IPSG包括歯科医療研究会発信|顎関節症、テレスコープシステムの専門家が歯科医療の現場と実際を綴るブログ:ドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープをはじめて日本に紹介した稲葉歯科医院がお届けする、使用感・審美性ともに優れた本当の入れ歯とは?そして歯の治療にまつわるあれこれなど。

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保険の入れ歯と上下顎同時印象法による入れ歯の違いについて

従来の入れ歯、上下顎を別々に型取りをする欠点

①機能している時の口のまわりの筋肉、舌、唇の記録がとれません。

②食事をするときの状態、つばを飲み込むことができません。

③上下の顎に平均した圧力がかけられません。

④医師の圧力による型取りのため、患者様の圧力と異なります。

⑤医師の手による圧力であるため、患者様がかんだときの圧力とは異なります。

上下顎同時印象法の利点

頭蓋を構成している骨は15種23個あり、耳小骨、舌骨をのぞいて関節によって連結されています。

歯も歯根と歯槽骨は歯根膜によって靭帯関節を作っています。

顎の関節は頭蓋で最も大きい関節でとても特殊な動きを行っています。

上の歯と下の歯も対になっています。

これを再現するためには上下別々に型取りをしてひとつにするよりも、上下を一緒に型取りをしてふたつに分けたほうが正確に再現できます。

このシステムの利点として次の点があげられます。

①精密な型取り、かみ合わせの記録、上下顎の高さ、位置の記録をわずか一回で行うため、従来のように何回も来院することがありません。

②かみ合わせの高さを記録しながら型取りをするため理想的なバランスがとれます。

③型取りの間につばを飲み込むことができます。

④型取りをした模型をそのまま、咬合器(かみ合わせの器械)に付着するためくるいがありません。

⑤患者様自身の圧力によって、口のまわりの筋肉、舌、唇の記録をとることができます。

⑥人口の歯はお口のなかの筋肉のバランスのとれたところに並べます。

⑦従来は入れ歯の歯肉の形を舌の奥の方に伸ばしていたため、舌が動くと入れ歯をはずしてしまいました。上下顎同時印象法による入れ歯は舌の前のほうを利用するため自由に舌を動かすことができます。そのため、つばを飲んだり、発音がしやすくなります。

⑧入れ歯の歯肉を作る方法(重合)も保険の方法とはまったく違う精密な重合方法(イボカップシステム)で行うためウォーターフィルム現象(ガラスの板と板の間に水を介在させるとぴったりくっついて離れない状態)を得ることができ、維持が非常にいいです。

⑨骨が極度に薄い症例は今まで、難症例とされてきましたが、新しいシステムでは、口のまわりの筋肉、唇、舌による維持を期待できるため影響が少なく、とてもいい結果を得ています。

⑩ドイツのカボ社の咬合器(噛み合わせの器械)を使用することにより、医師と技工士の連携がしっかりできます。

2010年02月03日

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