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2013『咬合治療の臨床』開催されました☆【後半】
前半に引き続き、『咬合治療の臨床』後半をお伝えします☆♪
こちらは、稲葉先生がドイツ、チュービンゲン大学で客員教授を務めていた頃、ドイツの学生達に教えたスライドです。
咬合面をチュービンゲンの地図で表したものです。
当時の学生には大変喜ばれたとか・・・(笑)
咬合治療の大事なポイントについて
- 体の中心軸を常に考える咬合平面は中心軸と直行する平面
- 咬筋と直行する断面に咬合力が入る
- 頭の重さは8キログラムそれを支える頸椎の安定を作る事が重要
- 上顎運動と理解する
- 顎口腔系の力は3球の梃子
- 顎の形は5角形、将棋の駒と同じ(前歯が誘導すること)
- 咬合面は8つの要素で作られている
- 中心位と中心咬合位を確実に理解する
ところで・・・
上下の歯がどのように噛み合わさっているか、意識されていますでしょうか。
稲葉先生は、『高いところを削るのではなくて、高いところが通りやすいように溝を切る』と言います。
咬合紙を噛ませて、口を開いた瞬間、上下の歯がどのように噛み合わさっているのかわからなくなってしまったりしませんか?
なんとなく、色がついている所を、適当に削ってしまったりしてませんか?(-_-;)
高いところBコンタクトあたりをビュンと削ってしまうことは、咬合しなくなってしまうということですね。
この図をみて、覚えていただきたいのは、
『下顎は上顎同名歯の近心に噛みこむ』
です。
「当たり前だよね・・・」
という先生方のお声が聞こえてきそうですが、患者様の口が開いた状態だとそれすらも混乱してしまいます。
昨日の『咬合治療の臨床』の中で、稲葉先生は咬合はいくつかのルールを覚えておけばとても簡単だとお伝えしました。
『下顎は上顎同名歯の近心に噛みこむ。例外は下顎の6番頬側遠心咬頭は上顎の中心窩にはいる。』
『上顎の咬頭は下顎の遠心窩に噛みこむ。例外は上顎67の近心舌側咬頭は下顎の中心窩にはいる。上顎45はシャープなので遠心窩』
これだけ覚えておいてください。
と言うことでした。
これも・・・なかなか難しいです。
なので、
とりあえず、『下顎は上顎同名歯の近心に噛みこむ』 を覚えてから例外を覚えるようにするといいかもしれません(^_<)-☆
稲葉先生の咬合調整はとても繊細です。
予防は今、もう当たり前です。
どんなに予防が進んでいても、咬合問題は解決していません。
咬合診断こそ、歯科医師の得意技にしていただきたいと思います。
最後の質疑応答の時間も沢山のご質問をいただきました(^_<)-☆
そして、懇親会の模様です。
熱いディスカッションが飛び交い、とても楽しい懇親会となりました。
先生方からも感想をいただいたので、一部お伝えさせていただきます(^_<)-☆
*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:゜・:,。*:.。o○☆゜・:,。▼講義も常に進化しているのでついていくのに必死です。何度も受けてようやく少しずつ分かってきました。
▼何回か出席させてもらっていく中で最初は言葉もわからなかったものが、少し理解できるようになったことが継続して勉強することが大事だということが理解できた。
▼まだ勉強不足な部分も多く、全てを理解できたわけではありませんが、これから治療する時に本日聞いたことを意識して取り組みたいと思います。
▼3級の梃子や咬合面の出来てくる順など知らないことだったので勉強になりました。
▼非常に勉強になりました。理論的にもわかりやすかったです。実習に実際に参加させていただきたいと思いました。
▼昨日は、ありがとうございました。初めて参加させていただきましたが、みなさん、アットホームな雰囲気で、とても、良い感じで時間が過ぎて、とても、楽しかったです。
▼咬合面の形態をあれだけ具体的に説明を受けたのは初めてです。稲葉先生の知識の奥深さに感激いたしました。実習コース楽しみにしています。
*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:゜・:,。*:.。o○☆゜・:,。ご参加いただいた先生方、ありがとうございました☆
次回開催される
咬合診断アドバンス実習コースの詳細はこちらです(^_<)-☆
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投稿者 shige : 13:53 | コメント (0) | トラックバック
2013『咬合治療の臨床』開催されました☆【前半】
IPSG事務局、稲葉由里子です。
2013年9月8日、エクセレントデンティストコース 第1回
『咬合治療の臨床』が開催されたので、ご報告させていただきます!
