

食後の義歯内面をみましたが、食片が入った痕跡はなく

まさに究極の総義歯でした。

この治療を自分のものにしたいですね。まずは実践をしたいと思います。

本当にありがとうございました。

埼玉県開業 K.K 先生 

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この文章、いただいたものそのままお伝えしています。

私がお伝えするよりもずっとすばらしい感想をいただきまして、本当にありがとうございました。 

そのほかにもたくさんのコメントをいただきました!!

稲葉歯科医院の技工士も手伝いで参加をしたのですが、

「完璧だったよ。スムーズにいつもの吸着だったし。」

と言っていました。

今回、技工は歯科工房OKABE代表の岡部宏昭先生にお願いしました。

岡部先生は総義歯の権威、稲葉先生も総義歯のすべてを学んだというDr.shleich の技工担当として日本中をまわったり、数々の有名な総義歯の先生の技工を担当してきた超ベテランの技工士です

 

  
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岡部先生のトークがまたおもしろくて先生方を魅了しました。
なかなか技工サイドの仕事をこんな身近でみることはできないので、岡部先生の手さばきにとても感心してしまいました。
もう、咬合器とワックス、レジンすべて自由自在に操る指先に憧れてしまうほどです。

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義歯装着後、先生方ひとりひとり、どのくらい義歯が吸着しているのか実際に口の中を触ってたしかめているところです。

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このセミナーの最後、ナント義歯を装着したばかりの患者さんと一緒に食事することになっています。 
患者さんが、たくわんを前歯で噛み切れるか、硬い食べ物を前歯で引きちぎれるか、みんなで観察するのです!
こわいですねー。
でもさすがは稲葉先生の総義歯。
稲葉先生は当然という顔をして、食べにくそうなものをすすめていました(笑)
家に帰ったら、サイコロステーキを食べたいそうです。

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一人ひとりに稲葉先生から修了証が手渡されました。
本当に充実した、すばらしいセミナーだったと思います。
参加してくださった先生方、本当にありがとうございました!! 
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【IPSG包括歯科医療研究会】

「総義歯の基礎と臨床」セミナー開催されました。

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「総義歯の基礎と臨床」セミナー開催されました(^▽^*)

 「総義歯の基礎と臨床」セミナー、20名の先生方に参加していただきました(^▽^*)

今回、香川県から出席してくださった先生などもい
らっしゃいました!

すでに、総義歯のDVDをみて予習して、「ストレスフリーの歯科医院づくり」「予防補綴」を読んで下さったと聞き、す
ばらしいと思いました。

たくさんの先生方のご参加ありがとうございました。

保険の入れ歯の重合方法とイボカップシステムとの違いは?

という質問に対してtwitterでのつぶやき、まとめてみました。

患者さんから保険と保険外の入れ歯の材料の違いに聞かれたら、ぜひこのような感じで回答してくださいね(^▽^*)


↓  ↓

保険の入れ歯の重合方法は、昔私たちが学生の時、フラスコをぐつぐつ煮ましたよね。

今もその方法がほとんど
だそうです。あの方法、実はレジンに気泡が入ります。
気泡が入っているとどういうことになるか・・・
割れてしまいます。

なぜ入れ歯が割れるのか?

口の中の熱の変化でレジンは膨張したり収縮したりします。気泡も熱により小さくなったり大きくなったりします。そ
れを繰り返すと入れ歯は割れてしまいます。更にレジンの厚みがでる。変色する。臭い汚れを吸収します。

イボカップシステムによる重合方法
は、重合中に常に収縮を補正できる方法です。常に圧力をかけます。なのでレジンに気泡が入りません。前はPVPMという方法もありましたが残念ながら今は
ありません。

そのため、薄く透明度がありながら、強度もあり、割れません。臭いや汚れの吸収も保険のものに比べるとほとんどありません。
薄いのに強いのです。
製作方法も全く違うので、もちろん保険ではできない、手間と材料です。

やはり、床の形をよく覚えて、辺縁封鎖が大事です!

ゴシックアーチは歯列で。印象材はシリコンでと
りますが、流れの悪いシリコン、レギュラータイプがおすす
め。パテではありません。総義歯の印象は粘膜の細かいシワまでとることはないからです。

咬合採得、ゴシックアーチ、フェイスボートランスファー、印象採得を一度でとります。その後、kavo咬合器にトランスファーします。
その後、頬、舌のコアを作ります。なのでカンは必要ありません。

今回も学生さんの参加があったので、稲葉先生いっぱい質問しました。

「咬合平面ってなんだかわかる?」

 「・・・」☜学生

「下顎の切歯点と7番の遠心咬頭
を結んだ面ですよ」

twitterでも、歯科医の先生からたくさんの反応がありました。

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【IPSG包括歯科医療研究会】

顎咬合学会

6月12,13日 顎咬合学会が開催されました(^▽^*)

 

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IPSG名誉会長の大石尭史先生、同じく名誉会員の田嶋紀一郎先生ご夫妻、田嶋健先生ご夫妻、私、稲葉先生です。(あっ日鞠もいました。)

イボクラーのブースの前です。

田嶋健先生、オーストリア、ウィーン大学に7年間留学して最近帰国しました。(有名なスラビチェック先生のもとで、彼の右腕となって、ヨーロッパ中の歯科医に講師として指導していました!)

