IPSG包括歯科医療研究会発信|顎関節症、テレスコープシステムの専門家が歯科医療の現場と実際を綴るブログ:ドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープをはじめて日本に紹介した稲葉歯科医院がお届けする、使用感・審美性ともに優れた本当の入れ歯とは?そして歯の治療にまつわるあれこれなど。

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2010年09月22日

装着後のトラブルとその対応その3~義歯に問題が生じた時~

Q.保険の義歯では、人工歯がとれてしまったりということがよくありますが、テレスコープの人工歯でそのようなトラブルを防ぐためにはどうしたらいいでしょうか?

 

A.テレスコープデンチャーは、その構造上、内外冠、連結部、床、人工歯により構成されており、通常これをレジンにて一体化し、完成します。

コーヌスクローネの場合、外冠のわずかな浮き上がりも、内冠との間の維持力の喪失につながることは明白です。したがって、床の重合に際しては、従来からのフラスコによる加熱重合法は適しません。

それは、床の部分でフラスコを上下に分離してレジンを填入するため、床の浮き上がりが生じ、その結果、内冠と外冠に間隙が生じて維持力が発揮できないためです。

これらを防止するためには、流し込みレジンをしようするか、もしくはイボカップシステムのような射出型重合法を用いることを推奨します。その際、人工歯の粘膜を一層削除し、粗面にしておくか、あるいは維持溝を形成し、機会的に結合し、強度を増して人工歯の脱落を防止します。

 

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外冠、床、人工歯は流し込みレジンで一体化します。

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人工歯の内面を粗くし、維持溝を付与します。

 

以前はテレスコープの咬合面は金属にすることが多かったのですが、最近ではコンポジットレジンの硬質な人工歯があるため、咬合面も白くすることが可能になり、審美的にも優れています。

投稿者 shige : 10:58 | コメント (0) | トラックバック

2010年09月21日

装着後のトラブルとその対応その2~義歯に問題が生じた時~

A.テレスコープ義歯を装着後、連結部から破折してしまいました。レジンで修理しても同じところから毎回破折してしまいます。どうしたらいいでしょうか?

Q.テレスコープ外冠と床の連結部の破損について。

連結部の構造で、外冠と金属床を鑞付する場合は、その部から破折することがあるため、十分な強化を図ることが大切です。

外冠から脚を延長した場合は、床との連結をレジンで行うが、このとき脚の上に床のスケルトンを乗せるようにしなければいけません。

 

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その理由は、咬合力を粘膜面に直接伝達させるよりも、外冠の脚部を介して伝達させたほうが強度が増すこと、修理の必要性を生じた場合、粘膜面の脚部のレジンを削ることにより外冠との分離が簡単にできることによります。

 

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スケルトンを乗せることにより、咬合力は脚に伝達します。

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外冠の連結とともにリンガルバーを応用することにより、連結部への応力集中を防止し強度を高めます。

最近では、連結部専用のアタッチメントも数種類のものが市販されているので、この使用も良い結果を生みます。

 

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このくらいしっかりと鑞付だけに頼らずに強化しておくと、破折の可能性は格段に下がります。

やはり、レジンによる接着だけでは、難しいと言えるでしょう。

投稿者 shige : 16:30 | コメント (0) | トラックバック

2010年09月17日

装着後のトラブルとその対応~義歯に問題が生じた時~

コーヌステレスコープのように強固に一体化している補綴物では、独特なトラブルが生じることがあります。

ドクターからの質問に稲葉繁先生がお答えします。

Q.上顎の右側3番から左側4番、左側7番を利用したコーヌステレスコープを作りましたが、しばらくすると床がわれてきてしまいました。何か原因があるのでしょうか?口蓋は床で覆ってしっかり安全な形にしたはずなのですが・・・・

A.テレスコープデンチャーの場合、支台歯は数歯のコーヌステレスコープにより支持されているため、緩衝作用はほとんどなく、咬合力は直接、義歯床に伝達されます。このため、構造的に弱い部分に応力が集中し、破折をきたす場合があります

義歯の設計に際し、クラスプデンチャーとは異なった静力学的設計を行う必要があります。

クラスプの場合、維持歯とクラスプは強固に固定されることはなく、わずかな動きがあるのが普通です。しかしテレスコープデンチャーの場合は、テレスコープ内冠を外冠が取り囲み、歯軸の方向に強固に固定され、わずかな動きもみせません。

したがって、咬合力はそのまま歯軸の方向に伝達し、顎骨に分配されています。しかし遊離端を含む義歯においては、粘膜の沈下量と歯根膜の許容量に差があるため、義歯部に応用を生じ、繰り返し荷重により義歯床の破折にいたります。破折線は、図のように義歯の回転軸の方向と一致するのが一般的です。

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破折を防止するためには、金属床を用いるほうがよいと思われるが、金属床といえども繰り返しの咀嚼による負荷により破折することもあるため、予想される破折方向に対し、加強しておかなければいけません。パラタルバーを用いる時は、はり構造を採用すると強化できます。

金属床を用いる場合、歯肉部にレジンを用いるため、金属部との境界に応力が集中し、破折を招く場合があります。その防止のためには、維持格子はスケルトン部に十分なレジンの厚みを確保するとともに、できれば金属部にリテンションビーズを使うか、金属との接着剤の使用を推奨します。

 

 

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幅の狭いバーは、はり構造によって強度を高めることができます。

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完成したトーションバーを応用したテレスコープデンチャー。このバーにより反対方向への力を少なくします。

今回のご質問のケースでは、床で覆わずに、トーションバーで対応し、さらにはり構造で強化をすると、破折を防ぐことができ、また、患者さんにも喜ばれると思いますので、試してみてください。

