IPSG包括歯科医療研究会発信|顎関節症、テレスコープシステムの専門家が歯科医療の現場と実際を綴るブログ:ドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープをはじめて日本に紹介した稲葉歯科医院がお届けする、使用感・審美性ともに優れた本当の入れ歯とは?そして歯の治療にまつわるあれこれなど。
2015年06月30日

KaVoシステムによる顎関節症の診断と治療

第33回 日本顎咬合学会学術大会が開催されました。

カボデンタルシステムズジャパン共催によるランチョンセミナーにおいて、

『KaVo システムによる顎関節症の診断と治療』というテーマで稲葉繁先生が講演をさせていただきました。 

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会場は、国際フォーラムのB7

一番大きな会場で、当日は400名ほどの先生方にいらしていただきました。

講演を聞きながら、お弁当も食べる事ができる一石二鳥のランチョンセミナーですが、

今年は、稲葉先生の講演を集中して聞きたいので、お弁当はいりません。

という先生方が多かったといいます。 

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ランチョンセミナーに参加するために、こんなに沢山の先生方にお越しいただきました。

前日の理事長招宴会でご挨拶させていただいた先生方もお越しいただき、本当に嬉しく思いました。

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私たちの臨床をサポートしてくれる、KaVoの咬合器、フェイスボウは欠かせない道具です。 

咬合診断の出発点といっても過言ではありません。  

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今回は、先日開催された『顎関節症ライブ実習コース』の患者様の症例を通じて、KaVoマテリアルの素晴らしさをお伝えしました。 

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非常に頑丈であり、精密なプロター咬合器は、中心位のわずかなズレも再現することができます。

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患者様は15年間、口が開かないクローズドロック。

動画でマニュピュレーションの様子を流し、口が開いた瞬間、先生方は身を乗り出し、どよめきが聞こえるほどでした(^_^) 

開口量は、マニュピュレーション前が23ミリ、マニュピュレーション後直後には、45ミリ、ほぼ倍近く口が開くようになりました。 

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顎機能検査装置、KaVoアルクスディグマ2による、治療前治療後のデータの比較し、その違いをご覧頂きました。

2.3ミリの開口量の顎の動きは、顎関節結節を乗り越える事ができず、回転のみしかできませんでしたが、4.5ミリ開口した時のディグマの動きは完全に結節を乗り越え、大きな動きを見る事ができました。

素晴らしいです。 

アルクスディグマが顎の動きの違いを明らかにし、先生方も大変勉強になったのではと思います。

今年も沢山の先生方にお集りいただき、本当にありがとうございました(^_<)-☆ 

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2015年06月29日

総義歯における下顎位の臨床的決定法〜顎咬合学会学術大会〜

こんにちは。IPSG事務局、稲葉由里子です。 

6月27.28日『第33回日本顎咬合学会学術大会』が開催されましたので、ご報告させていただきたいと思います。 

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3名の著名な先生方によるシンポジウム形式で開催されました。

テーマは 『総義歯における下顎位の臨床的決定法』

会場には沢山の先生方がお集りいただき、立ち見がでるほどの盛況ぶりでした。  

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稲葉先生の講演に関して、パワーポイントや資料のお手伝いをしてくださった、IPSG副会長岩田光司先生がいつも側にいてくださったので、安心してこの日を迎えることができました。

岩田先生、いつも本当にありがとうございます。  

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顎間関係を決定する方法として、

咬合高径を決定する方法。

水平的位置を決定する方法。

など、様々な方法がありますが、稲葉先生は計測法を用いています。 

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計測法、ウィリス法の中でも、稲葉先生はレオナルド・ダビンチの比例法を用いています。

