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「IPSG.Jr.の会」開催されました。
2010年8月29日、IPSG.Jr.の会が開催されました。
今回は、はじめての試みでUstreamでインターネットから動画配信をしました☆
http://www.ustream.tv/channel/ipsg-jr-meeting←ココぽちっと押してくださいね。
twitterでも解説しながら私も楽しく参加させていただきました。
うまくできるかどうかわからなかったので、あまり告知していなかったのですが合計視聴者数は180名。びっくりしました!
IPSG.Jr.の会は、若い先生のミニ学術発表会で、気軽に参加できて意見交換ができる場です。
今回とてもたくさんの方から申し込みがありました。
ありがとうございます☆♪
この写真は稲葉歯科医院、山吹町に勤務している関根先生です。
大石名誉会長の特別講演です。独自のブラッシング方法についてわかりやすく動画で説明してくださいました。
開業5年目の岩田光司先生。全顎の症例など4症例を発表されて、完璧な治療ですばらしかったです☆
この会の発起人である大石暢彦先生、やっぱりみんなをひっぱっていくパワーが違いました!
稲葉智弘先生の発表もとってもすばらしい症例でした。
入れ歯とは絶対よべないような美しさのリーゲルテレスコープの全顎症例、フランス人に片側リーゲルを治療した症例など、聞いていたら、写真とるのを忘れてしまいました・・・・
最後にオーストリア、ウィーン大学に7年間留学していた田嶋健先生です。スラビチェック教授の右腕として活躍されていました。ヨーロッパの歯科事情についてのお話とても楽しく聞かせていただきました。
スラビチェック教授は歯科界だけでなく国民的ヒーローだそうです。びっくりしますね。国営放送よく取材にくるそうです。日本の歯科大学教授が国民的ヒーローになるなんて聞いたことないです。
ワインがお好きだそうで、ご自身のワイナリーがあるそうです。
美味しそうなワインが写真にあったのですが、よく見ると、ラベルはスラビチェック教授のドアップ(汗)
規模が違いますね・・・・
その後、そのまま研修会場がパーティー会場に早変わり。
とっても楽しい懇親会が開かれました。
田嶋先生、伊庭先生、岩田先生の同級生3人組の久々の写真です☆
Ustreamを視聴してくださった会員の先生からもこんなコメントが!
長時間配信おつかれさまでした。
演者の熱気も十分伝わってまいりました。
時折、教授が映ったりして場を引き締め更にお子様の登場があったりして
投稿者 shige : 10:33 | コメント (0) | トラックバック
ヨーロッパの歯科事情
日本歯科新聞に掲載された記事をご紹介します。 20年以上前の新聞ですが、「高齢化先進国」についてかなり詳しく書いてあります。
今まさに日本が直面している高齢者社会を予測していた内容で、非常に興味深い内容です。
ぜひ、読んでみてください☆
我が国で初めて「高齢者歯科」を設けた日本歯科大学前教授がドイツ、イギリス、スイスなどヨーロッパの歯科事情を視察し、我が国の歯科医療の現状を踏まえて所感を語りました。
根本的に違う老人対策
日本で初めて高齢者歯科の診療科目ができ、わたしの専門は、この高齢者歯科となったが、これから日本は高齢者がどんどん増えてくる状態なのに、医療面では手探りの状況下にある。
そこで、高齢化社会の先輩であるヨーロッパを今回、視察してきた。ヨーロッパは長い歴史をかけて、高齢者が増えてきた。
フランスは全人口の7%が65歳以上となってから14%になるまで125年かかったといわれている。
一方ドイツでは50年ほどである。日本ではわずか26年である。このため、これから高齢者にどう対応するか手探りの状態だ。そこで、ヨーロッパでは、学生教育がどうなっているのか。あるいは在宅診療がどうなっているのか調べたいと思ってきたわけである。
わたしは、イギリス、ドイツ、スイスの3カ国を回りもう一人鈴木正直講師がフィンランドへ行った。
人口6千万人の小さな国であるが、高福祉が進んでいる。
日本はどちらかというと、社会の構成が団体的だ。フィンランドは個人単位である。このため日本としてもかなり参考にすべき点もあると視察することになった。アンケートもとってきた。まだその結果はでていない。
ヨーロッパには、高齢者のための国際的な学会がある。そこで、高齢者を専門にやっている先生に会って話を聞いてきた。また老人の施設も見てきた。
日本とヨーロッパでは根本的に違うことを、今回、改めて認識した。日本の場合、医療や技術、ハード面の器械類はとても進んでいると思う。世界的にもトップレベルにあるといえる。そこで、ハード面施設面ではそれなりに医療を行ってきている。
