IPSG包括歯科医療研究会発信|顎関節症、テレスコープシステムの専門家が歯科医療の現場と実際を綴るブログ:ドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープをはじめて日本に紹介した稲葉歯科医院がお届けする、使用感・審美性ともに優れた本当の入れ歯とは?そして歯の治療にまつわるあれこれなど。

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稲葉式総入れ歯の治療手順

上下顎同時印象法による総入れ歯の製作方法について書きたいと思います。

あとから画像を入れる予定です!

 

初診

患者様の入れ歯に対する希望を伺います。

今までの入れ歯で不自由なこと、困っていることなどをお話ししていただきます。

なんでも希望をおっしゃってください。

第一回目の来院

患者様のお口の構造をよく見させていただき、一回目の型とりをします。

これによって、上下顎同時印象法をするために必要なお口の中の情報を得ることができます。

お口の中の情報は、外から見ただけではわからないので、模型にしてよく研究します。

型取りの際、冷たい材料がお口の中に入りますが、2分ほどでかたまりますので動かないようにしていてください。

けっしてのどの奥の方には入っていかないので安心してください。

模型に石膏をつぎ、よく研究します。そして精密な型取りをするための準備をします。

第二回目の来院(上下顎同時印象法と模型制作)

まず上下の歯の高さを決めます。次に上下の顎の位置を決めます。以前使っていた入れ歯のかみグセと同じように作るのではなく、正しい位置にもどして記録をします。

いよいよ、上下を一緒に精密な型取りをします。

5分ほどでかたまりますのでお鼻でゆっくり息をしていてください。

5分間の間にたくさんの情報をとっていきます。

患者様には普段食事をしているのと同じ姿勢でつばを飲んでいただきます。

この状態を記録することが非常に重要です。

従来の型取りは先生の圧力による型取りだったため、後でこの状態を再現するのがとても困難でした。

上下顎同時印象法は患者様自身が筋肉の圧力をかけるため、とてもよい状態の記録をとることができます。

顎の形にはさまざまな形態があります。

それは歯を失う原因によっても異なります。

むし歯によって歯を失った場合には比較的骨が残りますが、歯槽膿漏によって歯を失った場合は骨を大きく失ってしまい、顎が細くなってしまうため、入れ歯の製作が非常に困難になります。

 

人工の歯の選択もこのときにします。

上下顎同時印象法の総入れ歯で使用する人工の歯はDr.Strack設計の機能的で美しさも兼ね備えたものです。

患者様の肌の色、顔の輪郭、などを参考に患者様と一緒に相談して決めます。

精密に上下の顎の状態を計測して、咬合器につけたあと、先に選んだ人工の歯を並べていきます。

人間の顎はとても精密にできていて数ミリの誤差も敏感です。

そのため、お口の中に入れて違和感のないように顎と同じうごきができる器械(咬合器)に装着して製作します。

歯肉の形成はワックスでつくります。

第三回目の来院

蝋でできた入れ歯を完成前に患者様にいれてチェックします。

審美的なチェック

適合性のチェック

発音のチェック

かみ合わせのチェック   などをします。

このあと、蝋でできた入れ歯は長持ちのする硬い材料(合成樹脂、金属)に取り替えます。

入れ歯の維持は歯のあった時とはまったく違い、なにもない顎です。

そのため、入れ歯の維持はウォーターフイルム現象によります。

それは、ガラス板を2枚重ねその間に水を介在させると取れなくなる仕組みと一緒です。

顎の歯肉の形態と完全に同一精度でつくらなくてはいけません。この操作を重合といいます。

その後、仕上げ研磨すれば完成です。

第四回目の来院

綺麗に磨かれた入れ歯を装着します。

審美的、適合性、かみ合わせ、発音、維持力を最終チェックします。

入れ歯を入れた直後はまだ慣れておりませんので、多少の違和感や痛みがあることがあります。

正しく作った入れ歯は調整により必ずよくなります。

よく合った入れ歯で食生活がよくなり人生も充実したものになるでしょう。

どうぞ、大切にお使い下さい。

2010年02月03日

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