ダビンチは、人間が美しく見える基準について法則化し、素晴らしい絵画を描いています。

レオナルド・ダビンチの比例法を応用し、患者様が一番美しく見える総義歯を製作します。

内眼角から口裂の距離は

鼻下点からオトガイ下点

鼻下点から鼻根点

鼻根点から顔面と頭蓋の境

瞳孔間距離

耳介の長さ

眉上隆起の端から耳孔端

までの距離と等しい。 

という法則です。  

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人工歯の排列に先立ち模型分析を行います。

まず模型を上から観察し、正中線を描きます。

前方では切歯乳頭を丸く囲い、その中心を決定します。

そこから矢状正中縫合を通り口蓋小窩の中点を通る線を引きます。

ここが左右の基準線となり排列します。

さらに切歯乳頭を通り矢状正中線に直角に線を引きます。

この線の延長上に犬歯が来ますから、この線をCPCライン、 即ちCanine-Papila-Canineと呼んでいます。

これは後に犬歯を排列するときの指標になります。

前歯の排列は石膏コアーを唇側にあてがい中切歯を排列します。

矢状正中縫合を正中線とし、切端の長さは唇側コアーから2~3mm見えるところに歯槽堤の形態とは関係なく位置付けます。

天然歯の切端の位置は平均して切歯乳頭の中央から7mmの所に中切歯の切端が来ます。

中切歯が決まりましたら、側切歯を排列します。

側切歯の切端は中切歯の切端から約1mm短くします。

さらに唇側はやや内側に入ります。

その後犬歯を排列しますが、これも唇コアを使用し排列します。

犬歯の位置は第一口蓋趨壁の端から2mmの所に犬歯の基底結節が位置し、 そこから7mmの所に来ますがこの時C-C-Pラインの延長上に犬歯の切端が来るように排列します。

このようにすべて計測や法則に基づいています。 

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このように、稲葉先生の総義歯はチュービンゲン大学、シュトラック教授のシュトラックデンチャーを原型としています。 

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稲葉先生が開発した上下同時印象法は、噛めるところ、即ち中心位での印象が採れる唯一の方法です。

咬合採得、中心位記録、フェイスボートランスファー、ゴシックアーチを1度で行う事により、 一連の作業を簡易化することができると同時に、患者様の情報を、 咬合器に確実にトランスファーすることが可能になります。

フェイスボートランスファーを使用することで、矢状正中とカンペル平面を読み取ることができます。

そして、シュトラックデンチャーの歯肉形成、よくご覧頂きたいと思います。

バッカルシェルフの厚み、そしてサブリンガルルームの大きさが特徴です。 

上下顎同時印象法の様子もすべて動画でご覧頂きました。 

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こちらが、ガンタイプのシリコン印象材で上下顎同時印象した印象です。

患者様の口腔内をすべてまるごとコピーできる画期的な手法です。

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日本の多くの大学で行われている総義歯はヨーロッパのギージーの流れを汲むものです。

ギージーによるシンプレックス咬合器に与える顆路傾斜は30度に設定し、 切歯路角は顆路も同様に30度に設定します。

したがって咬頭傾斜角も30度となり、フルバランスドオクルージョンが生まれます。

この時臼歯の排列はスピーの湾曲を作るように咬合平面を基準に排列します。

上下の歯槽堤の最も高いところを結んだ角度、いわゆる歯槽頂間線を基準に排列しますが、しばしば上顎の歯列が小さいときは歯槽頂を基準に排列する関係から正常に排列できない場合があります。

その角度は80度が基準で80度を超えると交叉咬合排列を行う必要があります。

いずれにしても歯槽頂を基準にした排列をするように指示されています。

その結果上顎の排列は歯列弓が舌側になり、頬の粘膜との間が空く結果となります。

そのため食物の停滞を招いてしまいます。

シュトラックデンチャーでは元歯が有った所に排列するのが原則であるため、 歯槽頂とは関係なく口腔周囲筋のバランスの良いところに排列するため、 頬側に食物の停滞を招くことを防ぐことが出来ます。

シュトラックデンチャーに使用する人工歯は咬頭傾斜25度のオルソシットを使用しますが、 咬合平面の傾斜などを考慮すると最終的な矢状顆路角は30度程度になります。

老人の下顎頭は平たんになっていることがほとんどであるため、 顆路を計測しそれを咬合器に与えても顆路が修復されることは望めないため、 平均的な顆路を与えて下顎頭のリモデリングを期待するのが良いと思います。

