当日の朝。
父である稲葉先生に、「大丈夫だった?」
と聞いてみると・・・
「大丈夫じゃなかった。」
という返事が(-_-)
いつも自信満々なのに、長い間この実習をやって来てこんな答えははじめてです。
「小平君にかかっている」
と稲葉先生。
前日夜の8時に試適が終わり、模型を託された小平先生。
徹夜で、排列と歯肉形成の修正をしてくださいました。
そして朝の8時にイボカップシステムの重合完成。
その足で、研修会場に駆けつけてくださいました。
研磨の模様です。
今回の実習コースは技工士の先生方も多く、小平先生の手元を注意深くご覧になっていらっしゃいました。
そして完成した義歯がこちらです!
患者様の口腔内とは違って、左右対称です。
さて・・・
どうだろう。
本当に心配です。
患者様にセット。
すると、驚く程口元が美しくなりました。
前日の試適で心配だった部位は、小平先生が修正してくださり、適合もばっちり。
先生方お一人お一人に実際に口の中を触って頂きました。
下顎は揺すっても外れない。
もちろん、上顎は患者様ご自身でも外すのが難しいとおっしゃっていただきました。
先生方遠慮して触ってるのかなと思い、私も恐る恐る触らせて頂いたところ、
よかった!!
いつもの吸着力、発揮できていて、吸い付くようです。
患者様の初心の口元です。
そして、横顔。
こちらが、新しい義歯を装着後の口元です。
目元を隠してあるのでわかりにくいかもしれませんが、別人のように美しくなりました。
横顔もとても綺麗です。
あれだけ大きく見える、シュトラックデンチャーは口の中に入ると驚く程自然です。
セットしてすぐに、お弁当を一緒に食べていただきました。
痛かったら噛む事ができませんし、飲み込むこともできません。
でも、患者様は前歯で軽く噛むだけでお新香もゴボウも召し上がっていらっしゃいました。
「お肉も食べられそうです。」
「今迄食べた後、下の入れ歯に食べ物が詰まったけれど、全然詰まらないです。本当にありがとうございました。」
とおっしゃっていただきました。
排列、歯肉形成のトラブルがありましたが、その後の小平先生のリカバリー、頭が下がりました。
本当に今回ほど、技工士の先生との連携の大切さを強く感じた事はありません。
そういう意味でも素晴らしい実習だったと思います。
また、稲葉先生の確実な印象と咬合採得がなかったら、 このような結果は出せなかったと感じます。
最後に、稲葉先生
「ゆりちゃん、よかった!!」
と喜んで、腕を掴まれました。
こんなに何度も涙ぐむ実習もいままでなかったと思います。
岩田光司副会長には、排列作業中、ご自身の症例を画面でシェアしてくださったり、全力でサポートしてくださいました。
最後のまとめの講義素晴らしかったです。
先生方からも沢山の感想をいただきましたので、ご紹介させていただきます。
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▼稲葉先生の仕事ぶりにあらためて感動しました。技術はもちろんのこと、あきらめない姿勢には本当に頭がさがりました。少しでも明日から臨床へいかしていけるようにがんばっていきます。有難うございました。
▼今日、試適後の調整を見ることができる貴重な経験をさせて頂きました。試適あとのエラーが発生しても例年通り素晴らしい結果をみさせて頂きまして、やはり教授はすごいなと改めて感じました。
▼総義歯の全体の流れ、特にラボではあまり見えない、フェイスボー、バイトや試適など貴重な経験ができました。気を抜けない講習会で最初から最後までペンが走っていたと思います。普通の総義歯は知っています。でもきちんとした総義歯の過程も含め初めて知りました。これからコツコツと知識を会得しまた来年参加できるように少しずつ前に進もうと思いました。これから自分自身やってみて一発目から完璧にはできないと思うので数々の疑問が出るか楽しみです。
▼患者さんが義歯をセットして痛みもなく食事もとれていた姿を見て感動しました。小平さんみたいに稲葉先生のような素晴らしい先生とパートナーを組んで患者さんが満足する義歯を作れるようような技工士になれるように勉強したいと思いました。今後できるだけ稲葉先生のセミナーを受講していきたいです。今日はどうもありがとうございました。
▼私の目標である臨床の集大成である講習を新人にも理解してもらいたく参加しました。日頃私の言っている材料操作等、基本の重要性と口腔内、顎関節の重要性を理解してもらえたようです。土曜日の勉強会にやるき満々です。私は休みがなくなりそうです。
▼3日間内容が濃くて覚える知識が膨大でした。特に稲葉先生の排列の仕方とリカバリーの方法が見れてとても参考になりました。これから自分の診療所で実践にうつるわけですが、今回が入門編とするならばアドバンスコースがあればうれしいなと思いました。
▼TF時にはどうなるかと思いましたが、セット時には完璧でした。さすがです。この義歯製作法のすごさを実感しました。ぜひ自分でもシュトラックデンチャーをつくってみたいです。
▼すべての作業手順が考えぬかれており感動しました。真似していきたいと思います。
▼オリジナルとイボクラーデンチャーシステムのビデオを見て、更に改良を加え、IPSGの究極の総義歯システムに到達した流れが非常によく解りました。今回は顎堤の高さが左右ことなり、アーチもゆがんだ目の錯覚をおこしやすいマウントの難しいケースでしたが、フェィスボウで正中をとり、模型の基底面をカンペル平面にそろえることで感覚に左右されず咬合器に装着する大切さがよく解りました。
▼稲葉教授の講義は何回聞いても新しく学ぶことがあるところがすごいと思いました。
▼3日間で全ての治療過程を勉強することができました。有難うございます。実際の患者さんで結果をみることができ、感動しました。
▼今回もダイナミックな講演を有難うございました。新人もすでにやるき満々です。材料操作、医療技術、技工技術の融合は圧巻でした。
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IPSG研修ルームで初の開催、総義歯ライブ実習コース。
最後まであきらめない稲葉先生とそれをサポートする幹部の皆様、そしてとても真剣に受講してくださった先生方、そして患者様のご協力のおかげで無事、成功に終わりました。
魔法のように鮮やかにうまく実習よりも
会場の先生方には、より多く学ぶところが多かった
ライブだったと思います。
3日間、本当にありがとうございました!