IPSG包括歯科医療研究会発信|顎関節症、テレスコープシステムの専門家が歯科医療の現場と実際を綴るブログ:ドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープをはじめて日本に紹介した稲葉歯科医院がお届けする、使用感・審美性ともに優れた本当の入れ歯とは?そして歯の治療にまつわるあれこれなど。

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歯科材料の問題点

歯科材料の問題点

自分の歯を少しでも多く維持していくことが重要なのはいうまでもありません。

残念ながら一本でも失った場合は、適切な治療、義歯の作成によって残りの歯を守っていくのがさらに大切になります。

最近の歯科材料の進歩により、むし歯の治療法や材質は以前に比べてとてもよくなっています。

むし歯になった歯を自然な外観に修復する場合の治療について考えてみましょう。

まず、患部を削り、歯のまわりに保険のきく硬質レジン(合成樹脂の一種)で人工歯をかぶせるとします。

すると、二~三年たつうちに変色しはじめ、本来の自分の歯と人工歯の区別がつくようになってしまいます。

硬質レジンは水分や熱に弱く、口の中に入った食べ物の刺激で膨張、収縮をくりかえし、そのすき間に色素の沈着がおこります。

これに対してセラミックは熱や酸、アルカリに強い性質があるので、耐久性にすぐれています。

私も実際、セラミックを作る実習に参加したことがありますが、一本作るのに(講義もありましたが)朝から終電までかかりました。

慣れていないということもありましたが、ある程度、歯の形状や色も把握してるはずなのに・・・・こんなに奥が深いんだ・・・・と感じた一日でした。

色も25色ぐらい使って、周波状という天然歯にはある細かい線をいれたり、プロの技工士がつくると一見本物の歯です。

セラミックにも2種類の方法があります。

ひとつは白金加金(ゴールド)にセラミックを焼きつける方法で、もうひとつはジルコニアという天然石を使った方法でヨーロッパ、アメリカでは主流になっていますが、日本では最近認可され入ってきた方法です。

違いはジルコニアは金属を使わないため、透明感がだせるということです。

 どちらも生体に安全な材料を使用するため安心してお口の中に使えます。

セラミックは保険がきかないので自費診療になりますが美しさと機能は保険の硬質レジンよりもはるかに勝まさっていると思います。

部分入れ歯をいれる場合

歯を失ったら義歯で補う必要があります。

自分の歯ほどの機能は望めないとはいえ、一本の喪失は、ほかの健康な歯にも悪循環を与えますから、適切に処置する必要があります。

抜けた歯が数本以上で、まだ残っている歯がある場合、取り外しのできる部分入れ歯をいれるのが、一般的です。

具体的には、自分の歯にばね(クラスプ)をかけて、義歯を固定させる方法をとります。

この方法は保険が適用されますが、できるだけ健康な歯を残すという意味では問題があります。

というのは、この部分入れ歯で物を噛むと、入れ歯が下がり、その力がばねを問うして歯にかかります。

歯の動きに合わせて歯を揺らしてしまうことになり、健康な歯をグラグラにしてしまう危険性があるからです。

すでにドイツでは、ばねのかかる方法は歯科大学の授業にもでてこないほど、旧式なものとされています。

自費診療によるリーゲルテレスコープ

一方、残っている健康な歯を痛めないで、長期間グラグラしない部分入れ歯もあります。

これをリーゲルテレスコープといいます。

リーゲルテレスコープのことについては以前くわしく書いてあるので、上のところをクリックしてみてください!

稲葉歯科医院の金属はすべてスイスのMetalor社のものを使っています。

リーゲルテレスコープはMetalor社のオロフロイド3という非常に精度が高く、生体に安全な金属を使用しています。

 

2010年02月03日 | コメント (0) | トラックバック (0)

当院の総入れ歯について

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稲葉歯科医院の総入れ歯は、『上下顎同時印象法』という治療方法で良好な結果を得ていますが、この治療方法は父の稲葉繁が開発し、全国の先生方に広めている方法です。歯科医師向けの本や雑誌は何冊もでているのですが、患者さん向けの文章がほとんどないので、今回から数回にわたり、総入れ歯について私がなるべくわかりやすい文章にして、みなさんにお伝えしたいと思います。

まず一回目は現在一般的に治療されている入れ歯の製作方法と上下顎同時印象との違いについて書きたいと思います。

江戸時代の人がぴったり合う入れ歯を使ってた!?

