『ドイツ最先端義歯とインプラントの融合』
前回の技工部門に引き続き、IPSGの発起人である渡部好造先生(医療法人渡部会 理事長 本研究会会員)にご講演いただきました。
『私の歩んで来たインプラント人生』〜症例を通じて学んだこと〜
1953年Branemark教授による骨結合osseointegrationの発見と、それに続く1965年の初めての臨床応用から、来年で50年になろうとしています。
この間、多くの臨床家により、インプラント治療が開始され、その効果は患者様のQOLの劇的な改善につながりました。
今回渡部先生は、長期に渡る症例にスポットを当てて報告・検討してくださいました☆
下顎無歯顎欠損症例では、その対応策としてオトガイ孔間に5~6本のインプラントを埋入し、Full Bridgeにすることで、20年30年と長期安定する設計が一般的に確立しているということです。
今回、24年前 渡部先生のお父様の症例をみせていただきました。
20年間食事に不自由することなく過ごされたそうです。
上顎に関しては、Sinus lift(membrane)techniqueやGBRまたあああは、頬骨インプラントを使用した症例等も多数報告されていますが、10年20年30年といった長期報告はあまり見当たりません。
渡部先生ご自身も、1996年より、Sinus lift opeや2002年より頬骨インプラント治療と早期より始めていらっしゃり、その症例などをみせていただきました。
やはり、長期症例には咬合が大切なこと。
咬合は、稲葉先生からすべて学んだというお話もしてくださいました。
それにしても、症例の中で全顎ゴールドブリッジがありましたが、びっくりしました(^_^;
Weber教授とは旧来より親交があり、昭和大学歯学部長であられる宮崎隆教授に、歯科材料やCAD/CAMなどの歯科理工学的見地から、最先端の技術をご講演いただきました。
『先端技術を応用した歯科医療装置の将来展望』
ということで、宮崎教授が長年取り組んでこられたワイヤ放電や液中放電処理によるチタンの表面改質について、そして先端技術を応用することにより、歯科用装置をインテリジェントな表面に改質できることを紹介してくださり、近未来に歯科医療装置の将来についてお話いただきました。
金およびパラジウムの価格変動により、コバルトクロム、チタンなど患者様にどのような材料を使えば良いのか。
軽くて強い、海水中でも錆びない(体の中でも錆びない)生体適合性のある金属である必要があります。
コバルトクロム合金やチタン合金が登場して、金合金と同等の適合性の回復のためには、精密鋳造では限界があり、『放電加工』や『レーザー溶接』が適用されたということで、宮崎教授の長年の研究について、様々な側面からお話をいただきました。
セラミックスやコンポジットレジンにおいても、新素材が開発され、CAD/CAMが利用されるようになりました。
光学印象を含めて、歯科用装置の作製行程はCAD/CAMの導入により大きく変貌しました。
セラミックス=陶材ではないこと、国際的には金属と同じく6段階に分かれていることなど、新しい話題が沢山あってとても刺激的でした♪
そして、コンポジットレジンへの可能性についてもびっくりするような内容でした。
ポーセレンは高級品、コンポジットは多少落ちるという考えが変わりそうです。
ファイバー強化レジンがこれからおもしろいそうです(^_^)
この度、宮崎先生がお話してくださった内容は、まさに、『先端技術を応用した歯科医療装置の将来展望』従来の精密鋳造から、新たな材料、金属の導入により製作方法が変貌していこうとしています。
本当に素晴らしいご講演をいただき、ありがとうございましたm(_ _)m
続いては、IPSG包括歯科医療研究会代表、稲葉繁の講演、そして特別記念講演、Prof.Dr.H.Weberの内容をお伝えします♪