全国から沢山の先生にご参加いただきました☆
今回は技工士の先生方にも多数ご参加いただき、一緒に楽しく学ぶことができ、大変充実したセミナーでした。
内容も盛りだくさんだったため、【前半】 【後半】に分けてお伝えしたいと思います。
最初に、これからどのような医療を私たちは目指したら良いのか・・・ということをお話させていただきました。
歯科医療は咬合が基本であり、長持ちのする良質な医療を行わないといけません。
残念ながら保険治療では良質な医療は行えないのはご存知の通りです。
私たちは金属屋ではありません。
自分の理想を追い続ける医療、自分の医療制度を作り出しましょう。
金銀パラジウム合金は代用合金、代用合金があるということは、本物があるということです。
自分の歯科医院には貴金属、GOLDしかない。
クラスプはない。
と決めるぐらいの気持ちで本物志向で医療を行ってほしいです。
と話がありました。
さて、
「中沢君、上顎6番と咬合面を構成する要素を書いてみて」
と、稲葉先生(^_^)
「え?」
突然びっくりした技工士の中沢君。
彼は先日(株)モリタ歯科技工フォーラム2013の中で、国内外で活躍できるような才能をもつ歯科技工士 ということで優秀賞を受賞した、若手のホープで、IPSGでお手伝いをしてくださっています。
稲葉先生は彼をとてもかわいがっています(^_^)
「え〜と、作る事はできるのだけど、書けと言われても・・・」
「こんな感じでしょうか・・・(^_^;」
「う〜ん。もう少し、意識して咬合面を作った方がいいね〜」
と稲葉先生。
咬合面ができる、発生順に覚えましょう。
まずは、4つの咬頭頂です。
そして、それを結ぶのが辺縁隆線。
中央隆線は咬頭頂を越えて伸びる隆線のことです。
上顎ではCコンタクト、下顎ではAコンタクトを作ります。
三角隆線とは、咬頭頂から三角に伸びる隆線。
三角隆線ができたことに伴い、発育溝が形成されます。
三角隆線と発育溝の間はV字状の溝です。
ちなみに、副隆線と、副溝の間はU字状の溝なんですよ。
そして、発育溝が複数でぶつかるところが窩ですね。
発生順に覚えるとわかりやすいです〜♪
エベリット・V・ペインのワックスアデットテクニックは歯が出来て来る順序にしたがって咬合面に形成する方法です。
即ち
- 咬頭頂
- 辺縁隆線
- 中央隆線
- 三角隆線
- 発育溝
- 副溝
- 副隆線
- 窩
の8要素を発育順序に従ってワックスアップして行く方法です。
これをカリフォルニアのハリウッドで開業していたピーター・K・トーマスが世界に広めたテクニックです。
稲葉先生も2度ほど、ピーター・K・トーマスから実習を受けました。
そして、クロージャーストッパー、そしてイコライザーについても、中沢君に質問。
う〜ん。
なかなか答えるのは難しいですね(-_-)
▼クロジャーストッパー
上下の歯を接触させると辺縁同士の接触に2箇所の接触が出来ます。
たとえば2つの輪ゴムを少しずらして重ねると、2箇所の交点が生まれます。
これと同じことが上下の歯の辺縁隆盛同士に生まれます。
これは中心咬合位を作る接触であり、下顎が頭蓋に最も近づいて、咬頭と窩、隆線と溝が最大面積で接触する位置を取ります。
そのような意味を持つのがクロジャーストッパーという事になります。
咬合面は一つ一つに大切な意味を持っているのです。
そして、
▼イコライザー
臼歯の接触状態を前頭断で見ると、いわゆるABCコンタクトが有ります。
ABCコンタクトは歯を安定させる為に必要な接触状態を作ります。
この時Bコンタクトが最も大切な接触です。
もしBコンタクトが無ければ歯は頬舌側方向に移動してしまいます。
Bコンタクトをイコライザーと呼び歯の移動を防止する接触を作ります。
上顎の舌側内斜面と下顎の頬側内斜面の接触は無くてはならない接触ですね。
Bコンタクトをつけることで、歯軸に力を入れることができます。
これは、とても大切なことです。
同様に近遠心方向からみた時にも安定をしなければなりません。同じ方向の斜面同士の接触では歯は移動してしまいますので、逆の方向の斜面の接触を作ります。
即ち移動する力を打ち消すコンタクトをイコライザーと呼びます。
なるほど・・・
今回、技工士の中沢君のおかげで、沢山勉強することができました。
ありがとうございました!
前半だけで、盛りだくさんな内容でしたね(^_<)-☆
続きは後半でお伝えいたします!