世界最古の木床入れ歯が日本の江戸時代の埋葬頭がい骨から発見されました!とてもよく使われていたようで、歯が天然の歯のようにすりへっているのです。よほど合っている入れ歯でないとこのようなすりへりはないことから、本当にびっくりしてしまいます。当時の入れ歯の製作方法を調べてみると、とてもよくできていて、仏教芸術の伝統を受け継いでいることがわかります。その製作方は、なんと、みつろうを使った型とりを上下一緒に行っていたのです。みつろうを温め、そのかたまりを患者さんの口の中に入れてかみ合わせの高さまで記録します。そのみつろうを口の中から取り出して上下二つに分けるのです。江戸時代にこのような素晴らしい方法で製作していたなんて感心してしまいます。

舌の役割、総入れ歯でも同じ動き、機能を果たします。

わたしたちが生きていくための栄養摂取の第1段階として食事をするためのお口の中の機能はとても重要です。歯があるときの舌の使い方、発音の仕方などは、歯がない総入れ歯の場合も同じ使い方をします。まず、嚥下(食事をする)時、最初に舌を上あごに押しつけ、その後徐々に後ろのほうに移動して食物を飲みこみます。このような舌の行動は、入れ歯をはずしてしまいやすくなります。その際、入れ歯をはずれにくくするには舌が後ろに移動していく時にさわるあたりを安定させることが大切です。また、発音に関しても舌はとても関係が深いです。

入れ歯が安定し、しっかりと吸着するには「天然の歯があったころと同じ場所に人工の歯を入れることが最も良いとされています。

歯があるときの状態は、外側からは頬の筋肉の圧力、内側からは舌の圧力によりバランスが保たれています。たとえ、歯を失ってもこの状態は変わらず、外側からは頬の筋肉、前方からは唇が内側に押しているのですが、舌は外側への支えを失い、歯があった時と比較すると舌は大きく広がり、歯の入るスペースがないように見えます。そのため、歯のない状態の型取りは非常に困難なように見えます。

「上下顎同時印象法による総入れ歯の製作法」は、この困難な型取りを患者さん自身に再現していただく方法です。

先生が想像して型をとるよりも、患者さんの以前あった筋肉の状態を上手に誘導してあげることで、患者さんが再現できることが理想的です。私たちが食事をするとき、お口の中の筋肉がどのように働いているか、ちょっと想像してみてください。そうです、つばを飲み込むとわかりやすいと思います。唇、舌が強い力で歯を押し付ける感じになり、口の中は圧力がかかります。これは入れ歯に対しても同じため、食事をするときと同じ筋肉の状態を 再現できるのがいいですよね。食事をした時と同じ、つばを飲み込む状態なんて普通、どうやって型取りをするのだろう・・・・って思いますが、「上下顎同時印象法」では型とりの最中に、つばを飲んでもらいます。これは、上下別々で型取りをしていた従来の方法では、絶対できなかったことです。もちろんこの最終的な型取りをする前の準備があります。あらかじめ、入れ歯の高さ、正中があっているかどうか、左右が対称であるかどうか確認して、専用のトレーを作成しておきます。

従来の入れ歯の形は入れ歯を下顎の舌の後ろ側に長くのばしていました。長くのばしておくと安定がいいからです。でも、欠点があります。舌が動いていないときは入れ歯がはずれないのですが、舌が少しでも動き始めると入れ歯がはずれてしまうのです。これでは、安心して舌を動かせません。それに対して「上下顎同時印象法」による新しい入れ歯の形は舌の前方あたりのやわらかいところ(サブリンガルルーム)を利用して、舌が自由に動けるようにしました。歯が抜けると、骨が薄くなります。そこをおぎなうのが床(ピンク色のプラスチック)ですが、この床の面積を大きくするほど、入れ歯もよく吸着します。頬の筋肉の力のサポート、唇のサポートそして舌のサポートにより、入れ歯は吸着し、そのバランスが保たれているところに人工歯を並べると、とてもよい入れ歯ができあがります。このバランスが合っていないと、笑った時に、下の歯しか見えなかったり、かみ合わせが低くて顔がつぶれたように見えたりします。

