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虫歯ではないのに食事のたびに歯がしみる
名医が答える40歳からの医学相談特集
というのが家庭画報で特集され、当院顧問の稲葉繁先生が、歯科の部門の名医代表として、回答しました。
Q.虫歯ではないのに、食事のたびに歯がしみます。 52歳・男性
食事中に歯がしみることがたびたび続いたので、一度近所の病院でみてもらいました。先生は虫歯ではないというのですが、それでも熱いものや冷たいものを食べると歯がしみて仕方ありません。
私の気のせいでしょうか。それとも虫歯でもないのに歯がしみるのは、何か別の病気の兆しなのでしょうか。
A.長年にわたる食生活でエナメル質も摩耗、そして刺激に反応する。 稲葉繁先生(高齢者歯科)
歯がしみる原因はいくつか考えられます。そのうちの一つが虫歯ができているときですが、検査の結果虫歯ではないとのことですので、ほかにおそらく原因があるのでしょう。
歯の表面はエナメル質という固い物質で覆われており、虫歯にかかりにくくなっています。
そして簡単には擦り減らないようになっていますが、長い間には固いものをはじめ歯をすり減らすようないろいろなものを食べますので、どうしても歯の表面は少しずつすり減ります。
表面の固いエナメル質が減ってしまいますと、その下の総には神経の線維がある象牙質が出てきます。
この象牙質は柔らかく、いったん表面に露出しますと、急激にすり減りがおこり、さらに奥の神経の部屋、すなわち歯髄に近づきますので、ちょっとした刺激、すなわち冷たいものや熱いものにも反応して、非常にしみやすくなるのです。
正常な状態で歯が植立している場合には、歯の根は歯肉に覆われていますが、加齢現象やほかの何らかの原因で歯の根が露出しますと、やはり神経が直接ひょうめんに露出します。
歯根は表面がセメント質に覆われていますが、軟らかいためにすぐにはがれてしまいます。
したっがて歯肉は退縮するために歯根が露出し、しみるようになります。もうひとつの歯根の露出の原因に、長年にわたる間違った歯ブラシの使用によるものがありますので、ブラッシングの方法を歯科衛生士などの専門家に相談してみてください。
さらに歯のかみ合わせにより、歯冠と歯根の境目のところにストレスが集中し、この部分に、きつ状のシャープなくぼみができることがあります。そのような場合には歯垢が付着しやすく、なかなか奥までとれにくいため、虫歯になりやすくなります。
多くの場合このような、きつ状欠損は小臼歯に現れ、歯と根の間に段差ができますので、この部分にツメを当てますと引っかかりがわかります。その時は歯科医院に行き詰め物をしてもらうとよいでしょう。
2010年02月28日
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