岩田先生同様、稲葉先生が学生時代から育ててきた弟子です。

やっと帰ってきて、浦島太郎状態のようです。

IPSGでも田嶋先生のオーストリアの報告講演会企画しますので、楽しみにしていてくださいね。(健先生よろしく)

 

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IPSG副会長の飯塚能成先生のポスター発表の前でパチリ。

同じく副会長の大石暢彦先生も登場。

 

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飯塚先生のこの症例は大変すばらしいです。

後日詳しくご報告いたします!

日曜日は子供がいたためどうしても参加できずに残念でしたが、友人が稲葉先生が我が息子のように一生懸命ビデオ撮影していて、声さえかけられない雰囲気だったと聞いています(笑)

きっと大成功だったと思います(^▽^*)

 

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上下顎同時印象法

上下顎同時印象、本システムの利点

上下顎同時印象法を行って、総義歯を製作するシステムの利点はつぎのとおりです。

①咬合採得、ゴシックアーチの描記、フェイスボートランスファー、上下顎同時印象をわずか1回で行うため、合理的であると同時に来院回数の減少が図れる。

②咬合採得した位置で最終印象を行うため、顎位の誤差を生じない。

③印象採得中に嚥下を行わせるため、口腔周囲筋の印象採得が可能である。

④最終印象をフェイスボートランスファーし、咬合器に付着できる。

⑤印象面に口腔周囲筋、口唇、舌の形態を再現することができる。

⑥ニュートラルゾーンに人工歯を排列できる。

⑦サブリンガルルームを利用することにより舌による良好な維持が期待できる。床を後舌骨筋窩まで延長する必要がなく、舌の動きを阻害することがない。

⑧イボカップシステムやPVPMの応用により重合収縮を補正し、適合が良好なため、ヲーターフィルム減少を得ることができ、維持がよい。

⑨顎堤が極度に吸収している症例でも、頬筋、口唇、舌の維持ができる。

さらにこのシステムを応用し、オーラルディスキネジアや、脳卒中後の麻痺のある患者さんに対してよい成績を上げています、顎関節症を伴う総義歯患者においてもよい成績をあげています。

 

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上下顎同時印象法

従来の義歯の欠点

【上下顎を別々に印象採得する欠点】

上下顎を別々に印象する従来の欠点はつぎのとおりです。

①機能時の口腔周囲筋、口唇、舌の印象が不可能

②閉口時の印象採得が不可能

③上下顎に平均した圧力をかけなれない

④印象圧と咬合圧が同一ではないために患者の筋圧とは異なる

⑤術者主導の筋圧形成であるために患者さんの筋圧とは異なる

⑥開口印象では義歯の最後方の翼突口蓋縫線が延び切り、閉口時に空気の進入を防止できない

 

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上下顎同時印象法

最終印象を上下顎一対で採得する方法とは?

わが国における総義歯の歴史のなかには、世界最古のも木床義歯の歴史が含まれる、それは1538年に当時としては長寿の74歳で往生した紀伊・和歌山の願成寺の草創者・仏姫の拓殖の木から作った木床義歯です。当時は現在のように優れた印象材や模型材もなく、咬合器もない時代に、適合性に優れ、噛める義歯を作ることができたものであると、感心してしまいます。当時の義歯の製作方法を調べてみると、非常に合理的であり、仏教芸術の伝統を受け継いでいることがうかがえます。

その製作法の鍵は、蜜蠟を使った印象採得と咬合採得を同時に行うことです。これは蜜蠟を鍋で温め、それを一塊として患者さんの口腔内に入れ、咬合位を決定した後に口腔内の形を採得するというものです。

一塊にしたものを上下顎に分けたのであるから、正確な咬合位の再現が化のになるのは当然です。

これまでの総義歯では上下顎の印象を別々に行うことが普通です。そのため正確な咬合関係の再現はかなり難しいです。

上下顎別々に印象採得を行い、その後上下を合わせて義歯を作るより、上下を一塊として口腔内より取り出しそれを2つに分割し、再び元に戻すような義歯製作のほうが理想的です。

