IPSG包括歯科医療研究会発信|顎関節症、テレスコープシステムの専門家が歯科医療の現場と実際を綴るブログ:ドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープをはじめて日本に紹介した稲葉歯科医院がお届けする、使用感・審美性ともに優れた本当の入れ歯とは?そして歯の治療にまつわるあれこれなど。

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2012『顎関節症ライブ実習コース』開催されました☆

先週末、『顎関節症のライブ実習コース』がKaVo Dental Systems Japan にて開催されました。

全国各地からたくさんの先生方にお集まりいただき、大変充実したセミナーでした☆

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稲葉先生がドイツへ留学したきっかけは、当時チュービンゲン大学の顎関節症の権威、シュルテ教授の講義を受けたかったからです。

シュルテ教授の顎関節症の集中講義は、一週間、朝8時から夜9時まで休みなく行われたそうです。

システム化されたシュルテ教授の図を見ながら解説がありました。

シュルテ教授によると、精神的なものに移行するのは全体の4%だそうです。

やはり、顎関節症の患者様に対して、精神的な不安と肉体的な原因をきちんと分けてあげて、安心させてあげることがまず、非常に大切ですね。

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今回、稲葉先生の元医局員の包先生の衛生士さんお二人にご協力いただきました。

お一人は、咬筋の痛みを伴う開口障害(S字状カーブ)そして、もうお一人は両側の顎関節のクリック音の症状があります。


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まずは姿勢の観察をした後、ドップラー聴診器で顎関節音を聴診です。 

こちらの患者様、クリック音はありませんでした。

今回、新しいドップラー聴診器を使っての聴診です。

ポケットサイズで、以前よりコンパクトになりました☆

ちなみに、クローズドロックの患者様は関節窩内で回転運動だけを行うので、ドップラーで聴診しても音は聞こえません。

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もうお一人は両側の大きなクリック音です。

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とてもかわいらしいお二人なので、それだけで場が和みます^_^

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印象採得からフェイスボートランスファー、模型作りまで、すべて稲葉先生自身がデモをし、解説がありました。

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フェイスボートランスファーです。

KaVoの咬合器、フェイスボー、ユニットはデザインがシンプルで、シルエットも美しいですね☆♪

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先生方一人一人、顎関節の触診をしていただきました。

閉口筋、開口筋に加え、胸鎖乳突筋、僧帽筋、側頭筋などの筋肉に関しても、顎関節症は深く関わっています。

そして、舌癖と顎関節症がどのように関わっているかということについても、こんな説明がありました☆♪

↓ ↓ ↓

一日にでる唾液の量はペットボトル1本分です(稲葉先生は一升瓶と言っていました・・・)

一日これだけの量の唾液を飲み込んでますが、舌癖の方は、間違った嚥下習癖を常に、毎日2000回も行っています。

舌癖の方は嚥下する時に常に顎を前にだしています。

2000回も顎をだしているということになります。

顎を前に出したとき、下顎の6番の近心斜面と上顎の6番の遠心斜面の咬頭干渉により顎関節を下に下げてしまい、顎関節症になっているパターンが非常に多くみられます。

本来、正しい嚥下は口蓋皺癖に舌をつけて唾液を飲むと下顎は後ろに引っ込みます(嚥下位・・・ほとんど中心位と一致する位置)

下顎を2000回前に出しているということは下顎を前に出す時に関係する僧帽筋が2000回引っ張られているという事です。

僧帽筋は肋骨の10番目まで付着しています。

だから腰にも痛みがでます。

舌癖でヘルニアを併発している方も多いので注意してください。

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CE、FH平面と、顎関節の構造、メカニズムについての説明です。

わかりやすかったです^_^ 

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患者様の咬合診断、分析を稲葉先生を取り囲んで、楽しく実習しました☆

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いよいよ、顎機能検査装置、KaVo アルクス ディグマⅡです。

記録されたデーターはリアルタイムでディスプレーに表示されるため、患者様と先生とのコミュニケーションに大変有効です。

患者様のデーターベースとして、術前術後の記録を比べ、保存しておくことができます。

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軽量かつ優れたヘッドフレームの重量配分は測定中の患者様への負担を軽くしています。

センサーは歯列に沿った位置に配したことでより正確なデーターを得ることが可能です。

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IPSG副会長岩田光司先生が、確実な記録をとってくださいました。