しかし、老人の治療はそれだけではダメで、つまり、病院を作るにしてもその周辺の施設がどうであるかが問われる。病院では、1日45分のリハビリしか、健康保険で許されていない。
寝た切り老人の原因となる大きな問題は、脳血管障害である。ヨーロッパでは一番の原因は骨折だ。大事なことは脳血管障害となったらそのあとのケアーをできるだけ早くし、寝たきりにさせないことである。
リハビリをして、体を動かして治療をするわけあるがそれを日本では、病院の中だけでやろうとする。一方、患者の生活の場はベットの上だけだ。どうしてもベットの上に寝てしまう。食事もベットの上だけだ。本来なら食堂があればよいが、それがない状況だ。
ベットの範囲しか生活の場がない。当然寝たきりになりがちだ。介護されると気持ちの上でも楽になってしまう。ヨーロッパでは寝たきりにはさせておかない。無理して起こしてしまう。
そして、ベット以外の老人たちの談話室や外に散歩する道もたくさんある。その中で、自分に課せられた運動を一生懸命やっている。できるだけベットにいる時間を少なくするようにしている。このため寝たきり老人はほとんどいないわけである。
高福祉化で医療が低迷
ドイツでは、高齢化歯科は併設されていない。しかし、軍隊があるので、訪問診療、出張診療には慣れている。ハンディーな治療器具も整っている。また日本と違ってホームドクターという制度があるため、診療所を患者さんが渡り歩くということもしない。
そこでホームドクターの役割は、一生その患者さんの面倒をみることになる。日本は、その患者さんが寝たきりになったらどの医師が診るのか決まらない。ホームドクター制度がないので、かかりつけの医師がいても、なかなかいない。
日本は近いとタクシー代が出るが、ドイツは反対に40キロ超えるとタクシー代がでる。ホームドクターが近くにいるから40キロ以上の特殊なケースしかタクシー代がでないのだ。
また日本では予防に保険の報酬が払われない。スイスの場合は。予防にしか保険が支払われない。補綴はすべて自費だ。
日本のように薄く、広くバラまくという考えはよくないと思う。特に、その点イギリスは悪かった。ナショナルヘルスサービスで揺り籠から墓場までという高福祉を行った。
あれは、歯科医にとっても評判がよくなく、患者さんにとっても好ましくなかった。財源がなくなったために、歯科は25%給付で、75%が自己負担だ。
日本は評価が低く、すべて保険なので、がんじがらめである。しかし、イギリスを見てきて、日本は良い国だと思えるようになった。つまり、日本ではまだ、患者さんに現時点で最高の治療をやろうと思えば、できる余地がある。つまり、保険がきかなければききませんよ、という余地がある。医療とは、現時点で最高の治療をやるべきだ。
保険だけというのは、技術の出し惜しみである。やってあげたくてもやってあげられないのが保険診療でのジレンマだ。イギリスでは高福祉で広くバラまいたためできない。患者さんが、健康に対する価値観さえ持てば、やれる余地が日本にはまだある。
日本は民間保険を国が認めている。歯科医にとって光が見えてきたと評価したい。民間保険を必要としないというケースでは、歯科医と患者さんとの信頼関係で行う。
予防で実績高いスイス
スイスは予防に熱心で、子供から徹底的に努めておりむし歯は10年前の75%減少した。賛否両論があると思うが、これはフッ素によるものだ。まずフッ素を食卓塩に入れたそうだ。また、フッ素の錠剤を食後に噛ませた。
だから、もしむし歯になったら自費で直しなさいという考え方だ。国が予防の方向に力を入れ実績をあげたのだからあとは自分たちでやりなさいというのがスイスである。
つまり、イギリスとスイスは正反対であった。ナショナルヘルスサービスの財源はいわゆる17%の付加価値税からきているのだ。
いずれにしても、イギリスは低迷しており、スイスのような予防を主眼としたヘルスサービスにもっちきたいとの考え方もあり、多様化しつつある。
一方西ドイツでは、国際デンタルショーに参加したが、実に立派な内容であると思った。10ホールあり1回ではとても回り切れなかった。あれだけの規模のものを見ると歯科医療はまだまだ広がりを持つものだと、強く感じた。診療部門より技工部門がかなり注目されていた。
器材の流れは注目されたがドイツでは、技工部門の引き締め行われていた。全顎のゴールドブリッジが保険でカバーされていたが、テレスコープなどは1顎4本までがゴールドでできる、というようになった。
そして、その5割を患者が払うことになった。日本はまだ、そこまでもいっていない。ドイツは技術評価がとても高い。このため、歯科医も技工士もやりがいがとてもある。