シュトラックデンチャーは義歯が下顎頭を誘導するというコンセプトですから、 しっかり上下顎ともに吸着する義歯を作ることが必要です。

これらの条件を満たす方法は上下顎同時印象によるデンチャースペースが再現できる私の方法が一番優れていると思います。 

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昨年の『総義歯ライブ実習コース』の模様を今回の学会で講演させていただきました。

(※患者様からセミナーや学会での発表の承諾をいただいております。)

患者様は、美しい口元と取り戻されました。

年齢も38歳と若く、今まで口元のコンプレックスで辛い思いを沢山されてきたと思います。

これからは、自信を取り戻し、第二の人生を歩まれるでしょう。

会場へ足を運んでくださった先生方、本当にありがとうございました。 

 

 

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2015年04月15日

2015『顎関節症ライブ実習コース』開催〜その4〜

『顎関節症ライブ実習コース』〜その3〜

に引き続き、一連の実習コースのまとめとして、IPSG副会長岩田光司先生が講義をしてくださいました♪ 

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まず、患者様の姿勢について、どのようなポイントに気をつけて考察したらよいかをお話いただきました。

顎関節症の患者様は前傾姿勢の方が多いのですが、今回はそんなに前傾にはなっていませんでした。 

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治療前の開口量は2.3センチ。

クローズドロックの状態です。 

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ドップラー聴診器による関節音の記録について、動画でご覧頂きました。 

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そして、クローズドロックを解除、

マニュピレーションの様子を動画でわかりやすく解説。 

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そして、患者様の口腔内の様子です。

私が最初にこのオルソパントモグラフィーを見た時、あきらかな原因が見られないと思いました。

例えば臼歯の挺出、8番の干渉などです。

しかも、15年も開いていない・・・

となると、本当に治るのか少し不安が過りました。

患者様は矯正治療をされていて、矯正が修了したあたりから、徐々に口が開かなくなったとおっしゃっていました。 

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咬合診断の手法について、気をつける点、チェックポイントなど岩田先生がわかりやすく解説♪ 

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術前のKaVoアルクスディグマでは、関節が結節を乗り越えていません。

関節顆の中だけで回転運動をしているのがわかります。 

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KaVoプロター咬合器に模型を付着。 

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顆路傾斜各は

右側 矢状顆路角 45度 側方顆路角 8度

左側 矢状顆路角 50度 側方顆路角 8度

矢状顆路角の傾斜がやや強いけれど、イミディエートサイドシフトはありません。 

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顎関節症の分類もしっかりと頭の中に入れておきたいものです。

動画を用いて説明された、ステージ分類は非常にわかりやすかったです。  

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そして、こちらが治療前、治療後の開閉口の結果です!!!

左が治療前、右が治療後。

あきらかに動きが違うのをご覧頂けますでしょうか?

開口量は倍。

関節も回転だけではなく、滑走している様子がご覧頂けるかと思います。

素晴らしい〜!!  

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EPAテストもど真ん中。

稲葉先生の中心位の記録の正確さには、先生方もびっくりされていました。 

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治療後のディグマ、滑走しているのを確認しました。

一日で、この変化は凄いことだと思います。 

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岩田先生が最後にわかりやすくまとめてくださったため、先生方も頭の整理ができました。

最後の質問も、終わりがないほど続きました。

その中で、私も質問したかったこと。

「15年間もクローズドロックの状態だったので、骨癒着、アンキローシスをおこしていたら口が開かなかったと思うのですが、その点どのように判断されたのでしょうか?」

との質問に。

「口を開ける前に中心咬合位で側方運動を確認しました。そこでわずかに関節が動いているのを確認し、アンキローシスを起こしていないことを確信しました。」

と稲葉先生。

奥が深いです〜!

