先日、マグネットのついた部分入れ歯を入れた患者様が来院されました。
「かめない ・・・・」
ということです。
たしかに手で取り外しができるぐらいの接着力、食べ物をすりつぶす力で簡単にずれてしまうと思います。
リーゲルテレスコープは入れ歯の中に小さな鍵のようなものが組み込まれたものです。
その鍵の開閉によって入れ歯を着脱します。
食べ物をすりつぶす力ではけっしてはずれません。
リーゲルテレスコープの症例(稲葉 繁先生による)
とても難しい症例です。
上の歯は前歯だけしか残っていなくて簡単な歯が入っていました。
問題は下の歯です。
前歯のすり減りがはげしく、後ろの歯は極度に骨が吸収しているのがわかります。
食事をすることができなくなってしまい、入れ歯はすぐにこわれてしまうとのことで、 非常に困って来院されました。
とりあえず、今使っている歯を補強して修理をしました。
かみ合わせの平面もずれていたため左右対称にそろえました。
上の歯も仮の歯を入れたところです。
この時点で患者様はかめることに非常に喜ばれました。
ワックスで模型診断をしたあと、上下の歯をリーゲルテレスコープで治すことになりました。
下の写真は精密な型取りをしたところです。
出来上がった上の歯です。
鍵(リーゲルレバー)が閉じている状態と開いた状態。
指で簡単に開閉することができます。閉じると舌で触っても全くわからなくなります。
とりはずしができるブリッジのようなイメージです。
下の歯のリーゲルテレスコープです。
鍵が閉じているところと開いているところです。
歯の部分はセラミックで作ったため、審美的にもとてもきれいに仕上がりました。
お口の中に入れると、金属の部分は見えなくなります。