投稿者 shige : 14:52 | コメント (0) | トラックバック

2010年09月15日

入れ歯小冊子

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患者さん向けに書いたこの小冊子、歯科医の先生方からもうれしい反響をいただいております。

先日、稲葉繁先生のIPSGスタディーグループで開催された、総入れ歯の実習セミナーで先生方にお配りしたところ、「わかりやすい!」 と皆さんおっしゃってくださいました。

私は、できるだけたくさんの患者さん、そして歯科関係の方々に稲葉先生のテレスコープシステムを知っていただきたいと思っています。

日本では、コーヌスクローネだけがテレスコープだと思われていますが、実はドイツではたくさんのテレスコープシステムがあるのを、ご存じない方がほとんどです。

この小冊子を読んでいただき、皆さんが関心をもっていただければ、新しい入れ歯の技術として広まるのでは・・・と期待しています☆

ご興味のある方はぜひコチラのホームページからお申込みください。

http://www.ireba-inaba.jp/

(おひとり様1冊とさせていただきます。)

小冊子を読んでいただいた、町田市で開業されているM.M先生からこんなうれしいメールをいただきました。

 ↓  ↓  ↓

  IPSGでテレスコープと総義歯の講習を受講した後に、「これをうまく患者さんに伝える方法は無いかな?」と思っていたところ、
由里子先生が「こんな冊子を作ったので、皆さん読んで下さい」と頂いたのが、
ピンクの表紙のかわいらしい「入れ歯で快適な生活を送るために」でした。

入れ歯に興味がある患者さんの為に、事前資料として待合室にその冊子を置く事にしました。
その日は患者Yさんに、抜歯の説明とその後の入れ歯について説明をしなければならない日でした。
来院されたYさんの目に、ピンクの小冊子が目に留まりました。早速中を覗いています。その目は真剣です。

少し冊子に目を通す時間を置いてから、診療室にお呼びしました。
それまでもYさんには、稲葉歯科医院の「入れ歯のHP」を参考にさせていただいて、ノートパソコンでお見せして入れ歯の説明をしたり、紙にペンで図を書いて説明していました。

ある程度はYさんも理解が出来たようでしたが、やはり落ち着いて考える時間が必要な様子でした。
1つは費用のこと、もう1つは年齢のこと(80以上の御高齢)。
私は、抜歯の日程と、入れ歯の種類、それぞれの細かな金額と利点・欠点を説明し、紙に書いてお渡ししました。
説明と処置を終え待合室に戻るとYさんは、また真剣に冊子に目を通しておいででした。

お会計の際に私は資料になればと思い、
「Yさん、その冊子お貸ししますから、御家でゆっくり目を通されて検討なさってください。」
と言うと、
「宜しいんですか?では是非お借りしていきます。」
と言って嬉しそうにお帰りになりました。


2週間後Yさんが来院し、
「先生、この御本有難うございました。大変良く分かりましたし為になりました。私の入れ歯も、先生が仰った様にこの入れ歯でお願いします。」
と笑顔でお話してくださいました。
この事からも、改めて紙媒体による資料は大切だと思いました。
そして、世代ごとに説明の方法は変えないと、受け入れてもらい難いとも感じました。

由里子先生、素敵な小冊子を有難うございました。

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 とってもうれしいです。M.M先生、こちらこそありがとうございました!

投稿者 shige : 11:00 | コメント (0) | トラックバック

2010年09月06日

鷲沢直也先生セミナー開催されました。

「歯科医院におけるITへの取り組み」

IPSG、IT顧問の鷲沢直也先生のセミナーが開催されました。 

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2010年、9月5日暑さ厳しい中、14名の先生に参加していただきました。

鷲沢先生のすばらしいところは、ITに詳しいだけではないところだと思います。

セミナーで、受講生の気持ちをつかむのがとても上手で、ところどころ笑いもとります。

そして、先生方の中には、今までの作りっぱなしにしていたホームページは一体何だったのだろうと、目が覚めたようでした。 まだホームページを持っていない先生は、今回のセミナーを聞いてチャンスだと思ったのではないかと思います。


2000年~2003年を境にインターネット革命があり、時代は大きく変化しました。

ホームページの成功事例を見ながらの説明はとっても参考になりました。
事例をみながら、「学んでほしいポイント」を 提示して、それをそれぞれの医院業務に落とし込む場合の考え方や具体的な手順などを教えてくださいました。
 
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例えば・・・・
 
歯科医院のホームページ、院内紹介などで紹介されるページの写真は誰もいないユニットなどが多いです。
成功しているホームページは、人がいる写真、人と接している写真を大切にしています。
 
活気を感じるのですね。
実際見比べると、誰もいないユニットはとても味気なく感じました。

スタッフの募集ページ一つにしても、どうやって書いたらいいのかということを詳しく解説。医療全般、患者さん心理まで教えてもらえることはなかなかありません。歯科医であり、ご自身開業されている鷲沢先生だからお話できるのだと思いました。

そして、ホームページによって診療圏は倍増するといいます。
歯科医院の周りだけを対象にしていると

「うちの周りには自費治療をする人なんていないから・・・・」

となりますが、ホームページを使うことで、その診療圏が全国になるということなど、ホームページの活用法についてお話しいただきました。
 
鷲沢先生は、ホームページが患者さん説明資料として、また定期検診の案内などに使える方法 など、たくさんのノウハウを惜しみなくお話してくださいました。
 
セミナーが終わっても、先生方はすぐに帰らないでしばらく鷲沢先生とお話をしたり、意見交換をしました。
その後いつの間にかビールがでてきて更に話が弾み、その後2次会へと続いたようです☆
 
参加いただいた先生方、一日ご苦労様でした。
そして、鷲沢先生ありがとうございました。

投稿者 shige : 11:06 | コメント (0) | トラックバック

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