実際、アンキローシスを起こして開かない患者様を何人かみているので、その判断方法はどのようにするのか、私も悩んでいました。

あの時、そんな、細かいところをチェックしていたなんて・・・

稲葉先生の凄いところは、口で言うことをすべてやってみせ、結果を出すところだと思います。

臨床をやらないで、講義だけする先生との説得力とはまるで違います。  

今回の実習は本当に素晴らしく、受講してくださった先生方は歯科の仕事のやりがい、喜びを感じてくださったと思います。

私自身、患者様が娘の保育園小学校のパパ友ということもありレポートさせていただけた事で、大変勉強になりました。

患者様の笑顔を思い出し、これからも頑張っていきたいと思います(^_<)-☆

2日間ご参加いただいた先生方本当にありがとうございました。 

Posted by shige : 13:26 | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年04月13日

2015『顎関節症ライブ実習コース』開催〜その3〜

『顎関節症ライブ実習コース』〜その2〜に引き続き、いよいよ治療です。

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前日にマニュピレーションを行い、開口量2.3センチだった関節が、4.5センチまで開くことができるようになりました。

変化として、顎のクリック音が出始めたということ。

ドップラー聴診器で音を確かめます。

「顎が鳴るっていうのは、良い傾向ですよ!関節円板に乗って口が開いている事ですから(^_^)」

と稲葉先生。

関節の音がしない。

という事は、正常で音がしないという事と、関節円板が落ちて滑走できないために、音がしない事と2つの理由があります。

昔、クリック音があったけれど、最近なくなった。

というのが一番危ないと話がありました。 

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 当日の朝ごはんは♪

「今迄食べる事ができなかった大きなおにぎりを食べる事ができました!」

と早速Facebookから写真付きのメッセージが・・・ 良かったですね!!

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咬合紙で中心位の接触から調べて行きます。

咬合器とほとんど同じ接触です。

今回の咬合調整法はギシェー法です。

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素晴らしい!

こんな大画面で稲葉先生の咬合調整を見る事ができます。

非常にわかりやすかったと思います。

【ギシェー法・咬合調整順序】

1.中心位の早期接触を除去します。

接触している部位を上下とも削除します。

ただし、この時セントリックストップを失わないように、また、セントリックストップの位置が咬頭頂と窩底となるように、咬頭をシャープに窩底を広げるように削ります。

2.前方運動時の干渉、接触の除去

●平衡側

支持咬頭の内斜面を咬頭頂(セントリックストップ)を残して削除し、この咬頭の通り路を対向する支持咬頭内斜面に形成します。

この時、窩底につくったセントリックストップを削除しないように気をつけてください。

●作業側

上顎舌側咬頭の外斜面を咬頭頂を残し削除します。

下顎の舌側咬頭内斜面については求める咬合形式が犬歯誘導かグループファンクションかによって、 またグループファンクションにしてもどの歯まで接触させるかで接触させる歯させない歯が出てきます。

接触させない場合は下顎咬頭外斜面を削除し、この咬頭い通り路を上顎咬頭内斜面に形成します。

接触させる場合でも広報の歯が強くあたるのは干渉であるので、同時に接触するように調整します。

犬歯誘導の場合はこのような臼歯部接触はすべて除去します。

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スチュアートの咬合調整法との違いは、中心位の調整を最初にやるか最後にやるかということですね。

どちらにも共通する原則は、不正なテコ現象の視点となるような咬合接触を取り除く事、そして咬頭嵌合時に臼歯には歯軸方向に力、荷重が加わるようにすることです!  

と説明がありました。

咬合調整と言ってもごくわずかです。

調整後、咬合した時の音が高く澄んだ音に変わりました。

原因を取り除きました。

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そして、ディグマで治療後の様子を確認します。

ディグマの治療前、治療後のデータについては、

『顎関節症ライブ実習コース』〜その4〜でお伝えいたします♪ 

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私たちが何より嬉しいのは、患者様の喜びです。

何度も何度も口を開いて、口が開く喜びを噛みしめてくださいました。

お子様からも、

「こんなに口を大きく開くパパ、初めて見た!」

とびっくりしながら言われたそうです(^_<)-☆

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患者様と稲葉先生も和やかでしたし、実習の雰囲気も熱気が伝わってきました。

ご協力いただいた患者様の坪坂さん、本当に感謝です。

坪坂さんのおかげで、歯科医療の深み、喜びを改めて実感された先生も沢山いらっしゃったのではと思います。

『顎関節症ライブ実習コース』〜その4〜では、治療前、治療後を考察したいと思います!!