12分で。

無駄がありません。

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そして、咬合調整です。

原因は、模型診断で見つけているので、咬合調整に迷いがありません。

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咬合調整はユニットを取り囲んで、こんな感じで、行われています。

先生方本当に熱心に見学されていました。

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咬合調整により、S字状カーブでの開口障害は見事にストレートに変わりました。

すごいことだと思います。 

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患者様にも大変喜んでいただきました^_^  

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もうお一人は、今回私にとって、本当に勉強になった症例だったと思います。

両側のクリックを伴っていました。

術後、完璧にクリックは消えませんでした。

格段に音は小さくなりましたが、まだ残っています。

長い間のクリックで、関節円板が傷ついてしまっていたこと、そして舌癖があったためだと思われます。

このような事は、これから症例を積み重ねていくと私たちも、度々遭遇することかもしれません。

患者様は生体です。

こういうことがあるという事も、知っていただきたいと思います。

私は術前に、「絶対」治りますよ。

という事は、避けないといけないと感じました。

いろんな場面で考えることが出来るかと思いますが、例えば、インプラント治療、テレスコープが

「万能で一生使えますよ」

という事は保証できませんし、言ってはいけないことだと思います。

つい、成約する時の決め言葉として、使いたくなりますが、非常に危険だと感じます。

「クリック音は少し残るかもしれませんが、原因はとれているので、症状は格段に良くなっていくと思います。」

というような表現をした方がいいですね^_^

稲葉先生はほとんどの患者様のクリック音はすぐにとってしまいますが、今回のような場合は少し、残ることもあります。

もし、私であったならどのように患者様へ説明したらいいか・・・患者様への説明について、深く勉強になった症例でした。

傷ついた関節円板は、もちろん、原因をとったことで、徐々に治り、クリック音も消えていくと思います(^_-)-☆

セミナーの内容はとても素晴らしかったです。

筋肉へのメカニズムは、目からウロコでした。

ご参加いただいた先生方、本当にありがとうございました。

スピーの湾曲をみだしている歯はやはり、見逃せません。

そして、インレーも要注意です。

後日販売されるDVDでもディグマの術前術後を比べられるように、わかりやすく編集して頂こうと思います☆♪

今回、受講していただいた先生方からもたくさんの感想をいただきました。

一部ご紹介させていただきます☆

☆彡:・;.*:・。゜゜・:゜*:。゜.*。゜.o。・。゜。o.゜。・*。・゜.。☆彡

◆今回は筋の痛みの人と、両側のクリックの人を実際に治療しているのをみて、見事に治してしまわれ、さすがの一言につきました。患者さん自身が自分で違いを実感できるのが大きなポイントだと思います。舌癖の話なども少し聞けて、とても有意義でした。

◆30年も前にMFT(今頃注目されている)家庭療法、咬合診断など顎関節症に必要なことをすでに行われていたことにとても驚きです。臨床を見れば見るほどすごさがわかってきます。舌は下顎運動の水先案内人、下顎前方運動は上顎の後方運動等の名言もいっぱいあり、楽しくためになりました。

◆ワクワク、ドキドキ、感動の実習でした。2人の患者さんの治療を見学できてとてもぜいたくな実習でした。咬合調整だけでClick音がなくなったり、開閉口路がスムーズにストレートに運動するようになり、感動しました。ありがとうございました。

◆過去のDVDは全て見ていますが、ライブだからこそ解ることが沢山ありました。

◆実際に患者さんの症状が改善していくのはわかってはいましたが、やはり驚きです。咬合調整の手順も十分参考になりました。バーの使い方も参考になります。

◆科学的なデータに基づく、きちんとした診断の大切さがあらためてわかりました。普段自分の治療は正しい診断をしないで、患者様の口腔内を触っている状態でした。診断の為のデータをとる機器がないとやはり、きちんと治すのはできないのですね。

◆筋触診をおしえていただき感動でした。下顎を前方に出した時、僧帽筋を使うのがよくわかりました。

◆昨年の咬合治療を受けて、何回か同じ話をしていただいているので、ようやく次第によくわかるようになってきました。

◆実際に患者さんを検査、診断し、治療するのをみて理解が深まりました。

 

ご参加いただいた先生方、2日間、本当にありがとうございました。

ディグマの術前術後のデータに関しても後日、アップさせていただきます。

 




2012年04月16日

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