このような理由から上下顎を同時に印象し、これを正確な咬合器に付着した後に上下に分け、精密な人工歯で再び上下顎歯列を1つに咬合させる方法が望ましいです。

稲葉繁の考案したシステムは、最終印象の際に上下顎を同時に印象し、そのままフェイスボートランスファーを行い、咬合器に付着した後に上下に分け、精密な人工歯で排列を行い、上下顎歯列を1つに咬合させる方法です。

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上下顎同時印象法

Dr.shleichとの出会い

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1978年、当時西ドイツのチュービンゲン大学歯学部補綴学講座ケルバー教授のもとに留学していた頃、イボクラール社のナソマート咬合器の研修会を受講しました。

そこで、同社の補綴部長をしていたDr.shleichによる総義歯の研修会に参加するチャンスを得て、初めてイボトレーを用いたアルギン酸印象材で行った上下顎同時印象によるスタディーモデルを見ました。

さらにその模型をコーディネータという水準器のような精密な器械を用いて正確に模型をマウントし、最終印象のためのゴシックアーチ描記装置を組み込み、精密印象を行うというテクニックでした。

人工歯排列、イボカップによる重合など見るものすべてが目新しく、日本では行われていない精密なテクニックでした。

しかし、このテクニックを用いてもデンチャースペースの印象は完璧ではなく、その後に稲葉繁が考案した最終印象を上下顎同時印象するシステムのきっかけになりました。

写真は平成5年に稲葉繁が代表を務めるIPSG包括歯科医療研究会発足の際、デモを行っていただいたDr.shleichとの記念に残る1枚です。

今でも家族同士の付き合いは続いています。

Dr.shleichが引退する際、彼の資料をすべて託されました。 膨大なスライドです。Dr.shleichの素晴らしい技術をさらに改良したのが、現在の「上下顎同時印象法による総義歯」です。

Dr.shleichがスタディーモデルまで、上下同時に印象をとっていたのに対し、稲葉繁は最終印象まで「上下顎同時印象」に改良したのです。

それをDr.shleichに説明したところ、素晴らしい、と喜んでおられました。 そしてこの技術を日本中、世界中に広めてほしいと強く希望されました。

 

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稲葉繁先生の自宅、ホームパーティーにケルバー教授とシュライヒ先生を招いた、これも貴重な1枚です。

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咬合を学ぶ

咬合管理の重要性

本来、歯科医療には診療行為そのものと患者さん教育、啓蒙との二面性があり、日々の臨床においてそのどちらが欠けても満足のいく治療結果が得られないというところがあります。「適切な時期の適切な処置」さらに「適切な患者さん教育」を常日頃から心がけることによって、患者さんの信頼をより確かにえることができます。

患者さんが減少していく今後ですが、むしろ患者さん教育に費やす時間が増えたと考え、誰もが生涯自分の歯で過ごすことができる可能性が出てきたととらえるべきでしょう。

これからの医療において、疾病の治療から健康管理への転換、すなわちキュアよりケアに重きが置かれるようになると、歯科医師も否応なしにカウンセラーの役目を負わなければならなくなると思います。

そしてMinimal Interventionにより歯科医師の治療への介入が最小となり、国民が高齢者になっても多くの健康な歯を保有するという時代が遠からずやってきます。

歯科疾患の予防の最も大切なことは、よい歯列をつくることであり、それが生涯保たれることです。

しかし、疾病の予防が進んでも解決できない問題は咬合の管理です。

咬合を専門としているのは、他ならぬ歯科医師です。

これまで、歯科の業務は「歯」に固執しすぎていた感があります。疼痛除去に始まり、歯の実質欠損や歯の欠損に対し、元の形に戻す補綴処置ばかりにとらわれすぎ、生涯にわたる体全体のバランスを考えた医療をおこなってこなかったのではないでしょうか。

今後の歯科医療においては咬合を重要視し、歯科医師であるならば専門を問わず、咬合を最も重要視した医療を行うべきです。どんなに予防が進んでも咬合問題を解決できない限り、歯科疾患に対する根本的な対応はできません。今後の歯科医院は咬合管理に最も重きを置くべきです。

 

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【IPSG包括歯科医療研究会】

「咬合治療の臨床」開催されました。

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「咬合治療の臨床」セミナー、開催されました。

スタッフ総勢32名、この小さい会場にこんなにたくさんの人数で開催されたのははじめてです。

中心位、中心咬合位の違いを理解することはとても大切です。

中心位(centric
relation、CR)
とは、下顎頭が関節窩内で緊張することなく、関節円板にのって機能する中で、最も後方で上方の位置。そこから自由に側方運動が行われるときの頭蓋と下顎骨の位置的関係です。

