IPSG包括歯科医療研究会発信|顎関節症、テレスコープシステムの専門家が歯科医療の現場と実際を綴るブログ:ドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープをはじめて日本に紹介した稲葉歯科医院がお届けする、使用感・審美性ともに優れた本当の入れ歯とは?そして歯の治療にまつわるあれこれなど。

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前歯の差し歯がとれてしまいました!

Q.前歯の差し歯がとれてしまいました!自分でつけることできますか?

A.差し歯がとれてしまって、自分でつけてしまう方、たまにいらっしゃいます。

「差し歯」とは、神経の治療をした歯に金属の土台を差し込んで、その土台に歯を被せてある状態のものです。

神経のある歯に被せてある物は「被せ物」として区別しています。

差し歯がとれてしまったのが夜中だったり、旅行中だと大変困ってしまうと思うので、つい自分でつけることできないかな・・・と思ってしまいますよね。

でも、やめておいた方がいいです。

というのはとれてしまった歯の根の中は食べカスなどがついていて清潔な状態ではありません。細い根の中を自分で綺麗にすることは、歯科医院以外ではできません。

その上に接着剤などで、くっつけてしまうと、しばらくして感染する可能性があります。

もしくは、接着した根の中から虫歯が広がってしまうことだってあるのです。

自分でもどしても、だいたいすぐに取れてしまうので、結局は歯科医院に行く必要があるのですから、早めに受診されたほうがいいと思います。歯科医院ではだ液も細菌の感染源になるため、歯の根に入らないように気を付け、滅菌消毒してつけます。

差し歯がとれてしまう原因なのですが、よく患者様に説明することをそのままお伝えします。

差し歯と歯の根はセメントで接着されています。そのセメントが隙間から溶け出してしまい、接着力がなくなってとれてしまう。

差し歯と根の維持力が悪い場合もよくとれてしまいます。例えば上の前歯は接着してないと、重力で落ちてきます。それをセメントでつけているのですが、セメントだけだととれやすいです。そこで、落ちないように引っかかりを作ったり、適合をよくしたりという工夫がされるわけなのですが、その維持力が弱いととれやすくなります。

差し歯の中が虫歯になっている場合、中がやわらかくなってしまうためとれやすくなってしまいます。

噛みあわせが強い場合、前歯だったらとれてしまいます。

歯の根が割れている場合もとれてしまいます。

当院では、とれてしまった差し歯は必ずもってきていただくようにしています。

セメントが溶けてしまっただけだったとするともう一度つけることができます。(ただし、繰り返すようならば新しく作りなおしたほうがいいと思います)

維持力が悪い場合は、とりあえずつけますが、土台からやり直す必要があります。

中が虫歯になっている場合は、やわらかい虫歯をすべてとって補強をしてつけます。

噛みあわせが高い場合はその原因をとってつけます。

歯が割れていた時、これは問題です。

急性症状がない限りは、歯に負担がかからないように両隣りの歯に接着して応急処置をして、治療方法を相談してから抜かないといけません。

 

30代の時にすでに全体的に差し歯があったり、ブリッジが入っていたりするかたはこれから要注意です。40代で、かぶせてある歯やブリッジが割れたり、保存できなくなってしまうケースが非常に多いからです。

この時期にしっかりとした歯科治療をしておかないと、歯の喪失を加速させてしまう可能性があります。

差し歯がたくさん入っている方には、連結することをおすすめしています。歯は左右に揺れる力にとても弱いため、一本一本離れていると、すぐにとれてしまいます。

出来る限り、弱い歯も含めて全体的に固定してあげること。

歯のかみ合わせを整えてあげること。

歯を動かさないようにすること。

がとても大切なキーポイントになります。

 

 

 

2010年06月17日

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