日本は総義歯が13000円程度だ。ドイツとは比較にならない。日本は保険が質より量となっている。
高質の医療を追及する
日本の場合、一番問題となるのは、6か月ごとに義歯を新たに入れることができる制度となっている。
このために、生涯に多くの義歯を作り変えることになってしまう。患者さんもだから多少合わなくてもいいんだ、という考え方をしてしまう。これは恐ろしいことだ。
これよりも、たった1個の義歯でも、それがすごく長持ちをして、口の中で具合よく機能している質の高い補綴物の方がずっとよい。
ドイツ人のそのような考えによって生まれたのがテレスコープシステムだ。
安易な治療をバラまくのではなくよい治療を行うべきだ。国民の医療費が国によって決められている以上、保険医が増加をしつづけ、それを分配しているより、全然、決まっていない医療費(自費)を、よい治療をやって、患者さんに感謝されて、報酬を受けた方が望ましい。
投稿者 shige : 12:32 | コメント (0) | トラックバック
1.序にかえて
稲葉繁先生が日本歯科医師会、医療管理委員会の委員長を務めていた時にまとめた報告書の内容です。
(平成12年3月)
この報告書の内容を今現在読み直すと、大変興味深くこれからの歯科医療のあり方が詳しく書かれていて大変参考になるため、先生方にご紹介していきたいと思います。
「いま、歯科医師は何をすべきか問われている時代に、国民の信頼を得る絶好の時が到来したと考えるべきであろう。」(本文より)
1.【序にかえて】
日本の歯科医療は患者様が何らかの自覚症状を訴えて来院し、初めて治療が行われるという治療優先の医療である。
しかし、現在の歯科医学は病気の発症の有無や、将来予測の可能性、リスクファクターの判定などができ、また、不幸にして疾病に罹患した場合には、様々な方法での対応が可能であり、患者様に最も適した治療法を選択することができる時代を迎えた。
そのためには我々がもっている専門知識を十分話し、患者様の健康を守るために最善の方法をよく説明する義務がある。
人生80年を時代に直せば70万800時間であり、毎日確実に24時間ずつ減っている。30歳の人ではすでに26万2800時間、50歳では43万8000時間経過したわけである。
人間は人生の幕切れを迎えるまで、生きがいのある人生を過ごすことができれば幸せである。歯科医師としてやりがいのある仕事を行い社会に貢献しようえはないか。
「空虚な目標であれ、目標を目指して努力する過程にしか、人間の幸福は存在しない。」
これは三島由紀夫の言葉であるが、「夢」を実現する目標のイメージをもっていなければ、決して夢は相手から近づいてこない。しかし、そのような気持ももたずに、ただ漫然と受け身になり、相手から与えられるものだけを受けていたならば、こんなにつまらない人生はないであろう。
このようなあきらめの気持ちは、生きがいのある人生には最も敵となるものである。
ただ、「昔は良かった」と振り返ってばかりいたならば、その瞬間に死んだも同然であろう。目標のない人生ほどつまらない人生はない。
目標の設定は、とりあえずやらなければならない目先の目標、3年あるいは5年の時間的余裕のある近未来目標をもち、自分の夢を実現するための将来目標を作り、それに向かって突き進むのが理想である。
我々の目標は、患者様に健康になっていただくことである。
そのためには我々が健康でなければならない。健康であるということは何物にも変え難いものであり、病気になることは自分自身もさることながら、家庭的にも社会的にも全ての面からマイナスになることである。マイナスになることに大きなお金が払われてはならない。
ここに予防の大切さが存在するのであり、小児期に歯科疾患を予防することにより、成人期以後の病気を予防することが可能になり、医療費の節減につながることが明らかになってきている。
そのため、これからの国民医療費を考えた場合、コスト・ベネフィットを挙げる最善の方法は、口腔内の健康を最優先して、全身の病気を予防することである。
いま、歯科医師は何をすべきかが問われている時代に、国民の信頼を得る絶好の時が到来したと考えるべきであろう。
投稿者 shige : 12:04 | コメント (0) | トラックバック
日本老年医学会、名誉会員授与
平成22年6月25日に稲葉繁先生が、日本老年医学会、名誉会員証を授与いたしました。
稲葉先生は日本老年医学会の理事を25年勤め、その間の4年間理事長として尽力してまいりました。
2000人の会員の中でもこの名誉会員証をいただいている方は10名ほどしかいない、まさに名誉ある証です。
「今後も日本老年医学会の向上発展のために精一杯努めてまいりたいと思います。」(稲葉繁)