 

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2015年04月12日

2015『顎関節症ライブ実習コース』開催〜その2〜

『顎関節症ライブ実習コース』〜その1〜に引き続き、

朝はやくからお集りいただき、先生方の熱心な様子が伝わってきました。 

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9時から10時まで、大画面モニターを用いて、実習形式で講義がありました。

大変重要な内容だったので お伝えしたいと思います。  

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前日にマニュピレーションをし、患者様の口を開けましたが、そうなった原因は取り除いていないので、また再発する可能性が高いです。

私たちは咬合診断により原因を突き止め、原因を治療することにより、再びロックしないように、口が開く状態を永続性があるようにしなければなりません。

咬合調整の目的は・・・

顎関節を考えた咬合調整をすること。

顎関節と円板をタイトにすることです。

ギシェーは顎関節を第4大臼歯と呼んでいるほど、咬合と密接に関わっています。 

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顆路とは側頭骨の関節窩に対して、下顎頭(顆頭)が関節円板を介して、顎が動いていく状態のことを言います。

その中で、下顎が前方に動いていく道を『矢状顆路角』といいます。

側方運動では、平衡側で矢状顆路角の前内下方を通ります。

これを『側方顆路角』といいます。

通常、この矢状顆路角、側方顆路角は咬合平面に対する角度で表し、咬合平面は、カンペル平面(補綴平面)とほぼパラレルであるため、カンペル平面となす角度としてとらえることができます。 

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 ギージーは矢状顆路角は平均33度としています。

側方顆路角は矢状顆路角より、さらに内方を通るため、角度は5度程度急になります。

矢状顆路角と側方顆路角のなす角度を『フィッシャーアングル』と呼んでいます。

フィッシャーアングルは5度です。 

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さらに、これを水平面に投影した角度を『ベネット角』といいます。

その角度はギージーによれば、13.9度でありますが、ランディーンによれば、下顎の側方運動開始から4ミリのところで、サイドシフトとよばれる動きが現れます。

(これをイミディエートサイドシフトと呼んでいます)

最初の4ミリを超えると、差がなくなり、その平均値は7度で個人差はみられません。

側方顆路角の平均値は7度と覚えておくだけでも、大きな助けとなります。 

●イミディエートサイドシフトとは。

下顎側方運動の際、作業側で下顎頭は回転し、平衡側では前内下方に動きますが、作業側の下顎頭は純粋な回転ではなく、わずかに側方に移動しながら平衡側は動きます。

したがって平衡側では動き初めに即座に作業側の方向に動きます。

これを『イミディエートサイドシフト』といいます。

この運動は、咬合面に描かれるゴシックアーチの形態に影響してきます。

中心支持咬頭(セントリックカスプ)の動き初めにその軌跡が変化しますので、中心位からの作業側、平衡側ともに干渉をおこしやすくなります。

そのため、中心位における運動の出だしを調整する必要がでてきます。

これを再現するためには、作業側顆頭の性質を再現できるような咬合器を使用することが必要です(^_<)-☆ 

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咬合調整 

◆BULLの法則

咬合調整の時に咬合紙の色が印記された歯が上顎と下顎どちらを削ったらいいのか悩むことがあります。 その時、どちらを削るのかという法則です。

ぜひ、模型をみていただいて、確かめていただきたいと思います。

● 非作業側→上顎では下顎歯の咬頭が通過できるよう。また下顎には上顎歯の咬頭が通過できるように、溝を形成します。

● 作業側→BULLの法則を適用します。

BULLの法則といいうことは、上顎(U)の頬側咬頭(B)、下顎(L)では舌側咬頭(L)を削るというルールです。

下顎の前歯の切歯点を結んだ三角をボンウィルの三角(10センチ)といいますが、最低でもこの大きさの咬合器でないといけません。 

 ボンウィルの三角と咬合平面(曲面)とのなす角はバルクウィル角(平均26度)ですね☆

「咬合診断を行うためには、このような基本をきちんと抑えておく必要があります。」

と稲葉先生。

基本をしっかりと抑える。

大切なことですね!!! 

 

 

Posted by shige : 13:47 | コメント (0) | トラックバック (0)

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