Home > 【IPSG包括歯科医療研究会】 > 確実に吸着する上下顎同時印象法による総義歯
確実に吸着する上下顎同時印象法による総義歯
2010年 新春特別講演会
「確実に吸着する上下顎同時印象法による総義歯」のセミナーがコサカで開催されました。
40名の歯科医の先生方が参加してくださり、熱心に聞いていました。その内容をちょっとわかりやすくご説明します。日本で1538年に74歳でなくなったお坊さんが使っていた総入れ歯が世界最古だそうです。
その入れ歯が稲葉式上下顎同時印象法の原点です。上下顎同時印象法とは総入れ歯の上と下のあごの型取りを一緒に行う方法で、(普通は別々に型取りします。)患者様自身のお口の力を使って型取りをします。型取りの間に、つばを飲み込み、その動きを採ることができます。
つばを飲むということは食事をして食べ物を飲み込む時と同じ行動です。この状態が完全にコピーできれば理想的な入れ歯ができあがります。上下顎同時印象法によるこの新しいシステムでは、お口の中の状態を完全にコピーすることが可能です。通常今までの総入れ歯では型取りをしているときにつばは飲み込めません。従来の総入れ歯は完成するまで10回ぐらい来院しなくてはいけませんでしたが、新しいこのシステムではわずか4回。そのかわり、一回一回集中して確実に患者様のお口の中をコピーします。このブログは歯科医が読むことも多いので、専門的に言い換えますと、
咬合採得、ゴシックアーチ、フェースボートランスファー、上下顎同時印象をわずか一回で行うため合理的で患者様の来院回数が少なく負担がすくないのが利点です。入れ歯の歯肉を作る方法(重合)も保険の方法とはまったく違う精密な重合方法(イボカップシステム)で行うため、ウォーターフィルム現象(ガラスの板と板の間に水を介在させるとぴったりくっついて離れない状態)を得ることができ、維持が大変によいです。途中から、DVDを流して、DVDの中の稲葉先生が解説したため、大きい画面でみんなで上下顎同時印象法を見ることができました。
DVDは素晴らしいです。それにしても総入れ歯は奥が深い。歯がないと食事もできないし、人とコミュニケーションがとれません。
それを治療してあげられるのは私たち歯科医しかいません。みんな一生懸命勉強してしていました!
その時の様子、Twitterでも実況中継しました。まだはじめたばかりでよく使い方がわからないのだけど、とりあえず、いろいろつぶやいてみます!
2010年02月28日
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.shigelog.com/mt/mt-tb.cgi/71