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入れ歯先進国ドイツのテレスコープシステム

リーゲルテレスコープとは?

当医院では、諸外国の中でも入れ歯においてもっともすすんでいるとされるドイツの入れ歯(リーゲルテレスコープ)をとりいれていますが、これは、費用はかかっても質の高い長持ちのする治療を受けるドイツ人の考えから生まれたものです。

日本では保険の入れ歯の調子が悪ければ、半年毎に取り換えることが可能です。

患者さんの中にはビニール袋の中にたくさんの入れ歯を入れてきて、どれも合わないと訴える方がいらっしゃいます。

これらの入れ歯を一つにまとめ、良質で高度な技術と材料を使用することができれば、高齢者となったとき、歯を失わず快適で豊かな食生活をおくることが可能です。

(ドイツでは、最低3年間は耐用年数と考えられていて、万が一紛失した場合は、全額患者さんの負担になります。)

当医院の顧問、稲葉繁先生がはじめてドイツからリーゲルテレスコープを紹介してから30年近くなりますが、当時治療した患者さんの入れ歯が30年たった今もしっかり使われていることをみても、ドイツ人の入れ歯の技術はすごいな、と関心します。

(現在も定期的に歯科医師、歯科技工士を対象にリーゲルテレスコープの研修会をひらいています。詳しくは、IPSG事務局にお問い合わせください)

リーゲルテレスコープは、全部歯を喪失している総入れ歯の方にではなく、上下の歯が数本残っている方に適応されます。

日本の部分入れ歯はクラスプというバネを残っている歯にかけるものがほとんどです。

歯は噛む力の方向には強いのですが、横にかかる力にたいしては非常に弱いです。

クラスプは歯にばねをかけて横に揺らしてしまいます。そのため歯がゆるみ、歯槽膿漏と同じような症状でぬけてしまうことが多いです。(病院によっては、歯槽膿漏と診断されることもあります。)

リーゲルテレスコープは残っている歯、すべてを固定し強くして歯を横に揺らさないようにすることができるため、残っている歯を利用し長持ちさせることが可能です。

現在、歯を失った方に対してインプラントが主流で、当医院でも、骨がしっかりしていて条件がそろっていればまず、インプラントをおすすめしますが、なかにはインプラントで対応できない事がいっぱいあります。

骨がうすい、残っている歯がぐらぐらしている、欠損している歯がたくさんある、など。中にはインプラントが嫌だという方もいらっしゃいます。

そういう方にはリーゲルテレスコープをおすすめします。

もうひとつリーゲルテレスコープの優れているところは、修理ができることです。

長い間には中が虫歯になったり、歯が割れてしまってどうしても抜歯をしなくてはいけないこともでてきます。

その時、また入れ歯をすべて作りなおすのではなく、簡単な修理でもとの入れ歯を使うことができます。

もちろん、最初にリーゲルテレスコープを作るとき、技工士と設計をするのですが、弱い歯に対しては、抜けることを想定しておいて、修理ができるようにしておきます。

弱い歯はリーゲルテレスコープでできるだけ持たせて守ってあげるという考えです。

また、保険の入れ歯は人が見て、入れ歯であることがすぐにわかります。(特に私たち歯科医師は)

リーゲルテレスコープは見えるところに金属色を使わないようにすることができるので、入れ歯であることがほかの人から気がつかれません。

 

それでは、ばねもなくどのように入れ歯がしっかり固定されているかというと、

リーゲル(Riegel)とはドイツ語で閂(カンヌキ )のことで、これを維持装置に使っています。

入れ歯の中に小さな鍵がかかるようになっています。

これは、鍵をしめると舌でさわってもわからないようになっているのでほとんど違和感がありません。

この鍵をひらくと(手で簡単にあけることができます)、すっと入れ歯を取り外すことができます。

普段は入れ歯であることを忘れてしまうぐらいです。

もちろん、寝るときは、歯磨きをして、入れ歯もあらって装着したままお休みになれます。

(寝ているときに間違えて飲んでしまうなんてことが絶対ないからです。)

自分の歯が一番大事ですが、もしも残念ながら歯を失ってしまった場合、このような治療方法がありますのでどうぞどのような治療方法がご自分にとって最善か 歯科医師と相談することが大事だと思います。

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上の写真はリーゲルテレスコープ義歯。鍵をひらいたところです。しめるとしっかり歯が固定されます。

下の写真はセラミックのブリッジとインプラントをいれました。

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