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予防補綴のすすめ

はじめに

2004年に日本歯科評論から出版された日本歯科大学前教授、IPSG代表の稲葉繁編著、

「予防補綴のすすめ」

「はじめに」 のところで、こんなことが書かれていました。

ちょうど第28回アテネオリンピックが開催された年でした。

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オリンピックの報道の中で 仕事柄、どうしても各国選手の歯並びが気になりました。さしあたりアメリカの選手はどの選手をみても口元が綺麗であり、歯並びに関してメダルを差し上げるならば金メダルでしょう。

それに引きかえ、日本の選手は歯並びの悪い選手が目立つと感じたのは私だけではないと思います。

経済大国とはいうものの、国の医療政策か、個人の価値観かどうかわかりませんが、歯に対する価値観が各国で異なっていたのを興味深く感じました。

日本を除く各国の選手は歯並びがきれいであったのは動かしがたい事実です。

最近の歯に対するテレビコマーシャルは大変教育的です。歯の病気の予防を訴え、むし歯の原因をわかりやすく解説したり、外国の教授が講義風に歯周病を説明したり、フィンランドの子供たちの虫歯罹患率が低いのはなぜかなど、歯科と関係のない人々にも理解しやすいように、大変効果的に行っています。

キシリトールの国民認知率は90%を超えていると言います。

まさにう蝕予防は民間から始まり、国民の多くが虫歯は予防できることを認知しています。

あまりにも保険点数ばかりを気にしすぎて国民を置き去りにしているのではないでしょうか?

現在のように歯科医療の中で予防が進まず、う蝕を削りまくっているならば国民からの信頼が薄れるのは間違いありません。その結果、国際的な場でも、日本の歯科医療政策の遅れという面で、大きく恥をかいてしまうことになってしまいます。

歯科医療は国民の健康を守ることが優先されなければならず、それには歯科医師も国民も満足できる医療を提供することが大切です。すでに医療は「サービス」であることがはっきりと打ち出されています。

これは国民の意識の変化や医療環境の変化から打ち出されたものです。

 

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