に引き続き、一連の実習コースのまとめとして、IPSG副会長岩田光司先生が講義をしてくださいました♪
まず、患者様の姿勢について、どのようなポイントに気をつけて考察したらよいかをお話いただきました。
顎関節症の患者様は前傾姿勢の方が多いのですが、今回はそんなに前傾にはなっていませんでした。
治療前の開口量は2.3センチ。
クローズドロックの状態です。
ドップラー聴診器による関節音の記録について、動画でご覧頂きました。
そして、クローズドロックを解除、
マニュピレーションの様子を動画でわかりやすく解説。
そして、患者様の口腔内の様子です。
私が最初にこのオルソパントモグラフィーを見た時、あきらかな原因が見られないと思いました。
例えば臼歯の挺出、8番の干渉などです。
しかも、15年も開いていない・・・
となると、本当に治るのか少し不安が過りました。
患者様は矯正治療をされていて、矯正が修了したあたりから、徐々に口が開かなくなったとおっしゃっていました。
咬合診断の手法について、気をつける点、チェックポイントなど岩田先生がわかりやすく解説♪
術前のKaVoアルクスディグマでは、関節が結節を乗り越えていません。
関節顆の中だけで回転運動をしているのがわかります。
KaVoプロター咬合器に模型を付着。
顆路傾斜各は
右側 矢状顆路角 45度 側方顆路角 8度
左側 矢状顆路角 50度 側方顆路角 8度
矢状顆路角の傾斜がやや強いけれど、イミディエートサイドシフトはありません。
顎関節症の分類もしっかりと頭の中に入れておきたいものです。
動画を用いて説明された、ステージ分類は非常にわかりやすかったです。
そして、こちらが治療前、治療後の開閉口の結果です!!!
左が治療前、右が治療後。
あきらかに動きが違うのをご覧頂けますでしょうか?
開口量は倍。
関節も回転だけではなく、滑走している様子がご覧頂けるかと思います。
素晴らしい〜!!
EPAテストもど真ん中。
稲葉先生の中心位の記録の正確さには、先生方もびっくりされていました。
治療後のディグマ、滑走しているのを確認しました。
一日で、この変化は凄いことだと思います。
岩田先生が最後にわかりやすくまとめてくださったため、先生方も頭の整理ができました。
最後の質問も、終わりがないほど続きました。
その中で、私も質問したかったこと。
「15年間もクローズドロックの状態だったので、骨癒着、アンキローシスをおこしていたら口が開かなかったと思うのですが、その点どのように判断されたのでしょうか?」
との質問に。
「口を開ける前に中心咬合位で側方運動を確認しました。そこでわずかに関節が動いているのを確認し、アンキローシスを起こしていないことを確信しました。」
と稲葉先生。
奥が深いです〜!
実際、アンキローシスを起こして開かない患者様を何人かみているので、その判断方法はどのようにするのか、私も悩んでいました。
あの時、そんな、細かいところをチェックしていたなんて・・・
稲葉先生の凄いところは、口で言うことをすべてやってみせ、結果を出すところだと思います。
臨床をやらないで、講義だけする先生との説得力とはまるで違います。
今回の実習は本当に素晴らしく、受講してくださった先生方は歯科の仕事のやりがい、喜びを感じてくださったと思います。
私自身、患者様が娘の保育園小学校のパパ友ということもありレポートさせていただけた事で、大変勉強になりました。
患者様の笑顔を思い出し、これからも頑張っていきたいと思います(^_<)-☆
2日間ご参加いただいた先生方本当にありがとうございました。