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2014『総義歯ライブ3日間実習コース』1日目♪
IPSG事務局、稲葉由里子です。
7月19.20.21日『総義歯ライブ実習コース』が開催されたので、ご報告させていただきます♪
実際の患者様をお呼びして、問診からスタディーモデルの印象、上下顎同時印象、 咬合採得、ゴシックアーチ、排列、重合、最後のセットまですべてライブでご覧いただけるセミナーです。
3日間3回に分けてお伝えしたいと思います(^_^)
稲葉先生の右腕として技工インストラクターをつとめてきた、故岡部宏昭先生。
Dr.Hans Shleichの総義歯コースでも活躍されていた、素晴らしい先生でしたが、大変残念ながら、昨年末お亡くなりになりました。
岡部先生がいない、総義歯コース。
今回のメインサポートであり、一部講義も担当するのは、IPSG副会長、岩田光司先生、アシスタントとして、佐藤孝仁先生、技工アシスタントとして、小平雅彦先生、中沢勇太君、映像担当は稲葉則子ということで、IPSGスタッフ力合せての総義歯セミナーとなりました。
義歯を吸着させるだけではなく、咬合をどのように与えるかが、ポイントです。
今回ご協力いただいた患者様は、38歳女性。
1年前に稲葉歯科医院に来院されたのですが、残念ながら重度歯周病のため総義歯となりました。
患者様のスタディーモデル採得の様子です。
スタディーモデル用のトレーはAccu-tray、Ivoclar-Vivadent社から販売しています。
総義歯に必要な部位をこのトレーを用いる事で的確に採得することができます♪
模型分析の様子です。
IPSGセミナールームの特徴として、口腔内や稲葉先生の手元がこんな風に拡大してご覧頂けるため、先生方に詳細に学んで頂く事ができます(^_^)
上顎のスタディーモデルです。
歯周病を煩っていたので、左右骨の吸収が非対称、第一横口蓋数壁が消えています。
(故岡部宏昭先生資料より)
【CPCライン】
Canine(犬歯) Papilla(切歯乳頭) Canine(犬歯)を結ぶ線は総義歯の排列の基準になります。
切歯乳頭の中点から7ミリ外側(唇側)に中切歯唇面。
第一横口蓋数壁の末端からCPCラインに向かい9ミリ外側に犬歯の最大豊隆部。
CPCライン上に犬歯尖頭。
第一横口蓋数壁末端から2ミリ外側に犬歯の舌側の歯頸部です!
下顎は歯槽頂が尖っていて、舌側にアンダーカットがあります。
(故岡部宏昭先生資料より)
下顎の犬歯の近心隅角とレトロモラーパッドの舌側面を結んだライン。
そして、大切なのは顎舌骨筋の付着の仕方を頭の中に入れておく事です。
この部分は、シュトラックデンチャーでは使いません。
スタディーモデルを元に作った上下顎同時印象用トレーです。
気になる咬合採得は・・・
(故岡部宏昭先生資料より)
上唇小帯最深部から上顎切歯切端まで22ミリ。
下唇小帯最深部から下顎切歯切端まで18ミリ。
を基準に38ミリから40ミリに合わせればだいたい決まります。
口腔内でも同じ状態が再現できています。
ほとんど、咬合高径はこれで予測できました♪
これで、2日目の午前中、上下顎同時印象をするための準備が整いました(^_^)
ここで、稲葉先生の総義歯、シュトラックデンチャーのコンセプトをお伝え致します。
今までの日本の総義歯は、顆路傾斜を計って、ベネット角を再現してフルバランスを作る方法でした。
患者様の顆路を計り、チェックバイトで咬合器を調整していた従来の方法です。
しかし、老人の顆路は丸みを帯びていて平らな形に変形してしまっています。
従来の方法は、この平らな顆頭に合せて計測するため、平らな咬頭の義歯になってしまうということです。
シュトラックデンチャーは、オルソシット人工歯の咬頭傾斜は25度と決まっています。
従って、義歯が顆路を誘導するというコンセプトです。
義歯が顆路を誘導するには、適合性が相当良くて義歯が動かない様な物を作らないといけません。
顆路は、リモデリングされます。
関節と窩、円板を介在させてわずかに離れる程度の誘導です。
そこが、従来の方法とシュトラックデンチャーとの大きな違いと言ってもいいでしょう。
一日目が修了。
今回開始直後にカメラとモニターの配線がうまくいかない事態が発生。
わたしがほうぼう近所の電気屋さんに涙目で聞き歩いたけれど見つからないということがありました。
結局、技工士の中沢君が粘り強さで、配線を正しくつけかえ、復活した事件もありました。
ご参加いただいた先生方、ご迷惑おかけいたしましたm(_ _)m
懇親会の模様です!!
2日目、3日目もよろしくお願いします(^_<)-☆
2014年07月22日
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