歯の接触による誘導はありません。下顎頭上縁
が中心から45度で接触する位置だそうです。「関節円板にのって」というところが非常に大切です。

一方中心咬合位とは後からできたものです。噛みやすい位置、最大面積で歯と歯が接触している位置のことです。中心咬合位は変わります。

咬合診断は何をするのでしょうか。

形態的診断として、◆全身との調和がとれているか◆頭蓋との3次元的位置関係を診断◆頭蓋との3次元的形態を診断◆審美的診断

機能的診断として ◆下顎位の診断◆下顎運動の診断◆咬合様式

を調べます。

基準3平面

◆水平面 Horizontal plane   Monson curve  Willson curve

◆矢状面 Sagittal plane

◆前頭面  Coronal plane

ですが、この平面を基準にしてフェイスボートランスファーをします。

フェイスボートランスファーをすると、かみ合わせの平面が斜めになっていることがよくあります。模型だけだ
と水平面がわからないことがあります。咬合器に付着した模型でないと、精密な歯の診断はできません。技工士に補綴物を送っても、咬合器につけたものでないと、平面がわからない
ことがよくあります。

上顎、3本しか残っていないような症例のフェイスボートランスファーはかなりシビアに記録しないといけません。基準がほとんどないです。なのでフェイスボートランスファーでもウォッシュが必要です。

症例の中で稲葉先生が

「上顎の義歯で口蓋がない悪い症例です。」とスライドを見せて説明。

「どうしてですか?」の質問に

「口蓋はかみ合わせの支持をするところだからです。嘔吐反応をよく言うことがありますが、口蓋ではでません。舌根部で嘔吐反応はでます。 だから口蓋はしっかりつけてください。」

とのことでした(^▽^〃)

 

twitter(←ここぽちっと押してください。) からもいつものように中継しました。

↓  ↓  ↓

審美の分析、アピアランスガイドについて説明。歯の色の調和だけではなくて、全体の口元のバランスが審美修
復には重要です。

ABCコンタクトのバランスについて説明、咬合調整の時、Bコンタクトを削ってしまうと歯がすべってしまい
ます。(歯が移動してしまいます。)

上顎の歯の舌側内斜面と下顎の頬側内斜面がBコンタクトです。

「咬合面の8つの要素」をとてもわかりやすく説明。咬頭頂、辺縁隆
線、中心隆線、三角隆線、発育溝、副溝、副隆線、窩 です。発育溝のぶつかり合ったところが窩、ですね。歯に適当な溝はついていません。

参加してくださった先生、皆さん、とても真剣でした。明日からの臨床にすぐに役立つことたくさんあったと思います。

本当にありがとうございました!!

 

 

 

 

 

 

 

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【IPSG包括歯科医療研究会】

予防補綴

「予防補綴」という言葉を聞いたことありますか?
以前から稲葉先生が推奨していた言葉なのですが、

2004年に日本歯科評論から出版された「予防補綴のすすめ」(←ココ押すとリンクされます。)という本をだして、全国の先生に伝えました。
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【予防補綴とは?】(予防補綴のすすめの本より)

国際歯科連盟(FDI)では2000年にMinimam Interventionという新しい概念を学会誌で推奨した。

我が国でもMIの概念として、歯科医療における最小の介入が叫ばれており、歯を切削することがあたかも罪悪
であるかのように訴えてる。
確かに自分の歯で一生を送ることができれば最高の喜びであり、誰もがそれを望み、実現したいと願っている。

口腔疾患の予防はまだ緒についたばかりであるが、歯科医院での取り組みも広がりつつあり、その効果は大きいものがある。

しかし一方で、中高年の多くはう蝕や歯周疾患に罹患している人も多いという現実がある。そこで最小の介入に固執するあまり、すでに疾患に罹患している状態をただ
静観し歯の切削はまかりならぬとばかりに何もしないでいたならば、ますます状況を悪くしてしまう結果となる。

中高年で咬合の崩壊が予測される場合には積極的に咬合の回復と、永続性のある歯の固定を行う必要があると判断しなけれ
ばならない。

このような機会に消極的な治療介入を行い、少数歯にストレスを集中させる結果、最終的には残存歯を徐々に失ってしまうという状況に追い込まれる。

そのような結果を招かないためには歯の切削を行い、全顎的に歯の固定を行うとともに、咬合の安定を図り、長期に口腔内で昨日する補綴を行うべきである。

筆者はこれを「予防補綴」と位置づけ、機をみて最大限に介入(Maximal Intervention)する必要があると考えている。

結果として残存歯が長期的昨日できるような方法を選択し、老後のQOLに寄与する補綴を選択するべきである。

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そうですよね。

すでに悪い状態の口腔内の患者さんに対して、MIをしていたら、どんどん歯を悪くしてしまいます!

同じMIでもMaximal Interventionをある時期からすすめるなんて、稲葉先生しかいませんね。

「予防補綴の
すすめ」
もしも読んでいない先生がいらっしゃいましたら、ぜひおすすめの一冊です。

歯科評論(←HPです)から
出版されています。

2004年に出版されたものですが、今、このときを予測していたかのような内容です。