笑った時に見えるのは、「歯 」だけ見えるように作るのが理想的です。HPfull.jpg

上下顎、別々に型取りをする従来の方法はこのような歯の情報を得るのが難しいことから、「上下顎同時印象法」は精度の高い新しい技術と言えると思います。

2010年02月03日 | コメント (0) | トラックバック (0)

保険の入れ歯と上下顎同時印象法による入れ歯の違いについて

従来の入れ歯、上下顎を別々に型取りをする欠点

①機能している時の口のまわりの筋肉、舌、唇の記録がとれません。

②食事をするときの状態、つばを飲み込むことができません。

③上下の顎に平均した圧力がかけられません。

④医師の圧力による型取りのため、患者様の圧力と異なります。

⑤医師の手による圧力であるため、患者様がかんだときの圧力とは異なります。

上下顎同時印象法の利点

頭蓋を構成している骨は15種23個あり、耳小骨、舌骨をのぞいて関節によって連結されています。

歯も歯根と歯槽骨は歯根膜によって靭帯関節を作っています。

顎の関節は頭蓋で最も大きい関節でとても特殊な動きを行っています。

上の歯と下の歯も対になっています。

これを再現するためには上下別々に型取りをしてひとつにするよりも、上下を一緒に型取りをしてふたつに分けたほうが正確に再現できます。

このシステムの利点として次の点があげられます。

①精密な型取り、かみ合わせの記録、上下顎の高さ、位置の記録をわずか一回で行うため、従来のように何回も来院することがありません。

②かみ合わせの高さを記録しながら型取りをするため理想的なバランスがとれます。

③型取りの間につばを飲み込むことができます。

④型取りをした模型をそのまま、咬合器(かみ合わせの器械)に付着するためくるいがありません。

⑤患者様自身の圧力によって、口のまわりの筋肉、舌、唇の記録をとることができます。

⑥人口の歯はお口のなかの筋肉のバランスのとれたところに並べます。

⑦従来は入れ歯の歯肉の形を舌の奥の方に伸ばしていたため、舌が動くと入れ歯をはずしてしまいました。上下顎同時印象法による入れ歯は舌の前のほうを利用するため自由に舌を動かすことができます。そのため、つばを飲んだり、発音がしやすくなります。

⑧入れ歯の歯肉を作る方法(重合)も保険の方法とはまったく違う精密な重合方法(イボカップシステム)で行うためウォーターフィルム現象(ガラスの板と板の間に水を介在させるとぴったりくっついて離れない状態)を得ることができ、維持が非常にいいです。

⑨骨が極度に薄い症例は今まで、難症例とされてきましたが、新しいシステムでは、口のまわりの筋肉、唇、舌による維持を期待できるため影響が少なく、とてもいい結果を得ています。

⑩ドイツのカボ社の咬合器(噛み合わせの器械)を使用することにより、医師と技工士の連携がしっかりできます。

2010年02月03日 | コメント (0) | トラックバック (0)

保険の入れ歯と上下顎同時印象法による入れ歯の違いについて

保険の入れ歯と上下顎同時印象法による入れ歯の違い


 小さい方の入れ歯は保険で製作した入れ歯です。



大きい方は上下顎同時印象法で製作した入れ歯です。



同じ人の入れ歯とは思えませんが、同じ人です。



製作方法の違いによってこれだけ変わってしまいます。



 



 



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保険の入れ歯は粘膜の型とりだけするため、このような小さい入れ歯になりがちです。



入れ歯はお口の中で動いてしまうし、もしかしたら飲み込んでしまうかもしれません。



上下顎同時印象法により製作する総入れ歯は、お口の中すべての情報を記録し、再現できます。


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2010年02月03日 | コメント (0) | トラックバック (0)

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