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テレスコープシステムの違いについて
テレスコープシステムの違いについて
現在、日本の保険で適応されている入れ歯はクラスプというバネをつかったものです。
クラスプと歯は密着していますが、接着はしていません。そのため入れ歯が動くと一緒に歯を動かしてしまい、ゆっくりと歯を抜いてしまう力が加わってしまいます。
バネで歯を支えているため、口の中で入れ歯は常に動いてしまいます。
私たち歯科医師が歯を抜歯するとき、歯を横に揺らしてから歯を抜きますが、同じことをクラスプがしてしまうのです。
ドイツでは、すでに歯科大学の授業からもクラスプによる治療方法ははずされていて、歯のために良くない、古い方法とされています。
では、ドイツではどのような入れ歯で治療されているのでしょうか。
テレスコープの入れ歯の歴史は1886年に始まり100年以上の歴史があります。
その間、ずっと改良、進化し続けて現代にいたっているため、非常に精密で、歴史のある入れ歯です。
ドイツ人は硬い食べ物を好みます。実際ドイツに行ってみると、パンもとても硬くて相当丈夫な歯でないとかむ事ができません。日本人が「柔らかくておいしい」と表現するところをドイツ人は「硬くておいしい」と表現します。
そのような食生活に耐えられる入れ歯でなくてはいけません。
そして、日本では合わなかったり壊れたりすると何度も作りなおしをしますが、このドイツの入れ歯は一度作ったら、修理しながらずっと使うことが可能です。
いろいろな種類のテレスコープがある中で、稲葉歯科医院ではリーゲルテレスコープ、コーヌステレスコープ、レジリエンツテレスコープでほとんどすべての症例を治療することができ、患者様にも満足いただいております。
それぞれのテレスコープの違いについて書いていきたいと思います。
コーヌステレスコープ
コーヌスとは円錐形の意味で、歯に直接接着させる内冠と入れ歯の本体、外冠により構成されています。
(二重に被せる方法)
内冠は円錐形で角度は6度(コーヌス角)、維持力は内冠、外冠のくさび力によります。(同じ形の紙コップを重ねると、ぴったりくっついて離れなくなります。その力を利用しています。)
装着の最後で内冠と外冠がカチッとはまるとはずれなくなります。
はずし方は入れ歯に指がかかるくぼみを作っておいてそれを持ち上げるとはずれます。
この角度は歯の状態により調整することができます。
コーヌステレスコープは神経のない歯には適応ではありません。
歯の残っている場所によっては禁忌症もあります。
リーゲルテレスコープ
コーヌステレスコープが内冠、外冠の維持力をくさび力でしているのに比べて、リーゲルテレスコープは内冠、外冠に維持力をかけません。
そのかわりに入れ歯に小さな鍵のような装置を付け、この鍵の開閉によって入れ歯が簡単に着脱できるようなしくみになっています。
神経のない弱い歯に対しても適応できる入れ歯です。
コーヌステレスコープが内冠が一本一本離れているのに対して、リーゲルテレスコープは内冠が連結固定してあります。
見えないところに鍵をつけるため、保険のクラスプのように見かけが悪くならず、審美的に優れています。
笑った時に見えるのは、白い歯だけ。という状態になります。
レジリエンツテレスコープ
3歯以内の歯が残っている場合に適応されます。
レジリエンツの維持は粘膜です。
粘膜は入れ歯により沈み込むため、内冠にもその分隙間をあけて作ります。
コーヌステレスコープとリーゲルテレスコープの禁忌症に適応されます。
テレスコープによる入れ歯の特徴
- 年月の経過とともに変化するお口の状態に応じ、いつでも修理をすることができるため、長く使うことができます。(保険の入れ歯は、歯が抜けるたびに毎回作りなおしが必要です。)
- 残っている歯の喪失を入れ歯により予防ができます。(連結固定することにより歯が動くのを止めることができるため)
- 入れ歯であることが周囲に気づかれないほど自然です。
- 快適な装着感です。
2010年02月03日
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